秋田県のM&A・会社売却・買収事例、事業承継の動向

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現在、秋田県をはじめとした全国の中小企業において、後継者不在や事業の更なる成長を目的としたM&Aが注目を集めています。

本記事では、そうした秋田県のM&A動向を解説するとともに、秋田県における会社売却・買収事例や、事業承継の動向をまとめてご紹介します。

目次

秋田県のM&A・事業承継動向

秋田県の現状

全国3位の後継者不在率

秋田県は全国比で後継者不足に悩んでいる都道府県です。

帝国データバンク「秋田県内企業「後継者不在率」動向調査(2021 年)」によると、後継者がいないもしくは未定であると回答した企業の割合は69.9%です。2020年の71.4%からの改善は見られたもの依然として高水準です。

2022年は69.9%と変化がなかったですが、これは島根、鳥取に次いで第3位の水準であり、全国平均が4.3ポイント改善したことを踏まえると後継者不足が深刻化していることが分かります。

人口流出による労働者不足

コロナを契機として一時的に労働需給は緩和したものの、今後も人手不足の傾向は継続すると見込まれます。

帝国データ「人手不足に対する秋田県内企業の動向調査(2021 年 10 月)」によると、2021年10月時点で秋田県において従業員が不足している企業の割合は正社員が46.9%、非正社員が25.7%でした。

2020年にはコロナの影響により労働需要が低下したことで従業員が不足している割合が減少しましたが、それ以前は上昇傾向にあったことや2020年から2021年には上昇に転じたことを踏まえると、2020年の改善は一時的なものであったと推測できます。

実際、秋田県庁「秋田県の人口と世帯」によると、2000年に1,183千人いた人口は、2022年には21.4%減にあたる930千人まで減少しています。

また従業員の確保は都市部から離れるほど難しくなると考えられます。秋田県庁「工業統計調査結果(2019年)」によると、秋田・本荘・由利・大曲・仙北の5地域で秋田県の従業員の過半数を抱えていることが分かります。したがって同じ県内でも地域によって労働供給の格差が懸念されます。

全国で最も高い平均社長年齢

秋田県は2020年に引き続き2021年の社長平均年齢が最も高い都道府県です。2021年の社長平均年齢は62.3歳で21年連続で過去最高を記録しています。

秋田県に次いで社長年齢が高い都道府県は岩手県、青森県となっており東北地方での高齢化が加速しています。

東京を除く東日本の都道府県はいずれも全国平均を下回っているため、東日本の労働者が東京に集中している現状が読み取れます。

秋田県のM&A・会社売却・事業承継動向

秋田県でのM&A件数は2000年以降増加傾向にあります。

この背景には経営余力があるにもかかわらず休廃業・解散を選択した企業が増加したことで、国内最大級規模のM&Aマッチングサイトを運営するTRANBIと連携するなどM&Aを積極的に取り入れていることが挙げられます。

帝国データバンク「秋田県「休廃業・解散」動向調査(2021 年)」によると、2021年に秋田県で休廃業・解散を選択した企業のうち66.1%は資産超過の状態でした。

全国比でも後継者不足が深刻化していることでM&Aの潜在的な需要は非常に高く、官民一体での支援が求められています。

秋田県でM&A・事業承継を推進するには

M&A仲介会社などの専門家へ相談する

秋田県でM&Aや会社売却を推進する手段として、M&A仲介会社などの専門家に相談する方法があります。

M&A仲介会社とは、M&Aの専門家であるM&Aアドバイザーが売り手企業と買い手企業の間に立って、中立的な立場でM&Aの成立を支援する会社です。

M&Aにおいては法務的な手続きや税務処理、相手企業の選定まで、幅広い領域の専門性が必要不可欠であるため、こうした専門のアドバイザーに相談することは有効な手段の一つと言えます。

