長野県のM&A・会社売却・買収事例、事業承継の動向

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現在、長野県をはじめとした全国の中小企業において、後継者不在や事業の更なる成長を目的としたM&Aが注目を集めています。

本記事では、そうした長野県のM&A動向を解説するとともに、長野県における会社売却・買収事例や、事業承継の動向をまとめてご紹介します。

目次

長野県のM&A・事業承継動向

長野県の現状

長野県の人口と農業

長野県の人口は約202万人で、全国16位です。その内15歳未満の人口は約23.2万人(11.6%)、15~64歳の人口は約109.7万人(55.4%)、65歳以上の人口は約64.8万人(32.7%)です。(参照:長野県「長野県の年齢別人口」)

長野県は農業が盛んです。長野県の農業従事者数は約10.2万人で、全国4位に位置しています。

特にレタスやセロリなどの高原野菜の生産が盛んで、どちらも全国1位の収穫量です。またりんごやぶどうなどの果物の生産も盛んです。

農業が盛んな理由として東京・大阪・名古屋などの大都市に比較的近く、アクセスが良好であることが挙げられます。(参照:長野県「長野県の農業」)

長野県の製造業と観光業

長野県は製造業が盛んです。産業分類別構成比では製造業が22%、卸売・小売業が19%、サービス業が12%となっており、製造業は長野県の基幹産業になっています。また製造品出荷額は全国で18位に位置しています。

かつては諏訪湖周辺での製糸業が盛んでしたが、現在は情報、電子、生産用機械の製造が盛んになっています。特に電子部品・デバイス・電子回路などの出荷額は全国で2位を誇っています。

また長野県は観光業も盛んで夏は避暑地として、冬はスキー場として賑わいを見せています。長野県には善光寺をはじめ多くの史跡や文化財があり、観光業も県の経済を支える重要な産業の一つになっています。(参照:長野県「工業統計調査」)

長野県の事業所と課題

長野県の事業所数は4,767事業所で従業者数は約20.2万人です。

産業大分類別に見ると卸売業・小売業が最も多く、次いで宿泊業・飲食サービス業、建設業となっています。

また長野県内の企業では後継者不足が問題になっています。長野県内で後継者がいない企業は65.2%で、3分の2を超えました。さらに社長の年齢が50代の企業では77.2%、60代では51.7%、70代でも38.9%でした。

また年間売り上げが1億円未満の会社では74.9%、1~10億円の会社では66.9%と年売上高が小さい中小企業や小規事業所ほど後継者不在率が高くなっています。(参照:帝国データバンク「後継者問題に関する長野県内企業の実態調査」)

長野県のM&A・会社売却・事業承継動向

長野県内の多くの企業は後継者問題を抱えています。後継者が不在のまま社長が健康上の理由などで退職すると、経営が黒字にもかかわらず休業や廃業になってしまいます。

実際に休廃業になった企業のうち、社長が70代の企業は40.1%、80代以上の企業は26.2%、60代の企業は23.7%で三区分を合計すると90.0%に達します。(参照:帝国データバンク「2021年長野県内「休廃業・解散」動向調査」)

こうした問題を解決するための方法としてM&Aが増えています。長野県では2020年に41件ものM&Aが行われています。この内売り手・買い手とも長野県内企業のM&Aが7件、売り手のみ長野県内企業のM&Aが22件、買い手のみ長野県内企業のM&Aが12件でした。(参照:レコフ「長野県のM&A情勢」)

またM&Aは事業承継だけでなく、従業員の確保、事業の拡大、技術の獲得にも有効です。

長野県でM&A・事業承継を推進するには

M&A仲介会社などの専門家へ相談する

長野県でM&Aや会社売却を推進する手段として、M&A仲介会社などの専門家に相談する方法があります。

M&A仲介会社とは、M&Aの専門家であるM&Aアドバイザーが売り手企業と買い手企業の間に立って、中立的な立場でM&Aの成立を支援する会社です。

M&Aにおいては法務的な手続きや税務処理、相手企業の選定まで、幅広い領域の専門性が必要不可欠であるため、こうした専門のアドバイザーに相談することは有効な手段の一つと言えます。

