石川県のM&A・会社売却・買収事例、事業承継の動向

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現在、石川県をはじめとした全国の中小企業において、後継者不在や事業の更なる成長を目的としたM&Aが注目を集めています。

本記事では、そうした石川県のM&A動向を解説するとともに、石川県における会社売却・買収事例や、事業承継の動向をまとめてご紹介します。

目次

石川県のM&A・事業承継動向

石川県の現状

石川県の人口と産業

石川県の人口は約113万人で全国で33位です。15歳未満の人口が約13.9万人(12.5%)、15~64歳の人口が約64.9万人(57.9%)、65歳以上の人口が33.2万人(29.6%)です。(参照:石川県県民文化スポーツ部「石川県の年齢別推計人口」)

石川県を産業別に見ると、第1次産業に従事している人口は3.0%、第2次産業に従事している人口は27.4%、第3次産業に従事している人は65.5%です。

第1次産業の労働生産性は全国平均より高く、特に水産業が盛んでイカやブリなどの水揚げ量が多くなっています。

また伝統工芸品も豊富にあり、輪島塗・加賀友禅などが有名で窯業や繊維業も発展しています。(参照:石川県「石川県の概要(産業)」)

石川県の製造業

石川県は工業生産が盛んで、北陸全体でも有数の工業地域と言えます。

石川県の主な製造品は生産用機械器具、電子部品・デバイス・電子回路などです。大企業の関連会社も多く、かほく市には富士通の子会社である富士通ITプロダクツがあります。

近年スーパーコンピューターとして注目されている富岳もここで製造されました。理化学研究所と富士通が共同で開発し、2021年から本格的に稼働しています。

地域別に見ると建設機械の生産・販売を手掛けるコマツの工場がある小松市や、白山市、金沢市の工業生産額が多くなっています。(参照:石川県県民文化スポーツ部「令和3年経済センサス」)

石川県内企業の特徴と課題

石川県には高い技術力を持ち、特定の分野ではトップシェアを誇るいわゆるニッチトップ企業が多く存在しています。

石川県もベンチャー企業や海外進出への支援を積極的に行っており、これらの企業の成長が期待されています。

一方、石川県では社長の高齢化による後継者不足の問題も起きています。石川県内企業で後継者が不在の企業は50.4%で半数を超えています。

さらに業種別で見ると建設業が最も高く、59.1%でした。次いで、不動産業や小売業でも後継者不在率が高くなっています。

会社の規模別で見ると売り上げ規模が1~10億円の中小企業での後継者不在率は52.4%で、中小企業や小規模事業所ほど後継者の選定が進んでいないと考えられます。(参照:帝国データバンク「2017年北陸3県後継者問題に関する企業の実態調査」)

石川県のM&A・会社売却・事業承継動向

石川県の後継者不在率は全国平均よりは低いものの、50%を超えているため、近い将来多くの企業が後継者不在のため休業や解散を余儀なくされる可能性があります。

解散すると従業員が職を失う、その企業独自の技術やノウハウが消滅してしまうなど多くのデメリットが発生します。

後継者問題の解決方法の一つとしてM&Aが行われています。

石川県内企業で後継者がいる企業のうち27.3%が非同族の後継者であると答えました。現在、石川県企業でのM&A件数は19件で、今後はさらに増えると考えられます。(参照:帝国データバンク「2017年北陸3県後継者問題に関する企業の実体調査」)

石川県では地域の自治体や金融機関がM&Aを支援しており、これらの機関やM&A仲介会社に相談することは有効な手段と考えられます。

石川県でM&A・事業承継を推進するには

M&A仲介会社などの専門家へ相談する

石川県でM&Aや会社売却を推進する手段として、M&A仲介会社などの専門家に相談する方法があります。

M&A仲介会社とは、M&Aの専門家であるM&Aアドバイザーが売り手企業と買い手企業の間に立って、中立的な立場でM&Aの成立を支援する会社です。

M&Aにおいては法務的な手続きや税務処理、相手企業の選定まで、幅広い領域の専門性が必要不可欠であるため、こうした専門のアドバイザーに相談することは有効な手段の一つと言えます。

M&A仲介会社は得意領域や事業規模によって多数の会社が存在しているため、自社に合った会社を見つけることが重要です。

公的機関や金融機関へ相談する

石川県よろず支援拠点

石川県よろず支援拠点では、事業承継を含めた様々な経営課題について相談することができます。2022年は事業承継に関する相談を64件受けています。電話やメール、LINEで連絡後コーディネーターと日程調整をし、本部やサテライト拠点、WEB上で相談することができます。

