兵庫県のM&A・会社売却・買収事例、事業承継の動向

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現在、兵庫県をはじめとした全国の中小企業において、後継者不在や事業の更なる成長を目的としたM&Aが注目を集めています。

本記事では、そうした兵庫県のM&A動向を解説するとともに、兵庫県における会社売却・買収事例や、事業承継の動向をまとめてご紹介します。

目次

兵庫県のM&A・事業承継動向

兵庫県の現状

アジア太平洋地域とのゲートウェイ

兵庫県は、神戸港や神戸空港空港などを通じてアジア太平洋地域とのゲートウェイとしての役割を担っています。兵庫県には世界でも有数の国際貿易港である神戸港のほか、東播磨港、姫路港などを有しています。

国土交通省「港湾取扱貨物量ランキング(2020年上位100港)」によると、神戸港の取扱貨物量は8,288万トンで全国5位であり、東播磨港と姫路港はそれぞれ22位、23位に位置しています。

また、コンテナ取扱貨物量でみると神戸港は東京、横浜に次ぐ全国3位(国土交通省「港湾別コンテナ取扱量(TEU)ランキング(2021年速報値)」)であるほか、船舶乗降人員ランキングでは全国12位(国土交通省「船舶乗降人員ランキング(2020年上位50港)」)といずれも全国屈指の港であることが分かります。

兵庫県では航空によるアクセスも豊富です。

国土交通省「空港管理状況」によると、令和3年度における神戸空港の乗降客数は1,752,629人で全国10位でしたが、兵庫県は同7位(3,630,725人)の関西国際空港へのアクセスも容易です。

神戸市から関西国際空港までは高速バスを利用して約1時間で行くことができ、神戸空港と関西国際空港は海上交通で結ばれています。

県内の産業状況

兵庫県は、神戸・阪神・播磨地域が県人口の90%を占めており、鉄鋼・造船・機械などの産業が集積する大都市圏を形成しています。

全国的にも重工業が盛んな地域であり、川崎重工業、神戸製鋼所のような企業の発祥地であるほか、三菱重工業、東芝、富士通といった巨大企業が工場や研究所を立地している地域でもあります。(兵庫県庁「兵庫県紹介パンフレット『Beautiful Hyogo』」)

兵庫県全体をみると、事務所数は199,966事業所で全国8位、従業員数は2,194,727人で全国7位と経済活動が活発である様子がうかがえます。兵庫県庁「令和元年経済センサス-基礎調査について」によると、製造業の売上高は15兆8,567億円で愛知県、神奈川県、静岡県に次ぐ全国4位です。

製造品出荷額等が最も多いのは1兆9414億円を占める化学で、次いで鉄鋼、電気機械、食料品、はん用機械の順となり、この5産業で全体の54.0%を占めています。

以上のように兵庫県は化学工業を根幹として発展してきましたが、歴史と伝統に培われた地場産業が盛んな一面も有しています。(兵庫県庁「兵庫県の地場産業の紹介」)

県内には、40業種の地場産業が集積しており、清酒、皮革、手延素麺などは全国トップシェアを誇ります。また、ケミカルシューズ、播州織、淡路瓦などの全国的な産地として知られており県内の産業を支えています。

直近の経済状況

兵庫県内の経済・雇用情勢は持ち直しつつあります。

兵庫県庁「兵庫県の経済・雇用情勢(令和4年11月)」によると、令和4年10月の商業販売額、乗用車販売台数、新設住宅着工戸数はいずれも前年同月比で増加しており、個人消費が増加傾向にあることを示しています。

企業の景気見通しを反映する設備投資額は令和3年度には前年比-13.4%でしたが、令和4年度には+25.4と推測されておりコロナ以前の水準を大幅に上回りました。

雇用市場も順調に回復しており、令和4年10月の有効求人倍率は1.07でした。令和3年には同倍率が0.94であったことを踏まえると、経済活動の改善に伴い、企業による労働需要が増加していることが分かります。

