岡山県のM&A・会社売却・買収事例、事業承継の動向

  • URLをコピーしました!

現在、岡山県をはじめとした全国の中小企業において、後継者不在や事業の更なる成長を目的としたM&Aが注目を集めています。

本記事では、そうした岡山県のM&A動向を解説するとともに、岡山県における会社売却・買収事例や、事業承継の動向をまとめてご紹介します。

目次

岡山県のM&A・事業承継動向

岡山県の現状

岡山県の概要

岡山県の人口は約188.8万人です。また15歳未満の人口は約22.9万人(12.6%)、15~64歳の人口は103.2万人(56.7%)、65歳以上の人口は55.7万人(30.7%)です。(参照:岡山県「令和2年国勢調査」)

岡山県は昔から中国地方の交通の要とされてきました。中国自動車道や山陽自動車道などの主要道路をはじめ、山陽新幹線などの鉄道網も発達しているため東京や大阪へのアクセスも良好です。

夏は海水浴や避暑地として、冬はスキー場として多くの韓国客が訪れます。(参照:岡山県移住ポータルサイト「岡山県の概要」)

また、岡山県は果物の生産でも有名です。「晴れの国」と呼ばれるほど日照時間が長く穏やかな気候で、モモやマスカットなどの生産が盛んです。

しかし、農業での高齢化は他の産業と比べても深刻で、岡山県の農業が抱える大きな課題の一つです。

岡山県の製造業

岡山県の製造業の生産額は県内総生産の33.3%を占めています。これは全国平均の23.3%と比べると、かなり高いことが分かります。

産業構造を従業員数で見ると石油、鉄鋼、化学、運送用機械など水島地域立地企業関連産業に集積しており、それに関連する運輸業、廃棄物処理業、地場産業の繊維・衣服、ゴム、窯業なども多くなっています。

水島地域には東京製鐵岡山工場やJFEスチール西日本製鉄所があり、全国の鉄鋼シェアの5%を担っています。

また、自動車部品の生産も盛んで三菱自動車工業の組立工場である水島製作所が一例です。岡山県は全国の自動車・自動車部品製造業の2%を担っています。(参照:岡山県「岡山県の経済等の状況」)

岡山県の休廃業動向

岡山県の2021年の休廃業・解散件数は823件でした。前年比3.3%減で2年ぶりに減少、過去5年間では最も少なくなりました。

2021年は新型コロナウイルスによる影響で多くの企業の休廃業・解散が懸念されていましたが、政府や金融機関によるサポートの一定の効果が出ていると考えられます。

ただ、社長の高齢化や後継者不在問題などは解決されておらず、長期的には課題が残っています。

2019年のデータでは「建設業」の休廃業件数が多く、次いで「小売業」となりました。

また、増加率では「不動産業」「小売業」「運輸業」で高くなっています。資本金別では1000万円未満、業歴では30~50年未満の企業の休廃業率が高くなっています。(参照:帝国データバンク「岡山県企業の休廃業・解散動向調査」)

岡山県のM&A・会社売却・事業承継動向

岡山県の企業では後継者不在問題が重要な課題になっています。後継者問題は特に建設業で深刻で、建設業での後継者不在率は70%を超えています。

また、全体でも63.4%であり、この問題の深刻さが分かります。社長の年齢が高い場合には解決が急がれますが、後継者の育成には時間がかかるためすぐに解決するのが難しい状況です。

同族や従業員に後継者がいない場合、M&Aを行う企業が増えています。

M&Aは大企業だけでなく、中小企業でも増えてきています。M&Aによって地域経済の維持や企業のノウハウ・技術の損失を防ぐだけでなく、売却益を老後の資金に充てることも可能です。

岡山県でM&A・事業承継を推進するには

M&A仲介会社などの専門家へ相談する

岡山県でM&Aや会社売却を推進する手段として、M&A仲介会社などの専門家に相談する方法があります。

M&A仲介会社とは、M&Aの専門家であるM&Aアドバイザーが売り手企業と買い手企業の間に立って、中立的な立場でM&Aの成立を支援する会社です。

M&Aにおいては法務的な手続きや税務処理、相手企業の選定まで、幅広い領域の専門性が必要不可欠であるため、こうした専門のアドバイザーに相談することは有効な手段の一つと言えます。

M&A仲介会社は得意領域や事業規模によって多数の会社が存在しているため、自社に合った会社を見つけることが重要です。

公的機関や金融機関へ相談する

岡山県よろず支援拠点

岡山県よろず支援拠点では、起業・創業から中小企業・小規模事業者の売上拡大、事業計画、事業承継といったあらゆる経営課題に対してサポートを行っています。

また、補助金や助成金の紹介も行っています。

岡山県事業承継・引継ぎ支援センター

岡山県事業承継・引継ぎ支援センターでは、後継者不在などの課題を抱えた中小企業・小規模事業者は、事業の譲渡や承継に関して専門知識を持ったコーディネーターから支援を受けられます。

