【転職体験談】生産管理の6年が”差別化”になった|製造業からコンサルへ

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新卒で日系大手メーカーに入社し、約6年間にわたって工場の生産管理に従事してきたFさん(29歳・男性)。誰もが知る安定企業で順調にキャリアを積んでいたものの、20代後半で「このままでいいのか」という思いが強くなり、日系の総合コンサルティングファームへ転職を決意しました。

現在は製造業向けのコンサルタントとして、かつて自分が立っていた“現場”とは違う角度からものづくりに関わっているFさん。未経験からのコンサル転職という、決して楽ではない道をどう乗り越えたのか。年収の変化や面接対策、ご家族の反応まで、かなり踏み込んでお話を伺いました。

インタビュー対象者
  • お名前:Fさん(男性) ※仮名
  • 年齢:29歳
  • 学歴:有名私立大学卒(工学部)
  • 職歴:日系大手製造業(生産管理)→日系総合コンサル(製造業向けコンサルタント)
目次

製造業の現場で過ごした6年間

これまでのご経歴を教えていただけますか

ええと、ざっくり言うと、新卒で日系の大手飲食メーカーに入って、そこで6年ちょっと生産管理をやってました。学生時代は工学部だったので、まあ流れとしてはわりと自然だったというか。研究室の先輩もメーカーに行く人が多かったですしね。

生産管理って言葉、たぶん業界の外の人にはピンとこないと思うんですけど、簡単に言うと「工場でモノを、必要な量だけ、決められた納期までに、ちゃんと作れるように段取りする仕事」なんですよ。生産計画を立てて、部品の在庫を管理して、設計や調達、現場のラインと調整して、みたいな。要は工場全体の交通整理みたいな役割ですね。

最初の3年くらいは正直、目の前の業務をこなすので精一杯でした。納期が間に合わないとか、設備故障で計画が崩れるとか、しょっちゅうトラブルがあって。そのたびに現場のおじさんたちに頭を下げに行って。でもそのおかげで、現場のリアルな動き方みたいなものはかなり肌で覚えられたと思います。これは今振り返ると、けっこう大きな財産でしたね。

当時のお仕事で、やりがいを感じていた部分はどこでしたか

やりがいでいえば一番大きかったのは、自分が立てた計画通りに工場が回ったときの達成感ですかね。何百人もの人が動いてる工場が、自分の組んだスケジュール通りにスムーズに製品を出していくのを見ると、「あ、自分けっこう貢献できてるな」って実感できたんです。

あと、ぶっちゃけ製造業って改善活動がめちゃくちゃ根付いてるんですよ。いわゆる「カイゼン」ってやつですね。1秒でも作業時間を縮めるとか、不良率を0.1%でも下げるとか、そういう地道な積み重ねを全員でやる文化があって。僕、そういうコツコツしたのが嫌いじゃなかったので、ラインの稼働率を改善する提案を出して、実際に数字が良くなったときはすごく嬉しかったです。

具体的な話をすると、ある新製品の量産立ち上げを担当したことがあって。新しい製品を本格的に量産に乗せていく、その計画を組む仕事ですね。最初の頃って、どうしても作り方が安定しなくて、規格を外れた不良品、いわゆる歩留まりロスってやつがけっこう出ちゃうんですよ。要は、作ったぶんのうち何%かが廃棄になっちゃうと。

それを現場と一緒に原因を一つずつ潰していって、量産計画の組み方も見直して、その歩留まりロスを数%削減できたんです。これがそのまま製造原価、つまり一個あたりのコストを下げることに直結して。「自分のやった段取りが、ちゃんと会社の利益として数字に出た」っていうのが、めちゃくちゃ手応えあって嬉しかったんですよね。あのときは「ものづくりって面白いな」って素直に思えてました。だから別に、メーカーが嫌で辞めたわけじゃないんですよね。