兵庫県のM&A・会社売却・事業承継動向

兵庫県では、倒産件数に対する休廃業・解散件数が急増しています。

神戸新聞社「県内の企業倒産、過去最少339件 コロナ禍支援策で抑制」によると、2021年における兵庫県内の倒産件数は339件で過去最少を記録しました。一方、2021年の休廃業・解散件数は前年比では減少したものの倒産件数に対する倍率は3.8倍から4.9倍に上昇しています。

コロナ禍での無担保・無利子融資などの各種支援策が倒産件数を抑制した一面もありますが、後継者が不在であるために休廃業・解散を選択せざるを得なかったことも要因として挙げられます。

帝国データバンク「全国企業「後継者不在率」動向調査(2022)」によると、兵庫県の後継者不在率(後継者が「いない」、または「未定」とした企業の割合)は、51.2%です。全国平均の57.2%よりは低いですが未だに過半数の企業では後継者が定まっていない状況であるため、マッチング支援など各種機関のさらなる支援が求められます。

兵庫県でM&A・事業承継を推進するには

M&A仲介会社などの専門家へ相談する

兵庫県でM&Aや会社売却を推進する手段として、M&A仲介会社などの専門家に相談する方法があります。

M&A仲介会社とは、M&Aの専門家であるM&Aアドバイザーが売り手企業と買い手企業の間に立って、中立的な立場でM&Aの成立を支援する会社です。

M&Aにおいては法務的な手続きや税務処理、相手企業の選定まで、幅広い領域の専門性が必要不可欠であるため、こうした専門のアドバイザーに相談することは有効な手段の一つと言えます。

M&A仲介会社は得意領域や事業規模によって多数の会社が存在しているため、自社に合った会社を見つけることが重要です。

公的機関や金融機関へ相談する

兵庫県事業承継・引継ぎ支援センター

兵庫県事業承継・引継ぎ支援センターとは、産業競争力強化法」に基づいて、国から委託を受けた神戸商工会議所が令和3年4月に事業承継を支援する公的機関として創設した公的相談窓口です。

主な支援内容には、外部専門家を利用した事業承継計画策定にかかる相談・助言・支援、データベース・ノンネーム掲載、民間M&A支援機関への橋渡しなどを含みます。

2023年2月時点では12名のスタッフが在籍しており、商工団体・士業団体・金融機関とのネットワークを活用できます。

兵庫県よろず支援拠点

兵庫県よろず支援拠点とは、中小企業・小規模事業者、NPO法人・一般社団法人・社会福祉法人等の中小企業・小規模事業者に類する方、創業予定者等を対象とした無料の経営相談所です。

事業承継、経営改善、IT活用、マーケティング、人事、資金繰り、創業に関する相談を無料で行うことができます。

兵庫県では県内9カ所に設置されているサテライトでも月1回程度の頻度で相談窓口が開かれています。

2023年2月時点では、10名のコーディネーターと、3名の伴走支援コーディネーターが在籍しています。

兵庫商工会議所連合会

兵庫県商工会議所連合会とは、各地域の商工業の総合的な改善・発達・振興を図る公益経済団体です。

兵庫県では、28の商工会(支所含む)、18の商工会議所があります。

商工会が設立されている市町村内で、6ケ月以上にわたって事務所・店舗・工場などを有する事業者であれば、事業規模にかかわらず加入することができます。

連合会は、要望活動、各会議所の会員が有する経営課題をテーマにした支援事業の共同実施、県内商工会議所の役員・議員懇談会、先進地視察調査などに取り組んでおり、会員は各商工会で無料で経営相談することができます。

兵庫信用保証協会

兵庫県信用保証協会とは、信用保証協会法に基づいて中小企業・小規模事業者が金融機関から資金を借り入れる時に、公的な保証人となって資金借り入れを支援する公的機関です。

創業時には創業関連保証や地域活力向上保証「ふるさと」を、事業承継に際しては事業承継・M&A保証「リレー」、事業承継特別保証制度、経営承継借換関連保証、特定経営承継関連保証を利用できるように、用途に応じて多様な保証が用意されています。

