経済産業省らが「中小企業活性化パッケージNEXT」を策定

「中小企業活性化パッケージNEXT」の策定

経済産業省と財務省、金融庁は9月8日、「中小企業活性化パッケージNEXT」を策定し、中小企業の収益力改善・事業再生・再チャレンジを促す総合的な支援策を加速させる。

2022年3月に公表したパッケージを発展させた内容で、中小企業基盤整備機構（中小機構）が出資する再生ファンドの組成を促す優先分配スキームの創設などに乗り出す。

コロナ禍の資金繰り支援の継続・拡充を図る「中小企業活性化パッケージ」は経産省が財務省、金融庁と連携して構築したもの。今回、新たな「中小企業の事業再生等のガイドライン」の策定・活用や、事業再構築補助金における補助率の高い「回復・再生応援枠」の創設などを盛り込んだ。

再生系サービサーを活用した支援スキーム

今回「NEXT」では、収益力改善支援の実務指針策定を中小企業の支援機関向けに掲げている。

再生ファンドについては民間出資者に優先分配する仕組みを作り、中小企業活性化協議会との連携による再生系サービサーを活用した支援スキームも新たに創設。

ポストコロナに向けた資金繰り支援

ポストコロナに向けて日本政策金融公庫などのスーパー低利・無担保融資の期限を9月末から2022年度末まで延長。中小企業は対象となる貸付限度額を3億円から4億円に引き上げ。借り換え保証など中小企業の返済負担軽減策も検討している。

中小企業活性化協議会は飲食業・宿泊業支援専門窓口を設置。サテライトでの相談にも対応し、信用保証協会、地方経産局と連携協定を結び、民間無利子融資先を中心に収益力改善などを支援する。

脱個人保証を確立する施策

個人保証に依存しない融資慣行の確立に向けた施策を今年度中に策定する。

融資先の廃業時などに「経営者保証に関するガイドライン」に基づく保証債務整理を行った割合を把握するなど、金融機関へのよりきめ細かいフォローアップも実施する。