ビルメンテナンス業界のM&A・売却・買収事例、業界動向

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ビルメンテナンス業界は、近年M&Aが活発な業界の1つです。その背景には、事業承継、優秀な人材確保、サービスの拡充といった目的があります。

本記事では、ビルメンテナンス業界の市場動向を解説するとともに、ビルメンテナンス業界におけるM&Aのメリット、今後のM&A動向、買収事例をまとめてご紹介します。

目次

ビルメンテナンス業界の概要・市場動向

ビルメンテナンス業界とは

ビルメンテナンス業界とは、オフィス・マンション・病院・自治体施設・学校・ホテル・ショッピングセンターなどのビルの管理に関する全般的なサービスを取り扱う業界です。

会社の規模によって提供するサービスは異なりますが、主に以下の事業を展開しています。

  • 環境衛生管理業務(清掃・廃棄物処理)
  • 設備管理業務(電気通信・空調・エレベーターの保守)
  • 保安警備業務(警備・防災・防火)
  • 建物設備保全業務(建物や設備の保守・点検)

これらの業務にはそれぞれ専門的な知識が求められることから、各業務には専門資格を有している人材が配置される点が業界の特徴です。

ビルメンテナンス業界の市場動向

コロナ禍の影響で市場が縮小

ビルメンテナンス情報年鑑2022によると、ビルメンテナンス市場は2013年から2018年まで年率2~3%の安定的な成長を続け、その後の2019年には5%を超える高い成長率を記録しています。一方、2020年度は2012年以来となるマイナス成長となっています。

これは、コロナ禍による管理施設の閉鎖や、顧客の休業に伴い、ビルメンテナンス業務の需要が減少したことに起因しています。

今後はコロナ禍から脱却し、一方で消毒や除菌といった新しい生活様式に対するニーズは今後も継続すると考えられることから、今後は再び市場が成長していくと考えられています。

人手不足が深刻化

ビルメンテナンス業界では人材不足が課題となっており、また、従業員の高齢化も進行しています。

資格が必要となる業務では有資格者の確保が不可欠になりますが、中でも第一種資格者の採用が難しくなっています。

業界全体でDX(デジタル・トランスフォーメーション)が遅れていることもあり、多くの業務プロセスを人材に頼っているというのが現状です。

総合ファシリティマネジメントサービスの展開

昨今では、ビルメンテナンスのみを手掛けるのではなく、総合ファシリティマネジメントサービスを展開することで生産性を向上し、価格競争が激化する市場環境に対応しようとする企業が増加しています。

総合ファシリティマネジメントサービスとは施設・環境を総合的に企画及び管理するサービスを指します。一気通貫で多角的なサービスを展開することで、顧客の満足度を向上することを狙いとしています。

ビルメンテナンス業界のM&A動向

従来の人材不足に加え、コロナ禍の影響も踏まえると、ビルメンテナンス業界の競争環境は激しくなることが予想されます。この競争環境に対応するために、戦略的にM&Aを活用する企業が増加しています。

サービス拡充や顧客基盤拡大のほか、ビルメンテナンス業務は労働集約型の産業であることから、人材確保を目的としたM&Aは効果的です。

また、ビルメンテナンス業界では、中小規模の売り手に対して独立系の大手企業や系列会社(大手不動産企業・小売企業・鉄道会社など)を買い手としたM&Aが多く見られます。

こうした動きは今後も加速するとみられ、ビルメンテナンス業界は引き続きM&Aを通じて業界再編が加速する可能性が高い業界であると言えます。

ビルメンテナンス業界におけるM&Aのメリット

売り手のメリット

ビルメンテナンス業界のM&A活用において、売り手側のメリットは以下が挙げられます。

  • 買い手の顧客網を活用した安定的な需要を確保できる
  • 販促・営業業務の統合やデジタル化を通じて、業務の効率化を推進できる
  • 後継者が不在の場合、廃業せず事業を継続し社員の雇用を守ることができる
  • 後継者問題を解決し、株式譲渡による譲渡収入とともに経営から退くことができる
  • M&Aを契機に代表者による借入金の個人保証や担保を解消できる