M&A仲介会社は得意領域や事業規模によって多数の会社が存在しているため、自社に合った会社を見つけることが重要です。

公的機関や金融機関へ相談する

秋田県事業承継・引継ぎ支援センター

秋田県事業承継・引継ぎ支援センターとは、中小企業庁からの委託を受けて設置されている公的機関です。

2021年に秋田県事業引継ぎ支援センターと秋田県事業承継ネットワークが統合され、統合後の独自事業として、事業承継を希望する起業家と後継者不在の中小企業をマッチングするサービスである後継者人材バンクが行われています。

秋田県よろず支援拠点

秋田県よろず支援拠点とは、中小企業庁が設置している中小企業・小規模事業者・創業希望者のための経営相談所です。

県内6か所(鹿角、大館、由利本荘、仙北、大仙、湯沢)においてサテライト相談が実施されているほか、秋田信用金・羽後信用金庫・秋田県信用組合・日本政策金融公庫への定期的な出張相談も実施されています。

秋田県信用保証協会

秋田県信用保証協会とは、中小企業の金融円滑化を目的に、「信用保証協会法」に基づいて設立された公的機関です。中小企業が金融機関から事業資金を調達する際に信用保証協会が公的な保証人になることで円滑な資金調達を支援しています。

経営の課題解決をサポートする相談窓口も準備されており、講演会・セミナー・交流会なども行われています。

秋田県商工会議所連合会

秋田県商工会議所連合会とは、県内6カ所に設置されている商工会議所の連合会を指します。

月に一回程度のペースで講演会やセミナーを開催しており、秋田県でM&A・事業譲渡を行いたい旨の相談が可能です。

秋田県のM&A・売却・買収事例

ツルハホールディングスによるおおがたむら調剤薬局のM&A

ドラッグストア業界大手のツルハホールディングスは、薬局のおおがたむら調剤薬局(秋田県大潟村)を子会社化しました。

  • 実行時期:2019年7月
  • スキーム:株式譲渡
  • 取引価額:非公開
  • 目的:事業エリアの拡大

ドリームリンクによる乾麺事業のM&A

居酒屋「半兵ヱ」などを展開する外食チェーンのドリームリンク(秋田県秋田市)は、老舗そば店「弥助そばや」(秋田県羽後町)から商標、製造ノウハウ、乾麺事業を譲受しました。

  • 実行時期:2018年10月
  • スキーム:事業譲渡
  • 取引価額:非公開
  • 目的:フランチャイズチェーン展開

ドリームリンクによるかづの銘酒のM&A

居酒屋「半兵ヱ」などを展開する外食チェーンのドリームリンク(秋田県秋田市)は、日本酒「千歳盛」製造のかづの銘酒(秋田県鹿角市)の全株式を取得しました。

  • 実行時期:2017年12月
  • スキーム:株式譲渡
  • 取引価額:非公開
  • 目的:酒蔵ツアーの企画・新酒の開発

テスコによる大沢商事のM&A

医療機器販売を手掛けるウイン・パートナーズグループの連結子会社であるテスコ(宮城県仙台市)は、医療機器販売事業を手掛ける大沢商事(秋田県秋田市)の全株式を取得しました。

  • 実行時期:2017年8月
  • スキーム:株式譲渡
  • 取引価額:非公開
  • 目的:東北エリアでの事業規模拡大

めいとケアによる和心のM&A

老人ホームの運営を手掛けるめいとケア(千葉県松戸市)は、同じく老人ホームを運営する和心(秋田県にかほ市)の株式を取得しました。

  • 実行時期:2015年10月
  • スキーム:株式譲渡
  • 取引価額:非公開
  • 目的:ノウハウの共有

おわりに

本記事のまとめ

秋田県におけるM&A・事業承継の動向や、会社売却・買収事例をご紹介しました。

秋田県でM&Aを行う際は、秋田県で実績のあるM&A仲介会社などの専門家や、全国を対象にM&Aを取り扱う仲介会社を活用することがおすすめです。

各M&A仲介会社は、業種や地域、取引規模、手数料体系などで強みが分かれ、提供しているサービスも異なるため、地域への強みに加え、こうしたポイントも事前に確認しておくとよいでしょう。

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