では、なぜ転職を考えるようになったのでしょうか

きっかけは、いくつかあるんですけど、一番大きかったのは、「自分の市場価値って、この先どうなるんだろう」っていう漠然とした不安でした。

入社して5年目くらいかな。ふと周りを見たときに、15年上の先輩がやってる仕事と、自分の仕事が、本質的にあんまり変わってないことに気づいちゃったんですよ。もちろん経験値は全然違うんですけど、扱ってる範囲というか、見えてる世界が「この工場の中」で完結してる感じがして。このまま10年いたら、たぶん同じ工場の課長になって、また10年いたら……みたいな道筋が、わりとくっきり見えちゃったんですよね。それが安心でもあり、ちょっと怖くもあり。

あとは年功序列の話で、ぶっちゃけ給料の上がり方が完全に年齢で決まってたんです。どれだけ成果を出しても、20代のうちはそんなに変わらない。当時の年収が550万くらいだったんですけど、向こう5年でどう増えるかも先輩を見れば大体わかる。それ自体が悪いとは言わないんですけど、「自分の頑張りが反映されにくいな」っていうモヤモヤは、年々強くなっていきました。

決定的だったのは、新卒でコンサルに入社した大学の友人の話を聞いたときですね。その友人は今の私と同じ製造業向けのコンサルをやっているんですけど、年収が全然違うのはもちろん、任されている裁量であったりプロジェクトの規模感も含めて同じ社会人経験年数なのに、濃さが全然違ったんです。

劣等感とは違うんですけど、素直に「かっこいいな」、「羨ましいな」と思いました。ただ同時に、製造業向けコンサルの内容をざっくり聞いたときに、「ここは自分の方が得意かも!」や「この視点は現場を知らないと出てこないな」という部分があり、飲み会そっちのけで話が盛り上がりました。それで、友人からも「そういう現場知っている中途の人は欲しい人材だよね」と言われたことが、本気でチャレンジしようと思えたきっかけです。

「このままでいいのか」― 決断に至るまでの葛藤

コンサルという選択肢に、最初から自信はありましたか

いやいや、全然です。むしろ最初は「自分なんかが行ける世界じゃないだろ」って思ってました。

僕の中でコンサルって、なんかこう、超エリートが集まる場所っていうイメージがあって。東大とか海外MBAとか、論理的思考のバケモノみたいな人たちがバリバリやってる、っていう。自分は地方の工場で泥臭く調整してる人間なので、「畑が違いすぎる」と。

転機になったのは、さっき言った工場に来てたコンサルの人と、たまたま飲みに行く機会があったことですね。雑談の中で僕が現場の話をしたら、その人が「いや、Fさんみたいに現場のリアルがわかってる人、コンサル業界めちゃくちゃ欲しがってるよ」って言ってくれて。

これ、後でわかったことなんですけど、コンサルって意外と「事業会社で現場をやってた人」を採用したがるんですよ。特に製造業向けのコンサルだと、工場の実態を知らないまま机上の理論だけで提案しても、現場に「いや、それ無理っす」って跳ね返されちゃう。

だから、現場の感覚と論理の両方がわかる人が重宝される、と。その話を聞いて、「あれ、もしかして自分の6年間って、武器になるのかも」って初めて思えたんです。とはいえ、そこから実際に動き出すまでには、まだ半年くらいウジウジ悩んでましたけどね(笑)。

転職を決断するうえで、何が一番のハードルでしたか

正直に言うと、「安定を捨てること」への恐怖が一番デカかったです。

うちの会社、業界的にも全然潰れる気配ないですし、福利厚生も手厚くて、住宅手当とかも込みで考えると、額面以上に恵まれてたんですよね。社宅も格安で住めてたし。それを全部捨てて、激務って噂のコンサルに飛び込むって、冷静に考えるとけっこうな賭けじゃないですか。

しかも僕、その少し前に結婚してたんですよ。だから自分一人の問題じゃなくて。「もし転職して失敗したら、家族に迷惑かけるな」っていうプレッシャーが常にありました。コンサルって入ってから「Up or Out」、つまり昇進できなきゃ辞めなきゃいけない、みたいな厳しい世界っていうイメージもあったので、「ついていけなかったらどうしよう」って。

あとはシンプルに、未経験で29歳手前っていう年齢のことも気にしてました。第二新卒みたいに若くもないし、かといってマネジメント経験が豊富なベテランでもない。「中途半端な年齢で飛び込んで大丈夫か?」っていう不安は、最後までつきまといましたね。今思えば考えすぎだったんですけど、当時は本当に毎晩ぐるぐる悩んでました。

