【転職体験談】大手コンサルから日系ベンチャーへ転職した32歳男性の本音

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有名国立大の大学院(工学部)を出て、新卒で外資系の総合コンサルティングファームへ。ITコンサルタントとして大規模なシステム導入プロジェクトを6年以上走り抜けてきたSさん(32歳)。順調にキャリアを積み、待遇にも不満はなかった彼は、製造業のDXを手がけるテック系スタートアップの「事業企画」というポジションへ飛び込みました。

なぜ世間的には“勝ち組”とも言われる大手コンサルの看板を手放したのか。転職活動でぶつかった壁、年収の変化、そして今だから言える本音などこれからキャリアを動かそうとしている人にこそ届けたい、リアルな体験談を聞きました。

インタビュー対象者
  • お名前:Sさん(男性) ※仮名
  • 年齢:32歳
  • 学歴:有名国立大卒院卒(工学部)
  • 職歴:外資系総合コンサルティング会社(ITコンサルタント)→日系ベンチャー(事業企画)
目次

これまでのキャリアと「コンサル」という選択

まずは、これまでのご経歴を簡単に教えてください

理系の大学院を出て、新卒でいわゆる外資系の総合コンサルティングファームに入りました。最初に配属されたのはITコンサルの部門で、ざっくり言うと「企業の基幹システムを入れ替えたり、新しく作ったりするのを丸ごと支援する」仕事ですね。

最初の数年は、大手メーカーさんの在庫とか会計とか、会社の根っこの業務を一つにまとめる基幹システム導入プロジェクトにずっと張り付いていました。プロジェクトの規模で言うと、関わるメンバーが100人を超えるようなものもあって、自分はそのなかの一機能のリーダーをやらせてもらったりしました。

20代後半でマネージャーの一歩手前まで上がって、正直自分でも「わりと順調に来たな」とは思っていました。ただ、その「順調さ」がだんだん引っかかるようになってきたんですよね。そこが転職の入り口になりました。

工学部の大学院からなぜコンサルティング業界を選んだんですか

正直、最初はそんなに高尚な理由じゃなかったです。研究はそれなりに楽しかったんですけど、「このまま一つの技術を突き詰める研究者人生か?」って考えたときに、ちょっと違うなと思いました。もっといろんな業界とか、ビジネスの全体像が見える場所に行きたいと考えていました。

あとは、就活してたタイミングがちょうどコンサルが採用を一気に増やしていた時期で、注目されていたんですよ。給料も同年代よりかなり良かったし、「とりあえず力がつきそうだし、ここで揉まれてみるか」くらいのノリで決めました。

ただ、入ってみてからは「選んでよかった」と心から思いましたね。理系の論理的に物事を組み立てる癖が、コンサルの仕事とめちゃくちゃ相性が良かったです。最初の3年くらいは、もう吸収するのが楽しくて仕方なかったです。

実際に入ってみてコンサルの仕事はどうでしたか

最初はカルチャーショックの連続でしたね。とにかくアウトプットのスピードと質の基準が高い。「明日の朝までにこの資料の論点整理しといて」みたいなのが普通に飛んでくるし、先輩が作る資料を見ると、同じ情報でも見せ方が全然違って「うわ、レベルが違う」って毎日打ちのめされてました。

きつかったかと聞かれると、まあ、きつかったです(笑)。でも不思議と「辞めたい」とは思わなかったんですよ。資料の作り方、クライアントとの話し方、論点の立て方などできることがどんどん増えていく感覚があって、それが何よりのモチベーションでした。

最近は働き方もだいぶ健全になってきていて、僕が辞める頃には深夜まで残るなんてほぼなくなってました。だから「ブラックで耐えられなくて辞めた」みたいな話では全然ないんです。むしろ環境としては恵まれていたと思います。

やりがいを感じた瞬間ってどんなときでしたか

一番覚えているのは、3年目くらいに担当した製造業のクライアントのプロジェクトです。古い仕組みで現場がすごく非効率な作業を強いられていて、それを新しいシステムで一気に変えた。稼働日に現場の方が「これ、めちゃくちゃ楽になりました」って笑顔で言ってくれたんですよ。あの瞬間は、徹夜続きだった疲れが全部吹っ飛びました。

その「ありがとう」って、結局クライアントの社員さんが現場で使い続けて、初めて本当の価値になるじゃないですか。僕らコンサルは仕組みを作って渡したら、基本的にはプロジェクト終了でその場を去る。「ここから先、どうなっていくんだろう」っていうのを最後まで見届けられないのが、正直ちょっとずつ寂しくなっていったんですよね。このモヤモヤが、のちのち転職を考える大きな種になりました。