M&A仲介会社は得意領域や事業規模によって多数の会社が存在しているため、自社に合った会社を見つけることが重要です。

公的機関や金融機関へ相談する

長野県よろず支援拠点

長野県よろず支援拠点では、地域の商工会議所・商工会、金融機関、大学等の支援機関と連携しながら、小規模事業者、中小企業を支援しています。

長野県内に12か所の拠点があります。

事業承継・引継ぎ支援センター

長野県事業承継・引継ぎ支援センターでは、事業の引継ぎ方やM&Aによる事業拡大、後継者不在問題など事業承継に関わるあらゆる問題をサポートしています。

相談は無料なので気軽に申し込むことができます。

長野商工会議所

長野商工会議所では、親族内の承継や第三者への引継ぎなど中小企業の事業承継に関するあらゆる相談を受け付けています。

長野県事業承継・引継ぎ支援センターと連携して支援を行っています。

長野県信用組合

長野県信用組合では事業承継・引継ぎ支援センター、その他税理士、公認会計士等の専門家と連携して親族内承継、第三者承継、M&Aに関する様々なアドバイスをしています。

長野市商工会

長野市商工会では、専門家や長野県事業引継ぎ支援センターと連携して、事業者の事業承継に関する相談を受け付けています。

長野県のM&A・売却・買収事例

国分プレス工業による永井プラスチック工業のM&A

自動車部品製造と二輪及び四輪の汎用車用部品製造を手掛けている国分プレス工業(東京都)は、樹脂加工業及び自動車部品やOA機器部品製造を手掛ける永井プラスチック工業(長野県上田市)の株式を取得し、子会社化しました。

  • 実行時期:2022年
  • スキーム:株式譲渡
  • 取引価額:非公開
  • 目的:EVへの事業構造転換

アルコニックスによるソーデナガノのM&A

レアメタル・レアアースなどの製品や関連の原材料などの輸出入、販売を手掛けるアルコニックスは、長野県に拠点を置き、金属精密プレス部品の製造、金型設計製作を手掛けるソーデナガノ(長野県岡谷市)の全株式を取得し子会社化しました。

  • 実行時期:2022年4月
  • スキーム:株式譲渡
  • 取引価額:非公開
  • 目的:事業ポートフォリオの拡充

オカムラによる創研工業のM&A

日本の家具・産業用機械等の製造を主に手掛けている大手メーカーのオカムラは、冷凍冷蔵施設に関する設計、製造事業を創建工業(長野県長野市)から譲り受けました。

  • 実行時期:2024年10月
  • スキーム:事業譲渡
  • 取引価額:非公開
  • 目的:冷凍冷蔵設備の設計に関する知見

八十二銀行と長野銀行による経営統合

長野県を拠点とする八十二銀行と長野銀行は、経営統合に向けた基本合意を締結しました。経営統合は八十二銀行を完全親会社、長野銀行を完全子会社として株式交換を実施する予定です。

  • 実行時期:2023年6月
  • スキーム:株式交換
  • 取引価額:非公開
  • 目的:地域貢献への最適な判断

SFPホールディングスによるクルークダイニングのM&A

地方都市で居酒屋経営に関するノウハウを持つ企業と資本提携し、成長を支援する提携戦略「SFPフードアライアンス構想」を推進しているSFPフードホールディングスは、長野県内でから揚げ店などを営むクルークダイニング(長野県安曇の市)を子会社化しました。

  • 実行時期:2019年7月
  • スキーム:株式譲渡
  • 取引価額:非公開
  • 目的:提携戦略の推進

綿半ホールディングスによるほしまんのM&A

グループ企業でホームセンタ―やドラッグストア運営などを手掛ける綿半ホールディングスは、長野県で3店舗の調剤薬局経営を手掛けるほしまん(長野県佐久市)の全株式を取得し子会社化しました。

  • 実行時期:2020年11月
  • スキーム:株式譲渡
  • 取引価額:非公開
  • 目的:スーパーセンターの出店拡大

マツモトキヨシホールディングスによる中島ファミリー薬局のM&A

大手ドラッグストア企業のマツモトキヨシホールディングスは、長野県須坂市を中心に調剤薬局を展開する中島ファミリー薬局の全株式を取得し子会社化しました。

  • 実行時期:2010年1月
  • スキーム:株式譲渡
  • 取引価額:非公開
  • 目的:県内での市場シェア向上

おわりに

本記事のまとめ

長野県におけるM&A・事業承継の動向や、会社売却・買収事例をご紹介しました。

長野県でM&Aを行う際は、長野県で実績のあるM&A仲介会社などの専門家や、全国を対象にM&Aを取り扱う仲介会社を活用することがおすすめです。

各M&A仲介会社は、業種や地域、取引規模、手数料体系などで強みが分かれ、提供しているサービスも異なるため、地域への強みに加え、こうしたポイントも事前に確認しておくとよいでしょう。

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