石川県事業承継・引継ぎ支援センター

石川県事業承継・引継ぎ支援センターでは、円滑な事業承継を支援しており、次世代への経営資源のスムーズな引き継ぎを促進しています。「産業競争力強化法」に基づき、国からの委託を受けて実施している事業なので安心して利用できます。

小松商工会議所

小松商工会議所では、小松市内の中小・零細企業や小規模事業者に対して関連機関や専門機関とのネットワークを活用し、スムーズな事業承継を支援しています。親族内承継・親族外承継のどちらの相談も受け付けており、事業承継計画の策定を支援してくれます。

ななお事業承継相談所

ななお事業承継相談所では、事業承継個別相談会を行っています。事業用資金や株式の移し方から税金についての相談までを、七尾商工会議所かオンラインで受け付けています。

北國銀行

北國銀行はかが能登かなざわ中小企業応援センターを設置しています。かが能登かなざわ中小企業応援センターでは事業承継・M&Aの他に創業・事業再生、新事業展開・海外展開、新経営手法への取り組みも支援しています。

石川県のM&A・売却・買収事例

ミンラックによるグラフィコの医薬品事業のM&A

不織布マスクの製造を手掛けるミンラック(石川県志賀町)は、健康食品や化粧品、日用雑貨の企画・販売を手掛けるグラフィコから医薬品事業を譲り受けました。

  • 実行時期:2023年2月
  • スキーム:事業譲渡
  • 取引価額:未定
  • 目的:事業の選択と集中

京福バスによる京福リムジンバスのM&A

京都市内で軌道事業・ケーブルカー事業・ロープウェイ事業を展開する京福電気鉄道は、連結子会社である京福バス(福井県福井市)が子会社である京福リムジンバスを吸収合併することを決めました。

  • 実行時期:2022年4月
  • スキーム:吸収合併
  • 取引価額:非公開
  • 目的:グループ運営の合理化・効率化

リコーによるPFUのM&A

複合機・複写機などのオフィスプロダクトや3Dプリンターなどの商用・産業プリンターを手掛けるリコーは、富士通傘下でスキャナー大手企業のPFU(石川県かほく市)の株式を80%取得し子会社化しました。

  • 実行時期:2022年9月
  • スキーム:株式譲渡
  • 取引価額:905億8400万円
  • 目的:オフィスサービス事業の拡大

マツモトキヨシホールディングスによる示野薬局のM&A

ドラッグストア業界大手のマツモトキヨシホールディングス(現マツキヨココカラ&カンパニー)は、臨床検査事業を展開するファルコSDホールディングスから石川県金沢市のドラッグストアである示野薬局の全株式を取得し子会社化しました。

  • 実行時期:2013年12月
  • スキーム:株式譲渡
  • 取引価額:55億1000万円
  • 目的:事業拡大

日本地工による森長電子のM&A

土木関連工法の一つであるアンカー・アース業界トップの日本地工は、官公庁、地方自治体、民間企業向けの耐震システム事業を手掛ける森長電子を子会社化しました。

  • 実行時期:2012年2月
  • スキーム:株式譲渡
  • 取引価額:非公開
  • 目的:既存事業とのシナジー創出

アイティーフォーによるイーブのM&A

金融機関を中心に小売業や地方自体などにITコンサルティングやソフトウェア開発を手掛けるITソリューションプロバイダーであるアイティフォーは、ソフトウェア開発、プログラマー育成、技術者派遣を手掛けるイーブ(石川県能美市)を子会社化しました。

  • 実行時期:2019年4月
  • スキーム:株式譲渡
  • 取引価額:非公開
  • 目的:グループ内連携による効率的な経営

クスリのアオキホールディングスによるサン・フラワー・マリヤマのM&A

ドラッグストア・調剤薬局事業で大手のクスリのアオキホールディングスは、ドラッグストア事業を展開する子会社のクスリのアオキが能登地区で地場食品スーパーを2店舗運営するサン・フラワー・マリヤマ(石川県輪島市)を吸収合併することを決めました。

  • 実行時期:2021年5月
  • スキーム:吸収合併
  • 取引価額:非公開
  • 目的:食品販売の強化

おわりに

本記事のまとめ

石川県におけるM&A・事業承継の動向や、会社売却・買収事例をご紹介しました。

石川県でM&Aを行う際は、石川県で実績のあるM&A仲介会社などの専門家や、全国を対象にM&Aを取り扱う仲介会社を活用することがおすすめです。

各M&A仲介会社は、業種や地域、取引規模、手数料体系などで強みが分かれ、提供しているサービスも異なるため、地域への強みに加え、こうしたポイントも事前に確認しておくとよいでしょう。

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