「このままでいいのか」転職を考えはじめたきっかけ

転職を考えはじめたきっかけは何だったんですか

決定的な一個の事件があったというより、じわじわ来た感じですね。先ほどお話した「作って渡して終わり」のモヤモヤや年次が上がってくると、自分が手を動かすより、後輩のマネジメントとか、次の案件を取ってくる動きの比重がどんどん増えてきて、「あれ、自分は何のプロになろうとしてるんだっけ?」って思ったんですよね。コンサルって、汎用的なスキルは身につくんですけど、裏返すと「これが自分の事業だ」って胸を張れるものが手元に残りにくい。30歳を過ぎたあたりで、その感覚がすごく強くなりました。

あとはシンプルに、いろんな会社の「中の人」を外から見続けるうちに、「自分も“中の人”として、一つの事業をゼロから育てる側に回ってみたい」って思うようになったんです。提案書のなかの絵じゃなくて、実物を作りたくなりました。

待遇に不満があったわけではないですよね

ないですね。ここは本当に正直に言っておきたいんですけど、給料は同年代のなかでは間違いなく高い方だったし、評価もちゃんともらえていました。「待遇が不満で辞めた」というストーリーだったら、たぶんこんなに悩まなかったと思うんですよ。

逆に言うと、不満がないからこそ動きにくかったんですよね。周りからは「なんでわざわざ辞めるの?」って何回も言われましたし、自分でも「この居心地の良さを捨てるのは正気か?」って思う瞬間が何度もありました。

たぶん、多くの人が転職で一番悩むのってここだと思うんです。「今がそこそこ悪くない」状態からの一歩が、一番重いと思います。不満があって逃げるように辞めるより、満たされてるところから攻めの転職をする方が、よっぽどエネルギーがいりました。

「事業会社側に行きたい」と思った決定的な瞬間はありましたか

一個あげるなら、あるクライアントの事業企画の担当者と仕事をしたときですね。その人、僕らが出した提案に対して「いや、それは現場のオペレーションが回らないからこう変えたい」って、すごく解像度の高い意見をもらいました。

そのとき、「外から正論を言う自分」と「泥臭く現場を背負ってる相手」の間に、明確な差があるなって、少し悔しかったんです。僕がやってるのは、あくまで“その人を支援する”仕事で、決定権も結果の責任も最後はクライアントが背負うことになります。あの人みたいに、自分の意思で事業を動かして、結果も丸ごと引き受ける側に立ちたいなって、はっきり思いました。

それまでぼんやりしていた「事業会社に行きたい」が、その日を境に「事業を“企画して動かす”側に行きたい」っていう、もう一段具体的な形になった感じです。

大手の看板を手放すことに不安はなかったですか?

ありましたね。これは強がりなしで本音です。

一番怖かったのは、「コンサルの外で、自分はどれだけ通用するんだろう」っていう不安ですね。コンサルって、「あの会社の人が言うなら」って信頼してもらえる場面が実は多くて、看板の力もかなり大きいんですよ。その看板を外したとき、何ができるのか、正直自信がなかったです。

あとは、スタートアップって聞くと「倒れたらどうしよう」みたいな漠然とした不安もありました。安定した大手から、規模も全然違う会社に移るわけなので。

ただ、「お前が怖いのは、失敗することじゃなくて、“何も挑戦しなかった40歳の自分”を想像することだろ」って先輩に指摘されて吹っ切れたんです。図星すぎて笑っちゃいました。不安はゼロにはならなかったけど、「動かない後悔の方がデカい」と腹をくくれたのが大きかったですね。

転職活動のリアル ── 苦労と気づき

転職活動でいちばん苦労したのはどんな点でしたか

「自分の強みを、事業会社の言葉に翻訳すること」が一番苦労しました。

コンサル界隈だと「あのファームでマネージャー手前まで行った」と言えば、だいたい何ができる人か伝わるんですよ。でも事業会社、特にスタートアップの面接だと、それだけじゃ全然刺さらなかったです。「で、あなたは何を一人で完遂できるの?」「数字に責任持ったことある?」って、めちゃくちゃ実務ベースで聞かれるんです。

