群馬県のM&A・会社売却・買収事例、事業承継の動向
現在、群馬県をはじめとした全国の中小企業において、後継者不在や事業の更なる成長を目的としたM&Aが注目を集めています。
本記事では、そうした群馬県のM&A動向を解説するとともに、群馬県における会社売却・買収事例や、事業承継の動向をまとめてご紹介します。
群馬県のM&A・事業承継動向
群馬県の現状
群馬県の企業経営者の平均年齢は60.4歳です(参照:帝国データバンク「群馬県社長年齢分析」)。群馬県では企業経営者の平均年齢が12年連続で上昇しており、超高齢社会の日本の実情が反映されています。
こうした状況もあり、群馬県において後継者がいない中小企業の割合は62.9%です(参照:帝国データバンク「全国企業『後継者不在率』動向調査(2020年)」)。これは若年層が経営者の企業も含めた比率ですが、後継者不在問題は年々深刻さを増していると言えます。
後継者がいない状態でオーナー社長が引退する場合、会社は廃業することになります。
実際、群馬県で2020年に休廃業・解散した企業は891社で、そのうち約56.8%は黒字廃業となっており、群馬県の後継者不在の中小企業にとって事業承継は深刻な問題の一つと言えます(参照:帝国データバンク「群⾺県内企業『休廃業・解散』動向調査(2020年)」)。
群馬県のM&A・会社売却・事業承継動向
群馬県では、後継者のいない県内の中小企業の事業承継に向けた準備を支援しています。
様々な関係機関が積極的な施策を実施しており、例えば群馬県内の商工会議所と金融機関は連携協定を結び、群馬県内全体で事業承継の支援体制を整備しています。
また、自治体(群馬県や市町村)も群馬県内の中小企業の事業承継を支援するために積極的な支援事業、施策の推進を進めている状況です。
群馬県でM&A・事業承継を推進するには
M&A仲介会社などの専門家へ相談する
群馬県でM&Aや会社売却を推進する手段として、M&A仲介会社などの専門家に相談する方法があります。
M&A仲介会社とは、M&Aの専門家であるM&Aアドバイザーが売り手企業と買い手企業の間に立って、中立的な立場でM&Aの成立を支援する会社です。
M&Aにおいては法務的な手続きや税務処理、相手企業の選定まで、幅広い領域の専門性が必要不可欠であるため、こうした専門のアドバイザーに相談することは有効な手段の一つと言えます。
M&A仲介会社は得意領域や事業規模によって多数の会社が存在しているため、自社に合った会社を見つけることが重要です。
公的機関や金融機関へ相談する
群馬県事業承継・引継ぎ支援センター
各都道府県に設置される事業承継・引継ぎ支援センターは、中小企業庁からの委託事業として事業承継を支援する公的機関です。各種相談や支援を無料で受けることができます。
事業承継に関する様々な相談や支援、M&A専門家や士業事務所の紹介、後継者人材バンクと呼ばれる後継者候補のマッチング事業など様々な支援内容を揃えています。
2021年4月に旧事業引継ぎ支援センターと旧事業承継ネットワークが統合し、事業承継・引継ぎ支援センターとなっています。
群馬県よろず支援拠点
群馬県よろず支援拠点は、専門性をもつコーディネーターチームによるサポートを受けることができる、中小企業・小規模事業者経営者の経営に関する無料相談窓口です。
勉強会やセミナーも開催しているほか、女性のコーディネーターも在籍しており、気軽に相談できる点が特徴です。群馬県よろず支援拠点は県内に相談所が3箇所あり、出張相談も実施しています。
群馬県商工会議所
群馬県商工会議所連合会は、群馬県内に存在する10か所の商工会議所で組織されています。
各商工会議所に経営指導員を設置しており、無料で事業承継を含む経営相談を実施しています。定期的にセミナーやイベントを開催しており、こうした県内の商工会議所も気軽に利用できる公的機関の一つと言えます。
群馬県信用保証協会
群馬県信用保証協会は、中小企業が金融機関などから借入を実行する際に公的な保証人になる機関であり、金融面を中心に中小企業を支援している公的機関です。
本店や支店に中小企業の相談窓口を設けているため気軽に利用することができ、群馬県でM&Aを検討する際に、金融面で信用保証協会を活用できる可能性があります。
群馬県のM&A・売却・買収事例
SMR Automotive Mirrors UK Limitedによる市光工業の自動車ミラー事業のM&A
後方確認用ミラー製造を手掛ける英SMR Automotive Mirrors UK Limitedは、市光工業の手掛ける自動車ミラー事業を、傘下の美里工業(群馬県藤岡市)に移管した上で美里工業の全株式を取得することを決定した。
- 取得時期:2023年5月
- スキーム:会社分割、株式譲渡
- 取得価額:52億円
- 目的:自動車照明事業への経営資源の集中
富士紡ホールディングスによる藤岡モールドのM&A
富士紡ホールディングスの連結子会社である東京金型は、プラスチック用金型の設計・製造・販売を手掛ける藤岡モールド(群馬県藤岡市)の全株式を取得し完全子会社化しました。
- 取得時期:2020年1月
- スキーム:株式譲渡
- 取得価額:非公開
- 目的:優れた技術力の獲得を通じた事業拡大
クリエイト・レストランツ・ホールディングスによるいっちょうのM&A
飲食店を運営している企業グループの持株会社であるクリエイト・レストランツ・ホールディングスは、和風レストランを展開するいっちょう(群馬県太田市)の全株式を取得し完全子会社化しました。
- 取得時期:2019年10月
- スキーム:株式譲渡
- 取得価額:70億円
- 目的:シナジーの創出、セントラルキッチンの運用ノウハウの獲得
JESCOホールディングスによる阿久澤電機のM&A
電気・通信設備全般の設計・調達・建設・保守・メンテナンスを手掛けるJESCOホールディングスは、電気工事・電気通信工事のほか、不法投棄防止に向けた防犯カメラの賃貸借事業を手掛ける阿久澤電機(群馬県高崎市)の全株式を取得し完全子会社化しました。
- 取得時期:2022年9月
- スキーム:株式譲渡
- 取得価額:非公表
- 目的:群馬県全体と近隣県での営業展開強化
JESCOホールディングスによる菅谷電気工事のM&A
JESCOホールディングスは、北関東地区を中心に電気設備工事、電気通信設備工事を手掛ける菅谷電気工事(群馬県前橋市)の全株式を取得し完全子会社化しました。
- 取得時期:2017年10月・2018年9月
- スキーム:株式譲渡
- 取得価額:非公表
- 目的:グループ各社との協業によるシナジー創出
ジャパンエレベーターサービスHDによる関東エレベーターシステムのM&A
エレベーターのメンテナンスなどを手掛けるジャパンエレベーターサービスは、エレベーターの保守点検を手掛ける関東エレベーターシステム(群馬県館林市)の全株式を取得しました。
- 実行時期:2022年1月
- スキーム:株式譲渡
- 取引価額:非公開
- 目的:事業基盤・事業提携の強化
おわりに
本記事のまとめ
群馬県におけるM&A・事業承継の動向や、会社売却・買収事例をご紹介しました。
群馬県でM&Aを行う際は、群馬県で実績のあるM&A仲介会社などの専門家や、全国を対象にM&Aを取り扱う仲介会社を活用することがおすすめです。
各M&A仲介会社は、業種や地域、取引規模、手数料体系などで強みが分かれ、提供しているサービスも異なるため、地域への強みに加え、こうしたポイントも事前に確認しておくとよいでしょう。
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