栃木県のM&A・会社売却・買収事例、事業承継の動向

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現在、栃木県をはじめとした全国の中小企業において、後継者不在や事業の更なる成長を目的としたM&Aが注目を集めています。

本記事では、そうした栃木県のM&A動向を解説するとともに、栃木県における会社売却・買収事例や、事業承継の動向をまとめてご紹介します。

目次

栃木県のM&A・事業承継動向

栃木県の現状

栃木県の人口と工業

栃木県の人口は約192万人で、全国で19位です。年齢別に見ると15歳未満が約21.6万人で11.6%、15~64歳が109.3万人で58.4%、65歳以上が56.2万人で30.1%でした。(参照:栃木県「令和3年栃木県の人口」)

栃木県は製造業が盛んです。製造品出荷額が約8.9兆円で、県内総生産額に占める製造業比率が41.2%と全国2位を誇っています。

中でも輸送機械、電気機械、飲料・たばこなどの製品が出荷額の上位を占めています。栃木県は首都圏に近いという特性を活かし、有力企業の工場誘致を進めています。(参照:栃木県「とちぎの産業」)

主な工業地帯は太田市、伊勢崎市、宇都宮市などです。

栃木県の事業所概要

栃木県の事業所数は7万8,983事業所で、従業者数は86万4,618人でした。

業種別に見ると卸売業・小売業が全体の24.3%、宿泊業・飲食サービス業が11.2%、建設業が11.1%で、上位3産業で全体の46.5%を占めています。また第三次産業の事業所数が全産業の77.7%を占めています。

従業者数では製造業が24.1%、卸売業・小売業が18.1%、医療・福祉が13.0%を占めています。(参照:栃木県「令和3年経済センサス」)

県内には事業所・企業が多数存在する一方で、多くの企業が休廃業しています。2021年に休廃業・解散した企業は774社で、全体の3.5%にあたります。

休廃業の原因は多岐にわたりますが、後継者不足・社長の健康問題といった場合が多くあります。実際休廃業した企業の社長の平均年齢は70代が最も多く、この問題の深刻さが分かります。(参照:帝国データバンク「栃木県内企業「休廃業・解散」動向調査」)

栃木県の人手不足問題

栃木県内企業の中で正社員が不足していると感じている企業の割合は41.0%で、前年比12.6ポイント増でした。コロナ禍の影響を受け一旦は人手不足は収まったものの、経済の再開に伴い再び人手不足が顕在化してきました。

業界別に見ると運輸・倉庫業では66.7%、建設業では57.6%、サービス業では57.1%の企業が正社員が不足していると回答しました。

また非正規社員が不足していると感じている企業の割合は32.5%で、前年比10.5ポイント増でした。新型コロナウイルスの影響が落ち着き、正社員と同様に不足感が高まっています。

中小企業ではすぐに採用することが難しく、M&Aを使って優秀な人材を確保するケースもあります。(参照:帝国データバンク「人手不足に対する栃木県内企業の意識調査(2021年10月)」)

栃木県のM&A・会社売却・事業承継動向

栃木県内企業の61.3%が後継者不足であり、中小企業の事業承継は喫緊の課題になっています。またこれまでに培ってきた技術やノウハウ、人材や設備を次世代に引き継ぐためにもM&Aが有効な手段として注目されています。

栃木県内企業で今後5年以内にM&Aに関わる可能性があると考えている割合は35.0%に上り、この数字から栃木県内企業のM&Aへの関心の高さが分かります。また業界別では小売、製造、卸売り、サービスといった業界はM&Aに関わる可能性があると答えた企業の割合が高くなりました。

また県内企業の60.8%が今後M&Aの必要性は高まると考えており、ますますM&Aは身近なものになっていくと予想されます。(参照:帝国データバンク「M&Aに対する栃木県内企業の意識調査」)

栃木県でM&A・事業承継を推進するには

M&A仲介会社などの専門家へ相談する

栃木県でM&Aや会社売却を推進する手段として、M&A仲介会社などの専門家に相談する方法があります。

M&A仲介会社とは、M&Aの専門家であるM&Aアドバイザーが売り手企業と買い手企業の間に立って、中立的な立場でM&Aの成立を支援する会社です。

M&Aにおいては法務的な手続きや税務処理、相手企業の選定まで、幅広い領域の専門性が必要不可欠であるため、こうした専門のアドバイザーに相談することは有効な手段の一つと言えます。