2022年12月には2,028件の保証承諾を行っており、2022年通年では15,119件に上ります。

兵庫県のM&A・売却・買収事例

三機サービスによる兵庫機工のM&A

多棟企業へのトータルメンテナンス事業、空調保守メンテナンスなどを手掛ける三機サービス(兵庫県神戸市)は、金属製のドア、シャッター、サッシなどの製造を手掛ける兵庫機工(兵庫県姫路市)の株式を、三機サービス1:兵庫機工25.6の株式交換比率で取得しました。

  • 実行時期:2022年12月
  • スキーム:株式交換
  • 取引価額:非公開
  • 目的:メンテナンスサービス事業の強化

リビングプラットフォームによるトゥルースのM&A

27施設の認知症対応型共同生活介護事業所、32施設有料老人ホームなどを展開するリビングプラットフォーム(北海道札幌市)は、グループホーム六甲を運営するトゥルース(兵庫県神戸市)の全株式を取得しました。

  • 実行時期:2023年2月
  • スキーム:株式譲渡
  • 取引価額:非公開
  • 目的:道内でのシェア拡大

アステナホールディングスによるアインズラボのM&A

ファインケミカル事業、HBC・食品事業、医薬事業、化学品事業を手掛けるアステナホールディングス(東京都中央区)は、薬機法に基づく輸入可否調査や分析、適法調査、広告表現の薬事チェックなどのコンサルティング業務を手掛けるアインズラボ(兵庫県神戸市)の全株式を取得しました。

  • 実行時期:2022年12月
  • スキーム:株式譲渡
  • 取引価額:非公開
  • 目的:事業ポートフォリオの補完

クオールホールディングスによる北摂調剤のM&A

調剤薬局事業、CSO事業、医療系人材紹介派遣事業、医薬品製造販売事業などを手掛けるクオールホールディングス(東京都港区)は、関西地方で8店舗の調剤薬局を展開する北摂調剤(兵庫県川西市)の全株式を取得しました。

  • 実行時期:2022年11月
  • スキーム:株式譲渡
  • 取引価額:非公開
  • 目的:事業拡大

オプテックスグループによるミツテックのM&A

屋外用侵入検知センサー、自動ドア用センサー、印字検査用画像センサー、画像検査用LED照明などを製造するオプテックスグループ(滋賀県大津市)は、画像処理検査装置、自動化機械装置企画開発、製造販売、保守サービスなどを手掛けるミツテック(兵庫県淡路市)の全株式を取得しました。

  • 実行時期:2021年11月
  • スキーム:株式譲渡
  • 取引価額:非公開
  • 目的:既存事業のトータルソリューション化

ミズノによるシャープ産業のM&A

スポーツ用品の製造・販売を手掛けるミズノ(大阪府大阪市)は、スポーツ大会やスポーツチームの記念品・観戦グッズの製造を手掛けるシャープ産業(兵庫県神戸市)の全株式を取得しました。

  • 実行時期:2020年4月
  • スキーム:株式譲渡
  • 取引価額:非公開
  • 目的:スポーツ競技の応援・記念グッズの販売強化

シモジマによるミタチパッケージのM&A

梱包資材の卸売を手掛けるシモジマ(東京都台東区)は、梱包資材卸売を手掛けるミタチパッケージ(兵庫県姫路市)の株式を取得しました。

  • 実行時期:2019年9月
  • スキーム:株式譲渡
  • 取引価額:非公開
  • 目的:工業・物流分野の開拓

おわりに

本記事のまとめ

兵庫県におけるM&A・事業承継の動向や、会社売却・買収事例をご紹介しました。

兵庫県でM&Aを行う際は、兵庫県で実績のあるM&A仲介会社などの専門家や、全国を対象にM&Aを取り扱う仲介会社を活用することがおすすめです。

各M&A仲介会社は、業種や地域、取引規模、手数料体系などで強みが分かれ、提供しているサービスも異なるため、地域への強みに加え、こうしたポイントも事前に確認しておくとよいでしょう。

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