タクシー会社のM&A・売却・買収事例、業界動向

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タクシー業界は近年M&Aが活発な業界の一つです。タクシー会社は大手企業と中小企業の二極化が進んでおり、M&Aが頻繁にみられる業界です。

本記事では、そうしたタクシー業界の市場動向を解説するとともに、タクシー業界におけるM&Aのメリット、今後のM&A動向、買収事例をまとめてご紹介します。

目次

タクシー会社の概要・市場動向

タクシー会社とは

道路運送法ではタクシー事業を「1個の契約により国土交通省令で定める乗車定員未満の自動車を貸切って旅客を運送する一般旅客自動車運送事業」と定めています。国土交通省令では乗車定員を11人と定めているので、運転手を除いて10人乗りの自動車までがタクシーと呼ばれます。

タクシー事業を展開する場合、事業者は国土交通省の許可を受けなければなりません。許可を得ずにタクシー事業を行う業者を白タク(車のナンバーが事業用の緑ではなく白のため)と言い、違法とされています。

主要な大手タクシー企業の例として、日本交通、国際自動車、大和自動車交通などが挙げられます。

タクシー業界の市場動向

市場規模の縮小

タクシー業界の市場規模は年々縮小傾向にあります。

リーマンショックの影響で2008年から2009年にかけて大きく縮小し、それ以降も縮小傾向が続いています。国土交通省「ハイヤー・タクシー事業者数」によると2019年のハイヤー・タクシー事業者数は47,904社で前年比約97.7%となっています。

さらに2020年以降は新型コロナウイルスの感染拡大により外出する人が減り、タクシー需要が減少したと考えられています。こうした影響もあり、2022年上半期のタクシー業の倒産件数は13件で、その内「新型コロナ関連倒産」が10件でした。

乗務員の高齢化・人手不足

タクシー乗務員は一般的に長時間労働かつ、平均所得は低めであると言われています。そのため若い成り手が少なく、乗務員の高齢化が進んでいます。

高齢化はタクシー需要の減少を上回るスピードで、大手のタクシー企業を除くと乗務員の確保が難しい状況です。

中小企業のタクシー会社は事業規模が拡大しても、労働環境に悪いイメージを持っている乗務員が多く特に採用が厳しくなっています。そのため採用力の違いにより、大手企業と中小企業の差がますます広がっているのが現状です。

大手によるIT導入推進

タクシー需要の減少や人材不足をITによって解決する動きが注目されています。

その一つがスマートフォンアプリによる配車予約やネット決済、運賃予測などのサービスです。これはユーザーの利便性向上によってタクシー需要を喚起する狙いがあります。

また、乗降位置を設定した段階で金額が決まる事前確定運賃や、定期券や回数券といった一括定額運賃などの導入により、ユーザーの不安解消も期待されています。

これらのサービスは中小企業では導入が難しいため、さらに大手と中小の差が拡大するものと見られます。

タクシー会社のM&A動向

需要の低迷や採用難から、中小規模のタクシー事業者は厳しい状況にあります。そのためエリア拡大や車両数・人材確保を図ることを目的とした大手企業によるM&Aが活発に行われています。

後継者のいないタクシー事業者が同規模の事業者に買収されるケースもあります。市場の縮小によりこうした事業承継問題を背景としたM&Aは今後ますます加速すると見られています。

また、タクシー業界のIT化により、IT関連会社との資本業務提携も増加すると考えられています。

タクシー会社におけるM&Aのメリット

売り手のメリット

タクシー業界のM&A活用において、売り手側のメリットは以下が挙げられます。

  • 中小企業同士の統合により事業規模を拡大し、競争力を高めることができる
  • 大手企業の傘下に入ることで、安定した事業基盤のもと事業を継続できる
  • 後継者が不在の場合、廃業せず事業を継続し社員の雇用を守ることができる
  • 後継者問題を解決し、株式譲渡による譲渡収入とともに経営から退くことができる
  • M&Aを契機に代表者による借入金の個人保証や担保を解消できる

買い手のメリット

タクシー業界のM&A活用において、買い手側のメリットは以下が挙げられます。

  • 売り手と事業を統合することで保有車両を増やすことができる
  • 売り手の抱える乗務員を獲得することで人手不足を解消できる
  • 売り手の事業展開する地域へ対象エリアを拡大できる
  • 売り手の経営ノウハウやIT技術などを獲得できる

タクシー会社のM&A・売却・買収事例

西日本通商ネクストによる東野タクシーのM&A

福岡県久留米市に拠点を置く西日本通商ネクストは、栃木県宇都宮市で創業した東野タクシーを子会社化しました。

  • 実行時期:2021年4月
  • スキーム:株式譲渡
  • 取引価額:非公開
  • 目的:若手人材の確保と事業エリアの拡大

日本交通によるイースタンエアポートモータースのM&A

大手タクシー企業の日本交通は、空港送迎を中心に手掛けるイースタンエアポートモータースを子会社化しました。

  • 実行時期:2021年3月
  • スキーム:株式譲渡
  • 取引価額:非公開
  • 目的:事業規模の拡大

ワイエム交通による互助交通のM&A

日本交通の子会社であるワイエム交通は、東京都江東区に拠点を置く互助交通のタクシー事業を譲り受けました。

  • 実行時期:2021年5月
  • スキーム:事業譲渡
  • 取引価額:非公開
  • 目的:サービスの向上

三福タクシーによる共栄タクシーのM&A

福井県小浜市に拠点を置く三福タクシーは、福井県福井市に拠点を置く共栄タクシーのタクシー事業を譲り受けました。

  • 実行時期:2021年3月
  • スキーム:事業譲渡
  • 取引価額:非公開
  • 目的:観光分野への注力

第一交通によるユナイテッドキャブのM&A

第一交通産業の孫会社である第一交通は、東京都台東区に拠点を置くユナイテッドキャブを子会社化しました。

  • 実行時期:2017年12月
  • スキーム:株式譲渡
  • 取引価額:非公開
  • 目的:事業体制の強化

肥後交通とミハナタクシーの新設合併

熊本県に拠点を置く肥後交通グループとミハナタクシーグループは新設合併し、TaKuRooを新設しました。

  • 実行時期:2021年4月
  • スキーム:新設合併
  • 取引価額:非公開
  • 目的:統合による競争力強化

戸畑第一交通による戸畑タクシーのM&A

第一交通産業のグループ会社である戸畑第一交通は、戸畑タクシーのタクシー事業を譲り受けました。

  • 実行時期:2019年8月
  • スキーム:事業譲渡
  • 取引価額:非公開
  • 目的:競争力の強化

おわりに

本記事のまとめ

タクシー会社の市場動向、M&A動向、買収事例についてご紹介しました。

タクシー業界は需要の低下、大手と中小の二極化によって競争がますます激しくなっています。特に、中小タクシー事業者はドライバーの採用難やIT化の難しさなど多くの課題を抱えているケースがあります。

そうした課題の解決策として、大手企業とのM&Aや、同規模の事業者との統合が活発に行われており、こうした傾向は今後もますます活発化していくと考えられます。

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