ネイルサロン業界のM&A・売却・買収事例、業界動向

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業界は近年M&Aが活発な業界の一つです。ネイルサロンは参入障壁が低いために小規模事業者が多い業界で競争が激しく、そうした市場環境を背景としたM&A事例が見られます。

本記事では、そうしたネイルサロン業界の市場動向を解説するとともに、ネイルサロン業界におけるM&Aのメリット、今後のM&A動向、買収事例をまとめてご紹介します。

目次

ネイルサロン業界の概要・市場動向

ネイルサロン業界とは

ネイルサロンとは、爪の装飾や手入れを専門的に行う店舗を指します。

国家資格や保健所の認可が不要であることから参入障壁が非常に低い業界と言えます。小さなスペースでも開店でき、開業に必要な資金は300~500万円程度と言われています。

市場は拡大しており、店舗数は増加傾向にあります。参入障壁の低さから中小・零細企業が目立ち、大企業はほとんど見られません。

都市部では特に激しい競争が行われており撤退する店舗も多いですが、新規開店数が上回っています。

ネイルサロン業界の市場動向

ネイリスト人材の不足

ネイルサロン業界はネイリスト不足に直面しています。ネイルアート人気が高まるにつれ、店舗数も増え、ネイリストの需要が増加しています。

ネイルアートは以前のように特別なものではなくなり、日常的に楽しむ人が増えました。そのため、ネイルアートに対して知識のある人が増え、よりクオリティの高いネイルアートが求められるようになりました。

その結果優秀なネイリストが求められるようになり、事業者は全体としてネイリストの不足といった課題を慢性的に抱えています。

店舗間競争の激化

ネイルサロン業界は参入障壁が低いため多くの店舗が存在します。国家資格や大きな店舗を必要としないため、個人経営の店舗が多いのが現状です。

また、周辺業界からの新規参入も見られ、美容室や美容サロンに併設された店舗も出てくるようになりました。

こうして店舗数が増加した結果として競争がますます激化しています。ネイルサロンは価格競争に陥ることもあり、経営の厳しい店舗も多いのが現状です。

併設店舗の増加

ネイルアートの需要は増えていますが、ネイルサロン店舗数の増加により競争が激化したため、ネイルアート専門店ではなくネイルサロンを併設した店舗が増えています。

これは、美容室や他の美容サロンと併設することでリスクを分散したいと考える経営者が多いためです。

また、現時点で利益を上げているネイル専門店も、将来的に収益が不透明なため、他の事業を始めたり、収益性の高い事業に投資したいと考える経営者が増えてきています。

ネイルサロン業界のM&A動向

ネイルサロン業界は、1店舗のみ、もしくは多くても数店舗のみを構える小規模事業者が中心となっています。大手事業者が展開するネイルサロンチェーンは業界内に数社ほどとなっています。

こうした背景もあり、ネイルサロンの売却や買収では、居抜き物件としての取引も多くなっています。

なお最近では、美容室やエステサロン、アイラッシュサロン、化粧品小売店などが新たにネイルサービスの提供を開始するケースも増加しています。

このように隣接事業者が新たに新規参入することで、業界内の競争はますます激しくなっており、今後はM&Aによる業界再編が進行していくと考えられています。

ネイルサロン業界におけるM&Aのメリット

売り手のメリット

ネイルサロン業界のM&A活用において、売り手側のメリットは以下が挙げられます。

  • 大手企業の傘下に入ることで安定した経営を継続できる
  • 売却益の獲得によって新規事業を立ち上げることができる
  • 後継者が不在の場合、廃業せず事業を継続し社員の雇用を守ることができる
  • 後継者問題を解決し、株式譲渡による譲渡収入とともに経営から退くことができる
  • M&Aを契機に代表者による借入金の個人保証や担保を解消できる

買い手のメリット

ネイルサロン業界のM&A活用において、買い手側のメリットは以下が挙げられます。

  • 売り手の抱える優秀なネイリストを獲得できる
  • 自社では保有しない新たな技術やノウハウを獲得できる
  • 新規参入の場合、参入に必要な時間やコストを削減できる
  • グループ店舗の増加により素早く事業規模を拡大できる

ネイルサロン業界のM&A・売却・買収事例

ヤマノHDによるみうらのM&A

美容事業を手掛けるヤマノHDは、ネイルサロンを経営するみうらを子会社化しました。

  • 実行時期:2018年6月
  • スキーム:株式譲渡
  • 取引価額:非公開
  • 目的:事業の拡大と新規事業の立ち上げ

鉄人化計画によるビアンカのM&A

カラオケボックスなどを手掛ける鉄人化計画は、ネイルサロン・まつ毛サロンを手掛けるビアンカを子会社化しました。

  • 実行時期:2021年12月
  • スキーム:株式譲渡
  • 取引価額:非公開
  • 目的:首都圏エリアでのさらなる事業の効率化

レイフィールドと日本産業推進機構の資本業務提携

美容サロンを手掛けるレイフィールドは、投資ファンドの日本産業推進機構と資本業務提携を結びました。

  • 実行時期:2018年1月
  • スキーム:資本業務提携
  • 取引価額:非公開
  • 目的:企業価値の向上

PCE社によるナインルーツのM&A

アメリカで美容品の開発・販売を行うPCE社は、リラクゼーションサロンを経営するナインルーツを子会社化しました。

  • 実行時期:2018年3月
  • スキーム:株式譲渡
  • 取引価額:非公開
  • 目的:自社事業の成長

BGベンチャーファンドによるキャトルのM&A

ビューティガレージグループのBGベンチャーズは、サンプリングマッチングプラットフォームを手掛けるキャトルに資本参加しました。

  • 実行時期:2019年7月
  • スキーム:資本参加
  • 取引価額:非公開
  • 目的:美容サロンの新たな価値創造

RVHによる不二ビューティーズのM&A

ミュゼプラチナムなどの美容事業を展開するRVHは、フェイシャルサロンを経営する不二ビューティーズを子会社会しました。

  • 実行時期:2017年2月
  • スキーム:株式譲渡および株式交換
  • 取引価額:非公開
  • 目的:両社のブランド力を活かした競争力強化

インテグラルによるコンヴァノのM&A

独立系のプライベート・エクイティ投資会社のインテグラルは、ネイルサロンチェーンを手掛けるコンヴァノに資本参加しました。

  • 実行時期:2014年10月
  • スキーム:資本参加
  • 取引価額:非公開
  • 目的:事業運営の支援

おわりに

本記事のまとめ

ネイルサロン業界の市場動向、M&A動向、買収事例についてご紹介しました。

ネイルサロン業界は参入障壁が低いことから多くの小規模事業者が乱立しています。需要は伸びているものの、店舗が増加したことにより競争はますます激化しています。

また、ネイルアートが普及したことにより、各事業者はネイリスト不足に課題を抱えています。

こうした問題を背景に、近年ではM&Aを検討する経営者が増えています。M&Aによって隣接事業を立ち上げてリスクを分散したり、不足する人材をM&Aによって獲得するようなケースが増加しています。

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