長崎県のM&A・会社売却・買収事例、事業承継の動向

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現在、長崎県をはじめとした全国の中小企業において、後継者不在や事業の更なる成長を目的としたM&Aが注目を集めています。

本記事では、そうした長崎県のM&A動向を解説するとともに、長崎県における会社売却・買収事例や、事業承継の動向をまとめてご紹介します。

目次

長崎県のM&A・事業承継動向

長崎県の現状

造船業の動向

長崎県では基幹産業である造船業が伸び悩んでいます。

長崎県では江戸時代に長崎鎔鉄所が設立されて以降、世界トップレベルの技術を活用して船舶を建造するとともに、各種発電プラントの開発・製造など他分野へと発展しています。(長崎県造船協同組合「長崎の造船業」)

かつて漁船を造船していた中小造船所の多くは、内航貨物船、旅客船、タンカー、海上作業船、官公庁船など建造の分野を拡大しています。

長崎県庁「『造船の現状と課題』に関するアンケート調査結果」によると、中小造船所の最大の課題は設備の老朽化です。

また、7割の事業者が生産関連部門の技術者や有資格者が不足していると回答しており人材不足も課題として挙げられます。生産関連部門には及ばないものの5割の事業者が営業部門において人材が不足していると回答しており、若年層の確保が急務です。

人材不足への対策として45%の事業者が正社員を増やすことを挙げていますが、再雇用も同程度の割合の事業者が検討しており現場でのさらなる高齢化が懸念されます。

今後の事業展開としてASEAN諸国などへの輸出や海洋関連の新産業に進出している、もしくはするつもりである事業者は少なく資金面での支援も必要です。

観光産業の現状

苦戦する造船業に対して、観光の産業化を進めることで県内経済を活性化することが期待されます。

日本銀行長崎支店「長崎県の観光産業の現状と課題」によると、長崎県への観光客数は2001年から2010年ごろまで緩やかに減少していましたが、インバウンドの増加や軍艦島への注目度が高まったことで増加に転じています。

一方、観光客の多くは日帰り客で宿泊客数は伸び悩んでいます。2000年までは緩やかに増加していましたがリーマンショックを境に大きく減少しており、以降元の水準を回復できていません。主な要因として修学旅行による宿泊者数が減少していることが挙げられています。

2000年に650千人超いた修学旅行宿泊者数は2010年代には450千人程度で推移しています。この背景には、少子化の進行、海外など旅行先の分散などがあります。

2017年時点での九州地方観光客数に占める長崎県の割合は、11.5%で九州7県のうち5番目です。この状況を打破するためには空路・陸路の充実と外国人観光客の増加が有効的です。

船舶乗降客数の全国上位10港のうち、長崎港が7位に位置しているほか、外国航路に限定すると4港(長崎港、比田勝港、厳原港、佐世保港)が船舶乗降客数の全国上位10港にランクインしています。

一方、2017年時点で長崎空港は九州地方における利用客数において5番目であり、国際線の利用客数は最も少ない状況です。陸路でも九州主要駅での乗車人員は長崎駅が7番目と利用者数の少なさがうかがえます。

また、長崎県の外国人宿泊者数は全国17位ですが、福岡や大分には大きく引き離されています。外国人の誘致を図ることで、低迷しているホテル稼働率が上昇することが期待されます。

加速する人口減少

長崎県では人口減少に伴い労働力が不足しています。

長崎県庁「人口の年次推移」によると、平成7年の長崎県の人口は154.9万人でしたが、平成30年には133.9万人と13.3%減少していることがわかります。

年齢構成をみると、65歳以上の人口は一貫して増加しており、高齢化率は同期間で17.7%から32.3%まで上昇しています。一方で労働力を担う15~64歳の人口は994万人から720万人まで27%以上減少しています。

合計特殊出生率こそ全国平均より0.3ポイントほど高いですが、県内人口の減少は今後も継続すると見込まれます。
労働者不足はコロナにより一時的に解消されましたが、経済活動が活発化する中で再度人手不足が進行しています。


