島根県のM&A・会社売却・買収事例、事業承継の動向

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現在、島根県をはじめとした全国の中小企業において、後継者不在や事業の更なる成長を目的としたM&Aが注目を集めています。

本記事では、そうした島根県のM&A動向を解説するとともに、島根県における会社売却・買収事例や、事業承継の動向をまとめてご紹介します。

目次

島根県のM&A・事業承継動向

島根県の現状

島根県の人口と産業構造

島根県の人口は約66.6万人で全国46位です。また、15歳未満の人口は約8.11万人(12.3%)、15~64歳の人口は34.8万人(53.0%)、65歳以上の人口は22.8万人(34.7%)でした。

人口は少なく高齢化率は高い(全国平均は28.4%)ことが分かります。そのため近隣の広島県や岡山県への県外転出も多くなっています。(参照:島根県「令和2年 島根の人口移動と推計人口」)

島根県の産業の特徴として「サービス業従事者が多い」ことが挙げられます。

業種別の就業者数で見ると1/3以上がサービス業に従事しています。その他の産業では「卸売業・小売業」、「宿泊業・飲食サービス業」、「建設業」などが多くなっています。(参照:島根県「令和2年国勢調査」)

島根県の製造業

島根県の製造業は県内総生産の約17.9%を占めています。

島根県は情報通信機械や鉄鋼業、電子部品、デバイスなどの出荷額が多くなっています。また品目で見ると溶解パルプ、工具鋼、純綿糸の出荷額が全国1位になっています。

市町村別に見ると事業所のうち19.1%が出雲市にあり、次いで松江市、浜田市が続いています。従業者数では17.6%を出雲市が占め、次いで菱川市、安来市が続いています。

島根県は公共投資依存型の建設業などの政府サービスのウェイトが大きく、2次3次下請け型中小企業や労働集約型の中小企業が多いため、民需主体の産業構造への転換を図っています。(参照:島根県「島根県の商工業」、経済産業省「我が国の工業」)

島根県の経済動向

島根県の経済動向は、一部弱い動きが見られるものの緩やかな持ち直し傾向が続いています。

特に雇用面では改善の動き見られています。有効求人倍率は1.72倍で前月を0.1ポイント上回っています。また、新規求人数は9.5%で16か月連続で前年を上回っています。

しかし、給与面では弱い動きが見られます。現金給与総額は―1.0%で5か月連続で前年を下回っており、きまって支給する給与は―1.0%で4か月連続で前年を下回っています。

投資動向では一部に弱い動きが見られます。建築着工床面積が―34.9%で3か月連続で前年を下回っており、公共工事請負金額も―13.2%で2か月連続で前年を下回っています。(参照:島根県「島根県の経済動向」)

島根県のM&A・会社売却・事業承継動向

島根県では少子高齢化が進んでおり他県への流入も進んでいることから、企業の後継者問題が大きな課題になっています。

実際、島根県内企業のうち後継者が決まっていない企業は72.4%で、これは全国で3番目に高くなっています。

このような課題に対してM&Aが注目され始めています。

島根県では2020年に8件のM&Aが行われ、売り手・買い手ともに島根県内企業のM&Aが2件、買い手のみ島根県内企業のM&Aが2件、売り手のみ島根県内企業のM&Aが4件でした。

島根県には他県の企業にとっても魅力的な企業が多くあることが分かります。

M&Aによって事業を売却することで企業が存続し雇用を維持できるだけでなく、売却益を得ることができ老後資金にゆとりを持つことも可能です。(参照:帝国データバンク「島根県 後継者問題に関する企業の実態調査」)

島根県でM&A・事業承継を推進するには

M&A仲介会社などの専門家へ相談する

島根県でM&Aや会社売却を推進する手段として、M&A仲介会社などの専門家に相談する方法があります。

M&A仲介会社とは、M&Aの専門家であるM&Aアドバイザーが売り手企業と買い手企業の間に立って、中立的な立場でM&Aの成立を支援する会社です。

M&Aにおいては法務的な手続きや税務処理、相手企業の選定まで、幅広い領域の専門性が必要不可欠であるため、こうした専門のアドバイザーに相談することは有効な手段の一つと言えます。