岡山県事業承継ネットワーク

岡山県事業承継ネットワークでは、事務局に「承継コーディネーター」や「エリアコーディネータ―」を設置し、関係機関や士業などの専門家と共に支援を行っています。

事業承継診断や事業承継計画の策定をサポートしています。

岡山県産業振興財団

岡山県産業振興財団では、事業承継の専門家によるセミナーや専門家派遣を行っています。

経営改善に関する支援が必要な場合には、再生支援協議会または経営改善支援センターに引き継ぎます。

岡山県信用保証協会

岡山県信用保証協会では、持株会社が事業会社の株式を集約化するための資金調達や、経営者保障を求めないことで事業承継が円滑に進むよう支援しています。

岡山県のM&A・売却・買収事例

きずなホールディングスによる備前屋のM&A

葬儀・葬祭に関する業務を一括で行い全国7道府県で90店舗以上運営するきずなホールディングは、岡山県で家族葬・一般葬を手掛ける備前屋(岡山県瀬戸内市)の全株式を取得しました。

  • 実行時期:2021年1月
  • スキーム:株式譲渡
  • 取引価額:非公開
  • 目的:中国地方へのエリア拡大

TOKAIホールディングスによるアムズブレーンのM&A

情報通信サービス事業、エネルギー事業、総合リフォーム事業などを手掛けるTOKAIホールディングス(静岡県)は、岡山県でソフトウェアの受託開発、システムの運用・保守などの情報サービス事業を展開するアムズブレーン(岡山県岡山市)の株式を取得し子会社化しました。

  • 実行時期:2019年7月
  • スキーム:株式譲渡
  • 取引価額:非公開
  • 目的:システム開発力の強化

アシードホールディングスによるロジックイノベーションのM&A

飲料の食品用自販機による小売販売や清涼飲料及び低アルコール飲料の企画・製造を手掛けるアシードホールディングスは、岡山県に拠点を置き物流事業や環境事業を手掛けるロジックイノベーション(岡山県岡山市)の株式を取得し子会社化しました。

  • 実行時期:2021年7月
  • スキーム:株式譲渡
  • 取引価額:非公開
  • 目的:付加価値の高い物流サービスの提供

TOKAIホールディングスによるテレビ津山のM&A

情報通信サービス事業、エネルギー事業、総合リフォーム事業などを手掛けるTOKAIホールディングス(静岡県)は、岡山県の津山市と勝央町にケーブルテレビサービスを提供するテレビ津山(岡山県津山市)の株式を取得し子会社化しました。

  • 実行時期:2018年1月
  • スキーム:株式譲渡
  • 取引価額:非公開
  • 目的:事業エリアの拡大

デザインワン・ジャパンによるイー・ネットワークスのM&A

国内最大級のオールジャンル口コミサイト「エキテン」を運営するデザインワン・ジャパンは、岡山県でIT事業を展開し主に中小企業向けのweb制作や受託開発を手掛けるイー・ネットワークス(岡山県岡山市)の全株式を取得し子会社化しました。

  • 実行時期:2021年10月
  • スキーム:株式譲渡
  • 取引価額:非公開
  • 目的:中長期開発リソースの確保

山陽空調工業によるアコーディア・ゴルフのM&A

冷暖房設備・空調衛生などの管工事を手掛ける山陽空調工業(広島県広島市)は、アコーディア・ゴルフから岡山市にある18ホールのゴルフ場で運営・資産管理事業の岡山御津カントリークラブの全株式を取得しました。

  • 実行時期:2013年12月
  • スキーム:株式譲渡
  • 取引価額:非公開
  • 目的:ポートフォリオ戦略

雪国まいたけによる三蔵農林のM&A

マイタケ・シメジ・エリンギなどの生産・販売を手掛ける雪国まいたけは、岡山県でマッシュルームの生産を手掛ける三蔵農林(岡山県瀬戸内市)の全株式を取得し子会社化しました。

  • 実行時期:2019年10月
  • スキーム:株式譲渡
  • 取引価額:非公開
  • 目的:成長スピードの加速

おわりに

本記事のまとめ

岡山県におけるM&A・事業承継の動向や、会社売却・買収事例をご紹介しました。

岡山県でM&Aを行う際は、岡山県で実績のあるM&A仲介会社などの専門家や、全国を対象にM&Aを取り扱う仲介会社を活用することがおすすめです。

各M&A仲介会社は、業種や地域、取引規模、手数料体系などで強みが分かれ、提供しているサービスも異なるため、地域への強みに加え、こうしたポイントも事前に確認しておくとよいでしょう。

M&A・事業承継のご相談はハイディールパートナーズへ

M&A・事業承継のご相談は経験豊富なM&Aアドバイザーの在籍するハイディールパートナーズにご相談ください。

ハイディールパートナーズは、中堅・中小企業様のM&Aをご支援しております。弊社は成約するまで完全無料の「譲渡企業様完全成功報酬型」の手数料体系を採用しており、一切の初期費用なくご活用いただけます。

今すぐに譲渡のニーズがない企業様でも、以下のようなご相談を承っております。

  • まずは現状の自社の適正な株式価値を教えてほしい
  • 株式価値を高めるために今後何をすればよいか教えてほしい
  • 数年後に向けて株式価値を高める支援をしてほしい
  • どのような譲渡先が候補になり得るか、業界環境を教えてほしい

ご相談は完全無料となりますので、まずはお気軽にご相談ください。

目次