帝国データバンク「人手不足に対する長崎県内企業の動向調査(2022年4月)」によると、2022年4月時点で正社員が不足していると回答した企業の割合は41.0%で2021年の33.7%から大幅に上昇しています。

コロナ以前の2019年には46.1%であったことから人材不足はコロナ以前の水準まで悪化しているほか、非正社員に関してはコロナ以前の水準を上回っています。

労働者不足は事業継続の障壁となるため、県外への人材流出抑制や外国人の受け入れなどの対策が求められています。

長崎県のM&A・会社売却・事業承継動向

長崎県では労働者のみならず経営者の後継者不足にも苦慮しています。

帝国データバンク「全国企業「後継者不在率」動向調査(2022)」によると、2022年における長崎県の後継者不在率は59.9%で全国平均の57.2%よりもわずかに高い状況です。

また、社長の平均年齢も61.3歳と全国で6番目に高い結果となっており、事業承継に際しての後継者選定が難航する恐れがあります。(帝国データバンク「全国社長年齢分析調査(2021年)」)

長崎県の2022年における休廃業・解散率は全国平均よりも低いですが、2021年から2022年にかけて0.1ポイント改善している全国平均に対して長崎県は0.14ポイント悪化しています。(帝国データバンク「全国企業「休廃業・解散」動向調査(2022年)」)

今後の経済状況次第では休廃業・解散を選択せざるを得ない事業者も増加するため、事業承継動向に注視する必要があります。

長崎県でM&A・事業承継を推進するには

M&A仲介会社などの専門家へ相談する

長崎県でM&Aや会社売却を推進する手段として、M&A仲介会社などの専門家に相談する方法があります。

M&A仲介会社とは、M&Aの専門家であるM&Aアドバイザーが売り手企業と買い手企業の間に立って、中立的な立場でM&Aの成立を支援する会社です。

M&Aにおいては法務的な手続きや税務処理、相手企業の選定まで、幅広い領域の専門性が必要不可欠であるため、こうした専門のアドバイザーに相談することは有効な手段の一つと言えます。

M&A仲介会社は得意領域や事業規模によって多数の会社が存在しているため、自社に合った会社を見つけることが重要です。

公的機関や金融機関へ相談する

長崎県事業承継・引継ぎ支援センター

長崎県事業承継・引継ぎセンターとは、事業存続の悩みを抱える経営者のために、ワンストップで事業承継全般の課題を解決するための公的な相談窓口として国が各県に設置した公的相談窓口です。

同センターは、長崎県事業引継ぎ支援センターと長崎県事業承継ネットワーク事務局が統合して設置されました。

電話・FAX ・メールでの申し込み後に、複数回のヒアリングを行いデータベースを活用したセンター内での支援、外部専門家の紹介、後継者人材バンクの活用などの対応がとられます。

長崎県よろず支援拠点

長崎県よろず支援拠点とは、中小企業庁認定の経営相談窓口です。

中小・小規模事業者、NPO法人、一般社団法人、社会福祉法人を対象に、​商品開発、情報発信、財務、法務、資金繰り、新規創業などあらゆる課題解決を図ります。

相談後は各分野の専門家が状況に応じた支援を実施するとともに、関連機関とのネットワークのもとで対応策が実行されます。

長崎県では県内12カ所で出張相談会も実施されています。

長崎県商工会連合会

長崎県商工会連合会とは、地域事業者自身が会員となってビジネスやまちづくりのために活動を行う総合経済団体です。

経営相談、税務相談、金融相談、創業者支援、事業承継などに関する相談を無料で受け付けています。

長崎県には、8つの商工会議所と20つの商工会が設置されています。

長崎県信用保証協会

長崎県信用保証協会とは信用保証協会法に基づいて中小企業者の金融円滑化のために設立された公的機関です。

事業者が金融機関から事業資金を調達する際に、信用保証協会の信用保証制度を利用することで、資金の調達がスムーズになります。

創業後間もない事業者は、お悩み相談やセミナーのほか、運転資金(7年以内、うち措置1年以内)や設備資金(10年以内、うち措置2年以内)として3,500万円の長崎県創業バックアップ資金を利用することができます。