M&A仲介会社は得意領域や事業規模によって多数の会社が存在しているため、自社に合った会社を見つけることが重要です。

公的機関や金融機関へ相談する

栃木県よろず支援拠点

栃木県よろず支援拠点では事業承継を含む、さまざまな経営課題に対する支援を行っています。

宇都宮市にある本部と県内15箇所にあるサテライト拠点で相談を受け付けていますが、オンラインでの相談も可能です。

栃木県事業承継・引継ぎ支援センター

栃木県事業承継・引継ぎ支援センターは国が運営している組織です。

相談は無料で受け付けており、中小企業の実務に精通した専門家が対応してくれます。セカンドオピニオンとしても使うことができます。

栃木銀行

栃木銀行は各方面とのネットワークや栃木銀行の持つノウハウを使って、それぞれの企業に合った事業承継を提案しています。

事業承継型だけでなく、事業再生型や成長戦略型のM&Aに関する相談も受け付けています。

うつのみやし商工会

うつのみやし商工会は地域の事業者が業種関係なく会員となり、お互いの事業の発展や地域の発展のために総合的な活動を行う団体です。

外部機関や専門家と連携し、事業承継に関する相談を受け付けています。

鹿沼商工会議所

鹿沼商工会議所では事業承継をめぐる様々な課題への対策、実効性の高い各種支援の紹介などを行っています。

問い合わせは鹿沼商工会議所のホームページに必要事項を記入するか、電話で受け付けています。

栃木県のM&A・売却・買収事例

岡谷鋼機株式会社によるオフィスエフエイ・コムのM&A

愛知県を拠点に鉄鋼・機械などを扱う岡谷鋼機は、システム構築やソフトウェア設計開発、関連コンサルティングの提供を手掛けるオフィスエフエイ・コム(栃木県小山市)からロボット・システムインテグレーター事業を譲り受け、当該事業を運営する新会社を設立しました。

  • 実行時期:2022年10月
  • スキーム:事業譲渡
  • 取引価額:非公開
  • 目的:物流業の自動化

こころネットによる北関東互助センターのM&A

福島県に拠点を置き葬祭事業・石材事業・婚礼事業・互助会事業などを手掛けるこころネットは、宇都宮市を中心に小山市、日光市、鹿沼市で葬祭事業を手掛ける北関東互助センター(栃木県宇都宮市)の全株式を取得しました。

  • 実行時期:2018年9月
  • スキーム:株式譲渡
  • 取引価額:非公開
  • 目的:事業エリアの拡大

西日本通商ネクストによる東野タクシーのM&A

福岡県に拠点を置きグループ企業にタクシー会社を擁する西日本通商ネクストは、栃木県で事業を展開する東野タクシー(栃木県宇都宮市)を子会社化しました。

  • 実行時期:2021年4月
  • スキーム:株式譲渡
  • 取引価額:非公開
  • 目的:事業の拡大

OCHIホールディングスによる芳賀屋建設のM&A

福岡県に拠点を置き建材・環境アメニティ・加工・エンジニアリングなどを手掛けるOCHIホールディングスは、関東での建築・土木工事を手掛ける芳賀屋建設(栃木県宇都宮市)の全株式を取得しました。

  • 実行時期:2022年10月
  • スキーム:株式譲渡
  • 取引価額:非公開
  • 目的:関東地区でのエンジニアリング事業の拡大

アークスによるオータニのM&A

1961年設立で北海道、東北を中心にスーパーマーケットを343店舗展開するアークスは、栃木県を中心にスーパーマーケットを31店舗展開するオータニ(栃木県宇都宮市)の全株式を取得しました。

  • 実行時期:2021年4月
  • スキーム:株式譲渡
  • 取引価額:非公開
  • 目的:事業エリアの拡大

リンクアンドモチベーションによるドリームチームエンターテイメント栃木のM&A

コンサル・クラウド事業、IR支援事業、キャリアスクールや学習塾を手掛けるリンクアンドモチベーションは、プロバスケットボールチーム「リンク栃木ブレックス」を運営するドリームチームエンターテイメント栃木(栃木県宇都宮市)を子会社化しました。

  • 実行時期:2009年5月
  • スキーム:株式譲渡
  • 取引価額:700万円
  • 目的:ブランドマネジメント力を用いたファンづくりの強化

栃木銀行による東海東京フィナンシャル・ホールディングスのM&A

栃木県の第二地方銀行である栃木銀行は、大手証券会社である東海東京フィナンシャル・ホールディングスから宇都宮証券の株式の一部を取得し、合弁会社としました。

  • 実行時期:2017年4月
  • スキーム:株式譲渡
  • 取引価額:非公開
  • 目的:顧客基盤の拡充

おわりに

本記事のまとめ

栃木県におけるM&A・事業承継の動向や、会社売却・買収事例をご紹介しました。

栃木県でM&Aを行う際は、栃木県で実績のあるM&A仲介会社などの専門家や、全国を対象にM&Aを取り扱う仲介会社を活用することがおすすめです。

各M&A仲介会社は、業種や地域、取引規模、手数料体系などで強みが分かれ、提供しているサービスも異なるため、地域への強みに加え、こうしたポイントも事前に確認しておくとよいでしょう。

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