新潟県のM&A・会社売却・買収事例、事業承継の動向

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現在、新潟県をはじめとした全国の中小企業において、後継者不在や事業の更なる成長を目的としたM&Aが注目を集めています。

本記事では、そうした新潟県のM&A動向を解説するとともに、新潟県における会社売却・買収事例や、事業承継の動向をまとめてご紹介します。

目次

新潟県のM&A・事業承継動向

新潟県の現状

県内の産業

新潟県では食品業、製造業、建設業が盛んです。

食品業では恵まれた立地条件を活用しており、にいがたJob cafe事業「新潟の産業」によると、米の産出額は1,284億円(平成27年)で全国1位のほか、米菓出荷額(1,918億円、平成26年)、酒造数(97場、平成27年度)も全国1位を記録しています。

製造業においては、精密加工や金属プレスなど高度な基盤技術が集積しており、繊維産業もで全国有数の地位を確立しています。実際、平成26年度には金属洋食器(117億円)、石油ストーブ(446億円)、ニット製セーターなど(178億円)において全国1位の出荷額です。

また、東西地域を繋ぐ結節点の役割も担っていることから建設業も盛んです。建設業の事務所数は全国で2番目に多く、人口10万人当たりの建設業従事者は全国で1位です。

新潟県「平成28年経済センサス-活動調査(確報)産業横断的集計」によると、建設業が売上高に占める割合は全国では6.2%である一方、新潟県では9.6%を占めています。

県内の経済状況

新潟県の経済は、緩やかな回復傾向にあるものの原材料価格やコロナの感染状況などに大きく影響を受ける可能性があります。(新潟県「新潟県の経済動向」)

2022年11月の百貨店・スーパー販売額(前年同期比2.6%増加)やコンビニエンスストア販売額(前年同期比6.0%)は、それぞれ5か月連続、9か月連続で前年同期比を上回っています。一方、家電大型専門店やホームセンターの販売額は前年同期比で減少しており、一概に個人消費が拡大しているとは言えない状況です。

企業の生産活動においては改善の兆しが見られます。

2022年11月の建設着工床面積は前年同期比1.1%の増加で2か月連続で上回ったほか、2022年の設備投資額は全産業で1.6%増加する見込みです(製造業では前年比6.1%の減少、非製造業では前年比17.0%の増加)。

以上の通り、2022年11月時点では好不況を示す経済指標が入り混じる結果となっており、経済の全面的な回復を判断するには時期尚早です。

人口減による人材不足

新潟県では人口減少により人材不足が深刻化しており、コロナにより一時的に改善した人材不足が再加速しています。

新潟県「新潟県人口移動調査(推計人口および人口移動)」によると、新潟県の人口は2000年以降一貫して減少しており、同期間にわたって12.1%減少しています。

令和3年の職業による転出超過数は4,904人で前年の5,336人からは減少したものの20~24歳の流出が最も多く労働力の減少が懸念されます。

正社員が不足している県内企業の割合はコロナ前の2019年の48.1%から2020年には27.1%まで減少しました。

しかし、経済回復に伴って同割合は再び増加しており、2022年には43.0%まで上昇しています。(帝国データバンク「人手不足に対する新潟県内企業の動向調査(2022年4月)」)

人材不足は企業のDX化の遅れにも影響しています。

県内企業のうちDXを理解したうえで推進している割合は、わずか13.9%です。全体の49.6%が、対応できる人材がいないことをDXに取り組むうえで課題として挙げており、人材確保へ向けた対策が求められます。

新潟県のM&A・会社売却・事業承継動向

新潟県での休廃業・解散数は全国比で改善傾向にあります。

帝国データバンク「全国企業「休廃業・解散」動向調査(2022年)」によると、新潟県の休廃業・解散数は、2021年には前年比で4.6%減少しており、2022年には前年比で2.3%減少しました。

全国平均がそれぞれ2.5%と2.3%でした。また、2022における全国の休廃業・解散率は3.66%であった一方、新潟県の同率は3.13%といずれも全国比で良好な結果です。

この背景には、県内の後継者不在率が改善していることが挙げられます。

新潟県の後継者不在率は2018年から一貫して減少しており2022年には53.3%まで低下しました。全国平均の57.2%よりも低く、近年の事業承継支援策が結実した結果であると言えます。

新潟県でM&A・事業承継を推進するには

M&A仲介会社などの専門家へ相談する

新潟県でM&Aや会社売却を推進する手段として、M&A仲介会社などの専門家に相談する方法があります。

M&A仲介会社とは、M&Aの専門家であるM&Aアドバイザーが売り手企業と買い手企業の間に立って、中立的な立場でM&Aの成立を支援する会社です。

M&Aにおいては法務的な手続きや税務処理、相手企業の選定まで、幅広い領域の専門性が必要不可欠であるため、こうした専門のアドバイザーに相談することは有効な手段の一つと言えます。

M&A仲介会社は得意領域や事業規模によって多数の会社が存在しているため、自社に合った会社を見つけることが重要です。

公的機関や金融機関へ相談する

新潟県事業承継・引継ぎ支援センター

新潟県事業承継・引継ぎ支援センターとは、国が各都道府県に委託する形で設置されている、中小企業の事業承継専門の相談・支援機関です。

事業承継計画の策定、親族内承継、第三者承継、譲受企業とのマッチング、経営者保証解除などにおける支援を実施しています。

「創業を目指す起業家」と「後継者不在の事業主」とを引き合わせることで、「起業家の創業実現」と「後継者不在企業の事業継続」を支援する新潟県後継者バンクを活用した事業承継も可能です。