ご家族、特に奥様の反応はいかがでしたか

これがですね、意外なことに、妻は割と背中を押してくれたんですよ。

正直、結婚したばっかりだったし、「安定した会社にいてほしい」って言われると思ってたんです。だから恐る恐る相談したんですけど、妻からは「あなたが最近、仕事の話するときつまんなそうだったから、やりたいことやってほしい」って言われて。あれは地味に泣きそうになりました。

ただ、もちろん条件はあって。「激務になるのはわかるけど、休みの日くらいは家のこともちゃんとやってね」と。あと、「年収が一時的に下がってもいいけど、家計のことはちゃんと一緒に管理しよう」っていう、現実的な話もしっかりしました。うちは共働きだったので、その点は心理的にだいぶ助かりましたね。妻にも収入があるって、こういう挑戦をするときの安心材料として本当に大きいなと。

両親には、ぶっちゃけ事後報告に近かったです。特に父親が同じく製造業の人間だったので、「せっかく良い会社入ったのに」って言われるのが目に見えてて。実際、最初は微妙な反応でしたけど、今は「お前が決めたならいいんじゃないか」って感じで落ち着いてます。家族の理解って、転職活動のメンタル面でめちゃくちゃ支えになるので、ここは早めにちゃんと話しておいてよかったなと思ってます。

未経験からの挑戦 ― 転職活動のリアル

具体的に、どのように転職活動を進めていきましたか

最初の1〜2ヶ月は、とにかく情報収集から始めました。コンサル業界のことを何も知らなかったので。戦略系、総合系、IT系といろんな種類があるって、このとき初めてちゃんと理解しました。

僕が狙ったのは「日系の総合コンサル」で、その中でも製造業向け、いわゆるインダストリーチームってやつですね。理由はシンプルで、自分の経験が一番活きそうだったから。戦略系のファームも憧れはあったんですけど、いきなり超抽象的な経営戦略の世界に行くより、まずは自分の土俵で勝負したほうがいいかなと。背伸びしすぎないことも大事だなって、これは今でも思います。

働きながらの活動だったので、時間の確保は本当に苦労しました。生産管理って繁忙期は残業もそこそこあるので。平日の夜とか、土日にカフェにこもって、業界研究したり職務経歴書を書いたり。準備期間としては、本格的に動き出してから内定までトータルで5ヶ月くらいかかりましたね。

正直、もっと短く終わらせるつもりだったんですけど、最初に受けた数社が見事に書類で落ちまして(笑)。「あ、これ甘く見てたな」と。そこから戦略を立て直して、エージェントにもしっかり頼るようになってからは、わりとスムーズに進み始めた感じです。

転職活動の中で、最も苦労したのはどんな点でしたか

ダントツで「ケース面接」ですね。これはもう、本当にキツかったです。

ケース面接って、コンサル特有の面接で、「日本にコンビニは何店舗あるか」みたいなお題を出されて、その場で論理的に考えて答えを出す、っていうやつなんですよ。フェルミ推定とも言いますね。製造業の生産管理では、こんな思考の仕方、一度もしたことがなくて。最初に練習でやったときなんて、頭が真っ白になって、ぜんぶで5分くらい沈黙しちゃいました(笑)。

何が難しいって、答えそのものより「考えるプロセス」を見られてるんですよ。だから、思考を声に出して整理しながら、相手とコミュニケーションを取りつつ進めないといけない。僕、もともと頭の中で考えてから話すタイプだったので、これがめちゃくちゃ苦手で。

対策としては、市販のケース対策本を2〜3冊買って、ひたすら例題を解きました。あと、これが一番効いたんですけど、エージェントに模擬面接を何回もやってもらって。プロ相手に練習すると、自分のクセがよくわかるんですよ。「結論から話せてない」とか「数字の根拠が雑」とか。フィードバックをもらっては直して、をたぶん10回以上は繰り返しましたね。最終的には、なんとか面接官と会話のキャッチボールができるレベルまでは持っていけました。あの特訓期間がなかったら、絶対に受かってなかったと思います。

