三重県のM&A・会社売却・買収事例、事業承継の動向

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現在、三重県をはじめとした全国の中小企業において、後継者不在や事業の更なる成長を目的としたM&Aが注目を集めています。

本記事では、そうした三重県のM&A動向を解説するとともに、三重県における会社売却・買収事例や、事業承継の動向をまとめてご紹介します。

目次

三重県のM&A・事業承継動向

三重県の現状

三重県の人口と概要

三重県の人口は約175.9万人で、全国22位です。

地域別にみると四日市市の人口が最も多く、次いで津市、鈴鹿市となっています。三重県の総人口は2005年にピークを迎え、人口減少と高齢化が進んでいます。(参照:三重県「人口・世帯の動き」)

三重県は伊勢平野などの平地、鈴鹿などの山脈、さらには盆地など多くの自然に囲まれています。

一方で四日市市は中京工業地帯に位置し、電子部品や重化学工業が発達しています。また志摩半島にある伊勢志摩国立公園や伊勢神宮、吉野熊野国立公園など、歴史ある風光明媚な土地も多く、観光業も盛んです。

三重県の産業

三重県は海に面しながら多くの山をもっている地域のため、農業と水産業のどちらも発展しています。温暖な気候で大阪と名古屋の大都市圏に比較的近いため、各地域の特色を活かした農産物を栽培しています。

鈴鹿山麓や南勢地域は「伊勢茶」という茶葉の産地として有名で、全国3位の生産量を誇っています。また伊勢平野には水田が数多くあり、コシヒカリなどの米を栽培しています。

また、三重県は製造業も盛んです。出荷額では全国で上位に入り、中部地域でも愛知県に次ぐ工業地域となっています。

主に自動車製造をはじめとする輸送用機械器具製造業や、電子部品・デバイス・電子回路製造業、化学工業などが盛んです。(参照:三重県「三重県の産業ポテンシャル」)

三重県の事業所と現状

三重県には16,523の事業所があり、従業者数は約11.4万人です。うち事業所の人数が10人未満の事業所は82.7%で8割を超えています。

卸売業者の事業所数を業種別に見ると、飲食料品卸売業が最も多く、次いで建築材料、鉱物・金属材料等卸売業となりました。また、小売業の事業所数を業種別に見ると、その他の小売業が最も多く、次いで飲食料品小売業、機械器具小売業となりました。

事業所数を地域別に見ると北勢地域が最も多く、次いで中南勢地域、伊勢志摩地域になっています。(参照:三重県「商業統計調査」)

また、三重県の2022年の倒産件数は78件で3年連続の減少となりました。

コロナ禍での各種金融政策により持ちこたえていますが、原油をはじめとした物価高や人手不足といった大きな課題が残っており、苦しい状況が続いています。(参照:帝国データバンク「三重県企業「休廃業・解散」動向調査」)

三重県のM&A・会社売却・事業承継動向

三重県では2020年に19件のM&Aが行われています。

三重県は県全体で平均年齢が上昇しているとともに、社長の平均年齢も上昇しています。そのため近い将来後継者に事業承継する必要のある企業が多く存在しますが、後継者のいない事業所が多く問題になっています。

後継者が不在のまま廃業や解散に至ると、企業の持つノウハウや技術の消失、従業員の雇用が無くなる、地域経済にダメージを与えるなど多くのデメリットが生じます。

後継者が不在の企業の中には、M&Aを活用して第三者に事業承継する企業も増えています。

三重県でM&A・事業承継を推進するには

M&A仲介会社などの専門家へ相談する

三重県でM&Aや会社売却を推進する手段として、M&A仲介会社などの専門家に相談する方法があります。

M&A仲介会社とは、M&Aの専門家であるM&Aアドバイザーが売り手企業と買い手企業の間に立って、中立的な立場でM&Aの成立を支援する会社です。

M&Aにおいては法務的な手続きや税務処理、相手企業の選定まで、幅広い領域の専門性が必要不可欠であるため、こうした専門のアドバイザーに相談することは有効な手段の一つと言えます。

M&A仲介会社は得意領域や事業規模によって多数の会社が存在しているため、自社に合った会社を見つけることが重要です。

公的機関や金融機関へ相談する

三重県よろず支援拠点

三重県よろず支援拠点では、中小企業・小規模事業者、NPO法人・一般社団法人・社会福祉法人等の中小企業・小規模事業者に類する事業所の総合窓口として事業承継を含むあらゆる経営課題に対してサポートを行っています。