M&A仲介会社は得意領域や事業規模によって多数の会社が存在しているため、自社に合った会社を見つけることが重要です。

公的機関や金融機関へ相談する

島根県よろず支援拠点

島根県よろず支援拠点では、チーフコーディネーターを中心とする専門スタッフが相談を受け付け適切な解決策を提案しています。

相談は無料で受け付けており、拠点は松江市と浜田市にあります。

島根県事業承継・引継ぎ支援センター

島根県事業承継・引継ぎ支援センターでは親族内・第三者への事業承継やM&Aに関する相談を受け付けています。

後継者が不在の場合は登録民間支援機関やマッチングコーディネーターなどの機関に取り次ぐことも可能です。

出雲市事業承継推進協議会

出雲市事業承継推進協議会では事業承継の課題やニーズを把握し、必要な支援機関と円滑に繋げる体制を構築しています。

事業承継への相談や支援策に関するサイトや機関を紹介しています。

山陰合同銀行

山陰合同銀行では経営承継・事業承継支援やM&A支援を行っています。

以前から事業承継支援は行っていましたが、2022年4月に島根県松江市に山陰営業部が開設し、より多くの事業先のニーズに迅速に対応しています。

松江商工会議所

松江商工会議所では、委託された専門相談員に経営に関する相談することができます。

相談を希望する場合は電話による事前予約が必要です。

島根県のM&A・売却・買収事例

エボラブルアジアによるひかわのM&A

総合旅行プラットフォーム「エアトリ」をはじめ、東南アジアにおける日系オフショア企業で最大規模のラボ型オフショア開発の展開、訪日外国人向けサービスを展開するエボラブルアジア(現エアトリ)は、製茶やネットショッピングサイト「菱川茶園」を運営するひかわ(島根県出雲市)を子会社化しました。

  • 実行時期:2019年11月
  • スキーム:株式譲渡、株式交換
  • 取引価額:非公開
  • 目的:ライフイノベーション事業の強化

ユーグレナによるクロレラサプライのM&A

主に機能性食品・化粧品製造販売などのヘルスケア事業を手掛けるユーグレナは、微細藻類のクロレラを中心とした機能性食品の通販事業を手掛けるクロレラサプライ(島根県出雲市)の全株式を取得し子会社化しました。

  • 実行時期:2016年12月
  • スキーム:株式譲渡
  • 取引価額:5億8,500万円
  • 目的:商品の相互販売による売上拡大

ウエルシアホールディングスによるジュンテンドーのM&A

ウエルシアホールディングスは子会社のウエルシア薬局を通じて、ホームセンター事業を中心にドラッグストアとブックストアを運営するジュンテンドーから、中国地方で「サンデーズ」の名称で展開しているドラッグストア事業7店舗を譲り受けました。

  • 実行時期:2019年2月
  • スキーム:事業譲渡
  • 取引価額:非公開
  • 目的:出店地域の拡大

日東工業による日ピス島根のM&A

高圧受電設備・分電盤等の電路資材、情報通信関連資材などを取り扱う日東工業(愛知県長久手市)は、自動車用および船舶用ピストンリングなどを販売する日本ピストンリングから、内燃機関用部品製造の日ピス島根(島根県大田市)の全株式を取得しました。

  • 実行時期:2011年3月
  • スキーム:株式譲渡
  • 取引価額:非公開
  • 目的:事業ポートフォリオの見直し

スクロールによるイノベートのM&A

カタログによる衣料品や服飾雑貨などの通信販売や、EC・通販事業者向けに物流インフラ・システム・決済代行などのソリューションサービスを展開するスクロールは、インターネットサイト「コスメランド」で国内外のブランド化粧品を販売するイノベート(島根県浜田市)の株式を取得し子会社化しました。

  • 実行時期:2010年4月
  • スキーム:株式譲渡
  • 取引価額:非公開
  • 目的:商品ジャンル・ECサイトの拡充

イエローハットによる山陰地方のイエローハットFC店のM&A

自動車用品販売の山陰イエローハット(島根県出雲市)は、山陰地方でイエローハットのフランチャイズ事業を展開するジュンテンドーから、松江店、米子店、出雲店、伯耆店の事業を譲り受けました。

  • 実行時期:2017年3月
  • スキーム:事業譲渡
  • 取引価額:非公開
  • 目的:経営の効率化と強化

テクノプロ・ホールディングスによるプロビズモのM&A

技術者・研究者を対象にした国内最大級の人材サービスを手掛けるテクノプロ・ホールディングスは子会社を通じて、ITコンサルティングやアプリケーション開発を手掛けるプロビズモ(島根県出雲市)の全株式を取得し子会社化しました。

  • 実行時期:2018年1月
  • スキーム:株式譲渡
  • 取引価額:17億6500万円
  • 目的:請負受託プロジェクトを通じたエンジニア能力の向上

おわりに

本記事のまとめ

島根県におけるM&A・事業承継の動向や、会社売却・買収事例をご紹介しました。

島根県でM&Aを行う際は、島根県で実績のあるM&A仲介会社などの専門家や、全国を対象にM&Aを取り扱う仲介会社を活用することがおすすめです。

各M&A仲介会社は、業種や地域、取引規模、手数料体系などで強みが分かれ、提供しているサービスも異なるため、地域への強みに加え、こうしたポイントも事前に確認しておくとよいでしょう。

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