職務経歴書では、どのような点を工夫しましたか

ここはかなり戦略的にやりました。というのも、生産管理の仕事って、そのまま書いてもコンサルの人には伝わりにくいんですよ。

たとえば「生産計画を立案していました」って書いても、「で、それでどれだけの成果が出たの?」ってなる。コンサルは徹底的に「成果」と「数字」を見る世界なので。だから、自分のやってきたことを、全部「課題→打ち手→定量的な成果」っていう型に当てはめて書き直しました。

具体的には、さっき話した稼働率を改善した話とかを、「現場の作業プロセスにこういう課題があって、それを分析して、こう改善した結果、稼働率を数%向上させ、年間でこれくらいのコスト削減につながった」みたいに、ロジックと数字で語れるように整理したんです。これ、要はコンサルの提案資料と同じ構造なんですよね。

あとは、「現場を巻き込んで改善を進めた」っていう、関係者を動かす力みたいなものも意識的にアピールしました。コンサルって結局、最後はクライアントの現場の人に動いてもらわないと意味がないので。自分が泥臭く現場と調整してきた経験は、ここで効くなと思って。職務経歴書は、エージェントに3回くらい添削してもらって、だいぶ磨き込みました。自己流で書いてた最初のバージョンとは、もう別物でしたね。

エージェントの活用と、企業選びの決め手

転職エージェントからは、どのような支援を受けましたか

めちゃくちゃお世話になりました。正直、エージェントなしでは無理だったと思います。

僕が使ったのは、コンサル転職に強い特化型のエージェントでした。最初は大手の総合型エージェントにも登録してたんですけど、コンサル業界の細かい話になると、やっぱり特化型のほうが圧倒的に詳しくて。担当の方が元コンサルだったりするので、面接で何を見られるか、各ファームのカルチャーの違いとか、内部事情をかなり具体的に教えてもらえました。

一番ありがたかったのは、さっきも言った模擬面接ですね。ケース面接の対策を、本番さながらにやってくれて。あとは「このファームは現場経験者を評価する傾向がある」とか「面接官はこういうタイプの受け答えを嫌う」みたいな、生々しい情報をくれたのが大きかったです。

あと地味に助かったのが、スケジュール調整とか年収交渉の代行ですね。働きながらだと、複数社の面接日程を自分で管理するのって本当に大変なんですよ。そこを全部巻き取ってくれたので、僕は対策に集中できました。年収交渉も、自分じゃ言いにくいことを代わりに交渉してくれて。これは結果的に最終年収にもプラスに働きました。

ただ一つアドバイスすると、エージェントは合う・合わないがあるので、最初に2〜3社は登録して比較したほうがいいです。担当者との相性、けっこう大事なので。

複数の選択肢の中から、今の会社を選んだ決め手はなんでしたか

最終的に2社で迷ったんですけど、決め手は「自分の経験が一番活きて、かつ成長できそうか」っていう軸でした。

実はもう1社、もう少し年収が高いオファーをくれたファームもあったんです。でもそっちは製造業以外の案件も多くて、僕の経験とのフィットが微妙だなと。一方で今の会社は、製造業向けの案件がメインで、面接でもずっと「あなたの現場経験をこう活かしてほしい」って具体的に語ってくれたんですよね。「ここなら、自分の6年間を無駄にせず、その上に新しいスキルを積み上げられる」って思えたのが大きかったです。

あとは、面接で会った社員さんの雰囲気ですね。これ、けっこう侮れないなと思ってて。今の会社の人たちは、コンサルっていうわりに、いい意味で泥臭いというか、現場に寄り添うタイプの人が多くて。「あ、この人たちとなら一緒に働けそうだな」って直感的に思えたんです。

入社前に、不安だったことはありましたか

ありましたね、山ほど。

一番は、やっぱり「ついていけるかな」っていう純粋な実力不安です。周りはコンサル経験者とか、地頭のいい人ばっかりだろうから、自分だけ浮くんじゃないかと。パワーポイントもろくに使いこなせなかったし、エクセルも生産管理で使う程度のレベルだったので。