新潟県よろず支援拠点

新潟県よろず支援拠点とは、中小企業・小規模事業者・NPO法人・一般社団法人・社会福祉法人等の中小企業・小規模事業者や創業予定の方の経営支援体制をさらに強化するために、中小企業庁が各都道府県に設置した機関です。

新潟県では、NICO(公益財団法人にいがた産業創造機構)が実施機関となり、企業支援に優れた能力・知識・経験等を有する専門コーディネーターを中心に既存支援機関との連携強化と充実した経営相談などの機能を備えています。

2023年1月時点では、チーフコーディネーターのほか、相談対応を専門するコーディネーター19名、伴走支援を専門に担当するコーディネーター3名の、計23名が在籍しています。

新潟商工会議所

新潟商工会議所とは、新潟県の中小企業の中小企業の発展や地域活性化のために活動している公的機関です。

新潟県には、新潟商工会議所はじめ16の商工会議所と102の商工会があります。

無料での経営相談や事業承継、販売拡大、雇用関係、創業支援などの経営支援を受けることができます。

新潟県信用保証協会

新潟県信用保証協会とは、中小企業の支援を行うために設立された「信用保証協会法」に基づく法人で、中小企業が金融機関から事業資金を借り入れる際に公的な保証人となって金融の円滑化を推進する機関です。

長岡、三条、上越、佐渡の各支店でも相談することができ、用途に合わせた保証制度を利用することができます。

新潟県のM&A・売却・買収事例

クスリのアオキホールディングスによるスーパーマーケット事業のM&A

主力の調剤薬局やドラッグストア事業と並行し、食品販売を手掛けるクスリのアオキホールディングス(石川県白山市)は、食品スーパーを展開するサンエー(新潟県糸魚川市)からスーパーマーケット事業を譲受することを決定しました。

  • 実行時期:2023年3月
  • スキーム:事業譲渡
  • 取引価額:非公開
  • 目的:新潟地区での集中出店を推進

北陸電気工事による蒲原設備工業のM&A

内線工事、空調管工事、配電線工事、送変電工事などを手掛ける北陸電気工事(富山県富山市)は、管工事、土木工事、消防施設工事、管工事を手掛ける蒲原設備工業(新潟県燕市)の全株式を取得しました。

  • 実行時期:2022年12月
  • スキーム:株式譲渡
  • 取引価額:非公開
  • 目的:新潟方面への事業進出

日本精機による共栄エンジニアリングのM&A

車載部品事業、民生部品事業などを手掛ける日本精機(東京都品川区)は、自動車部品及び光学機械部品等のデザインモデルや試作品の設計、製造などを手掛ける共栄エンジニアリング(新潟県阿賀野市)の全株式を取得しました。

  • 実行時期:2022年10月
  • スキーム:株式譲渡
  • 取引価額:非公開
  • 目的:光学部品・超精密加工部品の領域における事業拡大

綿半ホールディングスによる夢ハウスのM&A

グループ内で木造住宅のフランチャイズ事業を手掛ける綿半ホールディングス(東京都新宿区)は、戸建木造住宅の販売、設計施工、加盟店運営、戸建施工、木材・建材輸入、プレカット材・建材製造販売事業を手掛ける夢ハウス(新潟県北蒲原郡)の全株式を取得しました。

  • 実行時期:2021年6月
  • スキーム:株式譲渡
  • 取引価額:非公開
  • 目的:経営資源や天然無垢材の仕入調達力の相互活用

亀田製菓によるタイナイのM&A

せんべい、あられなどの米菓、菓子を製造する亀田製菓(新潟県新潟市)は、米パン粉・米粉パン製造、販売を手掛けるタイナイ(新潟県新潟市)の全株式を取得しました。

  • 実行時期:2021年5月
  • スキーム:株式譲渡
  • 取引価額:非公開
  • 目的:市場拡大に備えた体制整備

ホッカンホールディングスによる真喜食品のM&A

容器事業、充填事業、機械製作事業を手掛けるホッカンホールディングス(東京都中央区)は、スープ、タレの製造を手掛ける真喜食品(新潟県新潟市)の全株式を、子会社の日本キャンパック(東京都千代田区)を通じて取得しました。

  • 実行時期:2020年12月
  • スキーム:株式譲渡
  • 取引価額:非公開
  • 目的:食品分野への進出

メイホーエクステックによる有坂建設のM&A

メイホーホールディングスの完全子会社でグループ内で建設事業を行う企業の経営管理を手掛けるメイホーエクステック(岐阜県岐阜市)は、建設業を手掛ける有坂建設(新潟県上越市)の全株式を取得しました。

  • 実行時期:2021年10月
  • スキーム:株式譲渡
  • 取引価額:2億7,000万円
  • 目的:スケールメリットの享受

おわりに

本記事のまとめ

新潟県におけるM&A・事業承継の動向や、会社売却・買収事例をご紹介しました。

新潟県でM&Aを行う際は、新潟県で実績のあるM&A仲介会社などの専門家や、全国を対象にM&Aを取り扱う仲介会社を活用することがおすすめです。

各M&A仲介会社は、業種や地域、取引規模、手数料体系などで強みが分かれ、提供しているサービスも異なるため、地域への強みに加え、こうしたポイントも事前に確認しておくとよいでしょう。

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