三重県事業承継・引継ぎ支援センター

三重県事業承継・引継ぎ支援センターでは、M&Aのような第三者承継以外にも親族承継、従業員・役員承継に関する相談も受け付けています。

相談は無料で受け付けており、電話予約で申し込むことができます。

三重県後継者人材バンク

三重県後継者人材バンクとは、創業を目指している起業家と後継者不在の企業や事業所を引き合わせて、創業と事業引継ぎを支援する事業です。

企業と事業承継の両方を同時に行うことで、企業の後継者問題の解決を図っています。

百五銀行

百五銀行では、事業承継M&A担当者10名、エリア担当者4名によって事業承継支援のサポートを行っています。

初期段階から承継後のアフターフォローまでトータルサポートを行っています。

津市ビジネスサポートセンター

津市ビジネスサポートセンターでは、ものづくり中小企業や地域資源を活用した事業、創業・起業をサポートしています。

補助金や奨励金の紹介、セミナーや講演会など幅広いサポートを行っています。

三重県のM&A・売却・買収事例

松阪興産によるベルテクスコーポレーションのM&A

コンクリート製品製造を手掛け、可変側溝でトップクラスの実績を有する松阪興産(三重県松阪市)は、道路・農地の整備、生活住環境の整備、下水道工事など幅広く手掛けるベルテクスコーポレーションから、コンクリート二次製品を製造するベルテクスが手掛ける事業を譲り受けました。

  • 実行時期:2022年12月
  • スキーム:事業譲渡
  • 取引価額:非公開
  • 目的:生産体制の再構築

ソラストによる介護サービス事業のM&A

衣料関連受託事業、介護事業、こども事業、教育事業や医療関連の求人サイトを運営するソラストは、三重県伊勢市でサービス付き高齢者向け住宅グループなどを15か所運営する森伸を完全子会社化しました。

  • 実行時期:2023年
  • スキーム:株式譲渡
  • 取引価額:非公開
  • 目的:地域トータルケアの推進

第一交通産業によるタカモリタクシーのM&A

タクシー・ハイヤー事業や路線バス、不動産の運営などを手掛ける第一交通産業は、三重県の地場タクシー企業であるタカモリタクシー(三重県津市)の全株式を取得し子会社化しました。

  • 実行時期:2020年3月
  • スキーム:株式譲渡
  • 取引価額:非公開
  • 目的:事業エリアの拡大

ココカラファインによる三重県の調剤薬局3社のM&A

ドラッグストア業界大手のココカラファインは、三重県で事業を展開するイー・ウェル(津市)、ウェル・サポート(津市)、メディカル・サポート(松阪市)の全株式を取得し子会社化しました。

  • 実行時期:2021年7月
  • スキーム:株式譲渡
  • 取引価額:非公開
  • 目的:ドミナント戦略の推進

オートバックスセブンによる高森自動車整備工業のM&A

カー用品業界最大手のオートバックスセブンは、三重県内の4つの拠点で車検・整備、板金事業を手掛ける高森自動車整備工業(三重県津市)の全株式を取得し、子会社化しました。

  • 実行時期:2020年4月
  • スキーム:株式譲渡
  • 取引価額:非公開
  • 目的:整備事業者とのネットワーク拡大

三重交通グループホールディングスによる三重いすゞ自動車のM&A

運輸業・不動産業・流通業などを手掛ける三重交通グループホールディングスは、三重県及び和歌山県の一部地域で自動車売買を手掛ける三重いすゞ自動車の株式を取得し子会社化しました。

  • 実行時期:2012年12月
  • スキーム:株式譲渡
  • 取引価額:非公開
  • 目的:経営基盤の強化

日本土石工業による南海砂利のM&A

生コンクリートの製造・販売を手掛ける日本土石工業(三重県紀宝町)は、大阪府の難波と関西国際空港を結ぶ鉄道を運営する南海電気鉄道から、生コンクリート、砕石骨材などの製造・販売を手掛ける南海砂利の全株式を取得しました。

  • 実行時期:2010年11月
  • スキーム:株式譲渡
  • 取引価額:非公開
  • 目的:経営資源の有効配分

おわりに

本記事のまとめ

三重県におけるM&A・事業承継の動向や、会社売却・買収事例をご紹介しました。

三重県でM&Aを行う際は、三重県で実績のあるM&A仲介会社などの専門家や、全国を対象にM&Aを取り扱う仲介会社を活用することがおすすめです。

各M&A仲介会社は、業種や地域、取引規模、手数料体系などで強みが分かれ、提供しているサービスも異なるため、地域への強みに加え、こうしたポイントも事前に確認しておくとよいでしょう。

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