あとは働き方ですね。「コンサル=終電・徹夜・休日出勤」みたいなイメージがあったので、結婚生活と両立できるのかって、入社直前までずっと心配してました。実際、妻にも「最初の半年は迷惑かけるかも」って前もって謝っておきました。

でも、いざ入ってみたら、思ってたよりは大丈夫だったというか。もちろん忙しい時期はありますけど、最近のコンサル業界って働き方改革がけっこう進んでて、昔ほどの“地獄”ではなかったんです。このへんは、入る前のイメージと実際のギャップがいい方向にあった部分ですね。不安は不安として持ちつつも、「やってみないとわからない」って割り切って飛び込んだのが、結果的には正解でした。

コンサルに飛び込んでみて ― 今の働き方と本音

実際に入社して、よかったと感じることを教えてください

たくさんあるんですけど、一番は「見える世界が一気に広がった」ことですね。

前職だと、僕が話す相手って、せいぜい工場長クラスまでだったんですよ。でも今は、クライアントの役員とか、下手したら社長と直接議論する場面もあって。経営の目線で「会社全体をどうするか」を考える経験って、事業会社の20代じゃなかなかできない。最初は緊張でガチガチでしたけど、これは本当に圧倒的な成長機会だなと感じてます。

あと、これは意外だったんですけど、自分の現場経験が想像以上に評価されるんですよ。プロジェクトで工場の改善案を考えるときに、僕が「いや、現場的にはこれは無理ですよ、こういう抵抗が出ます」って言うと、チームの人が「そういうの知れるの助かる」って。机上の空論にならないストッパー役というか。前職の6年間が、ちゃんと武器になってるなって実感できる瞬間は、純粋に嬉しいです。

逆に、今苦労していることはありますか

正直に言いますね、めちゃくちゃあります。

一番苦労してるのは、「アウトプットのスピードと質」です。コンサルって、限られた時間で、めちゃくちゃクオリティの高い資料や分析を出さなきゃいけない。最初の頃は、先輩が30分で作る資料に、僕は3時間かかってました。しかもダメ出しされまくって。「ここの論理が飛んでる」「この数字の根拠は?」って、毎日詰められて。最初の3ヶ月くらいは、ぶっちゃけ「辞めようかな」って思った日もありました。

特にパワーポイントの作成、いわゆる「スライド作成」は本当に苦労しましたね。コンサルの資料って、メッセージの伝え方に独特の型があって。それを体に叩き込むのに半年はかかりました。今でも完璧じゃないですけど、最初に比べたら見違えるくらいは速くなりました。

あとはキャッチアップの量がとにかく多い。プロジェクトごとに業界も課題も変わるので、毎回ゼロから猛勉強です。新しい案件にアサイン、つまり配属されるたびに、関連する本を週末に何冊も読み込んだり。学び続けないと置いていかれる世界なので、知的体力みたいなものはずっと試されてますね。ただ、これも裏を返せば、常に成長させられる環境ってことなので。しんどいけど、嫌いじゃないです、この感じ。

製造業時代の経験で、今に活きているものはありますか

これはもう、間違いなく「現場感覚」ですね。さっきもちょっと言いましたけど。

製造業向けのコンサルって、結局は工場とか生産現場の改善が大きなテーマになることが多いんです。そのときに、現場で何が起きてるか、現場の人がどういう論理で動いてるかを、肌感覚でわかってるのは本当に強い。理論だけ振りかざすコンサルって、現場の人にすぐ見抜かれて、信頼してもらえないんですよ。でも僕は「あ、この人わかってるな」って思ってもらいやすい。これは6年間現場で泥をかぶってきたからこその武器だなと。

あとは、地味ですけど「関係者を巻き込んで物事を進める力」ですね。生産管理って、設計とも調達とも現場とも、いろんな部署と調整しながら仕事を進めるんです。みんな利害が違うので、間に立って調整するのが日常。この経験が、コンサルでクライアントの社内を巻き込んでプロジェクトを動かすときに、めちゃくちゃ効いてます。

だから、製造業出身の方には声を大にして言いたいんですけど、「自分の経験なんてコンサルじゃ通用しない」なんて思わなくていいです。むしろ、その現場経験こそが差別化になる。僕みたいに論理的思考が最初は苦手でも、現場の強みを活かせば、十分に戦えますよ。