買い手のメリット

ビルメンテナンス業界のM&A活用において、買い手側のメリットは以下が挙げられます。

  • 事業規模拡大を通じて業務効率化やコスト削減を推進できる
  • 拠点や顧客基盤を拡充することでシェア拡大や新地域への進出を実現できる
  • 業務に必要な有資格者を確保できる
  • 他社のノウハウを獲得し業務の多様化や付加価値の向上が期待できる

ビルメンテナンス業界のM&A・売却・買収事例

スピナによる安川ビルサービスのM&A

西日本鉄道の子会社で、ビルの賃貸・メンテナンス・修繕・清掃・緑化工事、公共施設運営、タクシー・軽貨物輸送などを手掛けるスピナは、福岡県北九州市でビルメンテナンスサービスを手掛ける安川ビルサービスの全株式を取得しました。

  • 実行時期:2022年6月
  • スキーム:株式譲渡
  • 取引価額:非公開
  • 目的:ビルメンテナンス事業の拠点拡充

錦半HDによるAICのM&A

小売、立体駐車場建設・建物外装リニューアル、植物原料・製薬原料の輸入事業などを手掛ける錦半HDは、オフィス・テナントビル・マンションを対象としたメンテナンス・プロパティマネジメントなどの事業を手掛けるAICの全株式を取得しました。

  • 実行時期:2022年4月
  • スキーム:株式譲渡
  • 取引価額:非公開
  • 目的:不動産情報の集約

穴吹ハウジングサービスによる都市ビルサービスのM&A

分譲・賃貸マンションの管理、不動産仲介、パーキングなどを手掛ける穴吹ハウジングサービスは、愛知県でマンション・ビルの保守・管理・清掃などを手掛ける都市ビルサービスの全株式を取得しました。

  • 実行時期:2022年3月
  • スキーム:株式譲渡
  • 取引価額:非公開
  • 目的:中部地方での事業拡大

ジャパンエレベーターサービスHDによる関東エレベーターシステムのM&A

エレベーターのメンテナンスなどを手掛けるジャパンエレベーターサービスは、群馬県館林市を拠点としてエレベーターの保守点検を手掛ける関東エレベーターシステムの全株式を取得しました。

  • 実行時期:2022年1月
  • スキーム:株式譲渡
  • 取引価額:非公開
  • 目的:事業基盤・事業提携の強化

ジャパンエレベーターサービスホールディングスによるUNIECOのM&A

エレベーターのメンテナンスなどを手掛けるジャパンエレベーターサービスは、ベトナムでエレベーターの設置・メンテナンス事業を手掛けるUNIECOの株式51%を取得して子会社化しました。

  • 実行時期:2021年11月
  • スキーム:株式譲渡
  • 取引価額:非公開
  • 目的:東南アジア圏での事業拡大

レ・コネクションによる中央建物のM&A

不動産売買、不動産再生、不動産投資・資産運用サポート、住宅・店舗の建築・リノベーションなどを手掛けるレ・コネクションは、京都市内の賃貸マンションの管理・清掃業務などを手掛ける中央建物を吸収合併しました。

  • 実行時期:2021年4月
  • スキーム:吸収合併
  • 取引価額:非公開
  • 目的:不動産特定共同事業の推進

TOKAIホールディングスによるイニウエテクニカのM&A

LPガス、宅配水、建築、設備工事、不動産事業などを手掛けるTOKAIホールディングスは、イニウエテクニカの全株式を取得しました。

  • 実行時期:2020年11月
  • スキーム:株式譲渡
  • 取引価額:非公開
  • 目的:静岡県でのビルメンテナンス事業の拡大

おわりに

本記事のまとめ

ビルメンテナンス業界の市場動向、M&A動向、買収事例に関してご紹介しました。

ビルメンテナンス業界では、業務の監督・遂行に専門的な知識が求められることで、業界全体として人手不足の課題を抱えており、こうした人材不足を背景にM&Aを活用した人材確保や、業容の拡大が活発化しています。

今後はこうした人材確保を目的としたM&Aに留まらず、サービス領域の拡充や付加価値の向上を目的として、M&Aを重要な経営戦略の一つとして活用していくことが求められます。

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