長崎県のM&A・売却・買収事例

ハウステンボスによるウォーターマークホテル長崎のM&A

人気テーマパークを運営するハウステンボス(長崎県佐世保市)は、2011年からHISグループの傘下企業としてハウステンボス園内に立地するホテルを運営するウォーターマークホテル長崎(長崎県佐世保市)の全株式を取得しました。

  • 実行時期:2021年5月
  • スキーム:株式譲渡
  • 取引価額:非公開
  • 目的:ブランド力の強化

東京センチュリーによる十八総合リースとの資本提携

総合リース・レンタル、海外進出支援、IT・IoTソリューションなどの事業を手掛ける東京センチュリー(東京都千代田区)は、十八親和銀行の取引先にリース・割賦販売などを提供する十八総合リース(長崎県長崎市)の一部株式を取得し、資本業務提携を締結しました。

  • 実行時期:2022年4月
  • スキーム:資本業務提携
  • 取引価額:非公開
  • 目的:リース・レンタル関連業務での協業

ビーウィズによるドゥアイネットのM&A

自社開発のデジタル技術を活用したコンタクトセンター・BPOサービスの提供、各種AI・DXソリューションの開発・販売を手掛けるビーウィズ(東京都新宿区)は、アプリ・ソフトウェアなどのシステム開発、Web制作、IoT製品などの製品販売、Webマーケティングを手掛けるドゥアイネット(長崎県長崎市)の議決権所有割合60.0%の株式を取得しました。

  • 実行時期:2022年9月
  • スキーム:株式譲渡
  • 取引価額:非公開
  • 目的:映像音声共有化システムである「VSCore」の高度化

ハウステンボス・技術センターによる西日本エンジニアリングのM&A

エイチ・アイ・エス(HIS)の孫会社でハウステンボスの設備、建築群総合管理業務を手掛けるハウステンボス・技術センター(長崎県佐世保市)は、ナイン・ステイツ・3投資事業有限責任組合から、新設ゴミ処理施設向け機械設置工事、メンテナンス業務を手掛ける西日本エンジニアリング(長崎県佐世保市)の全株式を取得しました。

  • 実行時期:2017年12月
  • スキーム:株式譲渡
  • 取引価額:非公開
  • 目的:人材や新規技術の融合

長崎自動車と地域経済活性化支援機構による島原鉄道との資本提携

バス事業などを手掛ける長崎自動車(長崎県長崎市)は、地域経済活性化支援機構と共同で、鉄道事業を手掛ける島原鉄道(長崎県島原市)の第三者割当増資1億8000万円(うち6750億円は地域経済活性化支援機構が出資)を引き受け、90%超の株式を取得しました。

  • 実行時期:2017年11月
  • スキーム:第三者割当増資
  • 取引価額:1億8000万円
  • 目的:経営基盤の構築

九州ガスホールディングスによるケンコーのM&A

ガス事業を手掛ける九州ガスホールディングス(長崎県諫早市)は、鋼構造物工事業などを手掛けるケンコー(長崎県時津町)の全株式を取得しました。

  • 実行時期:2017年6月
  • スキーム:株式譲渡
  • 取引価額:非公開
  • 目的:地場産業の活性化

フードプラス・ホールディングスによるサセボフーズ&ライフのM&A

飲食業を手掛けるフードプラス・ホールディングス(長崎県佐世保市)は、佐世保重工業(長崎県佐世保市)から、名村造船所の孫会社で佐世保市学校給食センターを運営するサセボフーズ&ライフ(長崎県佐世保市)の全株式を取得しました。

  • 実行時期:2016年6月
  • スキーム:株式譲渡
  • 取引価額:非公開
  • 目的:給食事業の拡大

おわりに

本記事のまとめ

長崎県におけるM&A・事業承継の動向や、会社売却・買収事例をご紹介しました。

長崎県でM&Aを行う際は、長崎県で実績のあるM&A仲介会社などの専門家や、全国を対象にM&Aを取り扱う仲介会社を活用することがおすすめです。

各M&A仲介会社は、業種や地域、取引規模、手数料体系などで強みが分かれ、提供しているサービスも異なるため、地域への強みに加え、こうしたポイントも事前に確認しておくとよいでしょう。

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