これからのキャリアと、転職を考えるあなたへ

今後のキャリア展望を教えてください

直近の目標は、まずマネージャーに昇進することですね。今はチームの一員として動いてますけど、ゆくゆくはプロジェクト全体を引っ張って、クライアントと向き合う立場になりたいなと。そのためには、あと2〜3年で、専門性をもっと尖らせる必要があると思ってます。

中長期だと、実はまだ迷ってるんですよ(笑)。一つは、このままコンサルでパートナーを目指す道。もう一つは、ある程度コンサルでスキルと視野を広げた後に、事業会社に戻って、今度は経営に近いポジションで実際に手を動かす道。製造業のDX、要はデジタル技術でものづくりを変えていく領域に、すごく興味があって。スマートファクトリーとか、そういうテーマで事業会社の変革をリードできたら面白いなと。

おもしろいのが、転職する前は「コンサルがゴール」みたいに思ってたんですけど、入ってみたら「コンサルは通過点でもアリだな」って考えが変わったことですね。視野が広がったぶん、選択肢も増えた感じです。

正直、5年後にどうなってるかは自分でもわからないです。でも、前職にいたときみたいに「先が見えすぎてる」状態ではなくて、「どうにでもなれる」っていうワクワクがある。この感覚が持てるようになっただけでも、転職してよかったなって心から思います。

同じように製造業から転職を考える人へ、アドバイスはありますか

うーん、いくつかあるんですけど、まず一番伝えたいのは、「自分の経験を安売りするな」ってことですね。

製造業の人って、わりと謙虚な人が多くて、「自分の経験なんて狭い世界の話だし」って卑下しがちなんですよ。でも、現場を知ってる人材って、外の世界からするとめちゃくちゃ価値があるんです。だから、まずは自分の市場価値を客観的に知るためにも、エージェントに一回相談してみるのをおすすめします。動くかどうかは、それから決めればいいので。

実践的な話だと、もしコンサルを狙うなら、ケース面接の対策は早めに始めたほうがいいです。あれは才能じゃなくて、完全に「慣れ」なので。本を読んで、誰かと練習を繰り返せば、誰でもある程度はできるようになります。あと、職務経歴書は絶対に「数字」で語れるように整理してください。「頑張りました」じゃなくて「何%改善しました」って書けるかどうかで、書類の通過率が全然違います。

期間でいうと、働きながらなら半年くらいは見ておくといいと思います。焦って決めると後悔するので。あと、家族がいる人は、早めにちゃんと相談すること。これは本当に大事です。一人で抱え込むと、メンタルがやられるので(笑)。

最後に、もし転職前の自分にアドバイスするなら、何と声をかけますか

そうですね、「そんなにビビらなくて大丈夫だよ」って言ってあげたいです。

あの頃の自分、本当に毎晩のように「失敗したらどうしよう」って悩んでて。安定を手放すのが怖くて、半年以上も動けずにいたんですよね。でも、いざ飛び込んでみたら、確かに大変だけど、世界が終わるようなことなんて一つもなかった。むしろ「もっと早く動けばよかった」って思ったくらいで。

もちろん、転職は誰にでも勧められるものじゃないし、合う・合わないもあると思います。今の場所で頑張るのも、立派な選択ですしね。でも、もし少しでも「このままでいいのかな」ってモヤモヤしてるなら、その気持ちには蓋をしないほうがいいです。動いてダメだったら戻ればいいだけだし、情報を集めるだけならノーリスクですから。

あと、これは自分にも言い聞かせたいんですけど、「完璧な準備が整うタイミングなんて、永遠に来ない」んですよ。タイミングを待ってると、ずっと動けない。だから、ある程度準備したら、最後はえいやって飛び込む勇気も必要だなって。

転職を考えてる人に伝えたいのは、不安なのはみんな一緒だってことです。僕みたいな普通の製造業のサラリーマンでも、ちゃんと準備すれば道は開けます。だから、自分の可能性を信じて、一歩踏み出してみてほしいなと思います。応援してます。

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