最初の頃の面接、これで何社か落ちました(笑)。プロジェクトの規模感とか、関わった人数とか、コンサル的な“すごさ”をアピールしても、相手の反応が薄いかったです。あるとき面接官に「それ、あなた個人としては具体的に何をやったんですか?」ってストレートに聞かれて、ハッとしたんです。

そこから、「チームでやったこと」じゃなくて「自分が手を動かして出した結果」に話を寄せるようにしたら、急に手応えが変わりました。職務経歴書も全部書き直しましたね。転職活動の前半は、ほぼ“自己分析のやり直し期間”でした。

コンサルのスキルって事業会社で通用するものなんでしょうか

結論から言うと、通用します。ただし「そのままの形」じゃない、というのが正直なところです。

たとえば、課題を構造的に整理する力とか、限られた情報から仮説を立てて検証する“地頭系”のスキルは、どこに行っても確実に武器になります。実際、今の仕事でも一番役立ってるのはこの辺です。複雑な状況を前にしても「で、論点はこの3つだよね」って整理できるのは、完全にコンサルで鍛えられたおかげです。

一方で、「きれいな資料を作る」「正しい打ち手を提案する」だけだと、事業会社では半人前なんですよ。提案して終わりじゃなくて、それを自分で実行して、巻き込んで、数字を出すところまでやり切らないといけないです。この“実行までやり切る筋肉”は、コンサルだと意外と鍛えられてなかったなと、入ってから痛感しました。

だから「コンサルスキルは通用するけど、それだけじゃ足りない」。これから事業側を目指す人には、ここはちゃんと伝えておきたいです。

エージェントからはどんな支援を受けましたか

僕の場合、大手の総合型エージェントを1社と、もう少し専門特化型のエージェントを1社、両方使いました。結果的に、決め手の求人を持ってきてくれたのは特化型の方でしたね。

総合型の良さは、とにかく求人の数と、業界全体の相場観を教えてくれることでした。「あなたの経歴なら、事業会社の事業企画でこのくらいのレンジが狙えますよ」って、年収の現実的なラインを早い段階で示してくれたのは助かりました。

特化型の方は、もっと踏み込んでくれました。僕が「コンサルから事業側に行きたい、でも自分の強みの伝え方がわからない」って相談したら、職務経歴書を一緒に作り直してくれたんです。「この実績は、こう書くとスタートアップに刺さりますよ」って、相手目線での翻訳をすごく丁寧にやってくれた。

正直、エージェントは“求人を紹介してくれる人”くらいに思ってたんですけど、いい担当者に当たると“伴走者”になってくれるんだなと実感しました。

面接で印象に残っていることはありますか

今の会社の最終面接で、役員の方に「うちに来て、何を成し遂げたいの?」ってシンプルに聞かれたのが忘れられないですね。

それまでの面接は、わりとスキルの確認とか経歴の深掘りが中心だったんですけど、その質問だけは完全に“熱量”を見られてる感じがしました。取り繕った優等生の答えじゃダメだなと思って、「外から仕組みを提案する側じゃなくて、自分の手で事業を育てて、現場の人に本当に喜んでもらいたいんです」って、自分の言葉で正直に話しました。

そしたらその役員が「うん、そういう人に来てほしい」って。スキルや経歴って、ある程度のラインを超えたら、最後は“この人と一緒に働きたいか”で決まるんだなって、そのとき思いました。

逆に言うと、自分が本当にやりたいことを言葉にできてないと、ここで詰まります。面接対策って、想定問答を暗記することじゃなくて、「自分はなぜ動くのか」を自分のなかで腹落ちさせておくことなんだなと、応募者みんなに伝えたいです。

働きながらの転職活動時間のやりくりはどうしてましたか

これが地味に一番きつかったかもしれないです。プロジェクトが佳境のときに転職活動も重なって、もう本当に余裕がなかったです。

僕がやってたのは、とにかく「平日夜と土日に面接を寄せる」ことです。今はオンライン面接が主流なので、昼休みにサッと1次面接、みたいなのもできて、これは本当に時代に救われました。あと、企業研究とか職務経歴書のブラッシュアップは、通勤電車のなかとか細切れの時間に少しずつ進めてました。

正直、活動期間はトータルで4ヶ月くらいです。だらだらやると本業にも支障が出るし、気持ちも保たないので、「この期間で決める」ってある程度区切ったのは良かったと思います。応募する企業も、最初は手広く受けてましたけど、途中から「ここは本気で行きたい」って思える数社に絞りました。

転職活動って体力勝負なところもあるので、無理に同時並行で何十社も受けるより、自分のキャパに合わせて進める方が、結果的にいい意思決定ができる気がします。

数あるなかでなぜ今の会社を選んだのか

最終的に今の会社を選んだ決め手は何でしたか

一番は、会社が掲げているミッションに、自分が心から共感できたことですね。

今いるのは、製造業——いわゆる“ものづくり”の領域を、テクノロジーで変えていこうとしているスタートアップなんです。日本の製造業って、技術力はめちゃくちゃ高いのに、いまだにアナログな商習慣とか非効率がたくさん残ってる。そこを変えていくっていうビジョンが、自分の工学部出身というバックグラウンドともすごく繋がって、「これは自分がやる意味がある」って思えたんですよ。

実は他にも、もう少し待遇のいい事業会社からもオファーをもらってました。どの企業も魅力的でしたが、最終面接で会った人たちの熱量とか、事業に対する本気度が、今の会社が頭一つ抜けてたんです。

あとは正直、「ここなら、まだ会社が小さいぶん、自分の裁量で動ける範囲がデカそうだ」っていう打算もありました。完成された組織の歯車になるより、自分がいることで会社が前に進む感覚を味わいたかったので、その意味で、迷いはなかったですね。

周囲の反応はどうでしたか

会社の同僚や先輩は、意外と前向きに送り出してくれましたね。「お前ならどこ行ってもやれるよ」って。コンサルって、わりと出入りが激しい業界で、卒業して事業会社に行く人も多いので、転職に対する偏見みたいなものがそもそも薄いんです。

一番背中を押してくれたのは、さっき話した「動かない後悔の方がデカい」って言ってくれた先輩でした。周りに、自分の挑戦をちゃんと面白がってくれる人がいるかどうかって、けっこう大事だなと思います。

入社後のギャップと手に入れたもの

実際に入社してみて、ギャップはありましたか

いい意味でも悪い意味でもありましたね。

悪い方というか、覚悟が足りてなかったのは「とにかく何も決まってない」ことです。コンサル時代は、案件が始まる時点でゴールも進め方もある程度フレームが決まってたんですけど、スタートアップの事業企画って、「そもそも何をやるべきか」から自分で考えないといけない。最初の数ヶ月は「で、僕は今日何をすればいいんだ?」って正直途方に暮れました。指示を待ってる人間は、ここでは何もできないんだなと痛感しましたね。

いい意味でのギャップは、スピード感です。コンサルだと、何か変えるのに何ヶ月もかけて承認を取るプロセスがあったんですけど、今は「これやろう」って決めたら翌日には動き出すことができます。最初は戸惑ったけど、これに慣れたら、もう前のスピード感には戻れないなって思います。

入って「よかった」と思えるのはどんなときですか

自分が考えて動かした施策が、ダイレクトに数字に跳ね返ってきたときですね。これはコンサル時代には味わえなかった感覚です。

入社して半年くらいで、社内オペレーションの改善プロジェクトを任せてもらったんです。自分で現場にヒアリングして、課題を整理して、施策を打って、効果を測って…っていうのを全部一人で回しました。結果的に、対応にかかる時間を3割くらい短縮できたんですよ。

その数字が出たとき、「あ、これ全部、自分の意思決定の結果なんだ」って思って、めちゃくちゃ嬉しかったですね。提案書のなかの理論値じゃなくて、現実に動いた数字。あの感覚は、事業側に来なきゃ絶対に得られなかったと思います。

あとは単純に、現場の人たちと一緒に「自分たちの会社」を良くしていく一体感がありました。外部の支援者じゃなくて、内側の当事者になれました。これがやっぱり、来てよかったと一番思える部分です。

逆に今いちばん苦労していることは何ですか

「リソースが圧倒的に足りない」ことですね。これは大手から来た人がほぼ全員ぶつかる壁だと思います。

コンサル時代は、調べ物をするにも専門のリサーチチームがいたり、資料作りを手伝ってくれる人がいたり、ある程度“分業”ができてたんです。でも今は、自分のやりたいことは基本的に全部自分でやる。戦略を考える人も、手を動かす人も、全部自分です。最初は「えっ、これも自分でやるの?」の連続でした。

あとは、決まったやり方がないぶん、自分で正解を探りながら進める苦しさもあります。誰も答えを持ってないから、間違えることも普通にあります。コンサル時代は「正しい答えを出すこと」が価値だったのに、今は「とりあえずやってみて、間違ったら直す」が当たり前でした。このマインドの切り替えは、正直まだ完全にはできてないかもしれないです。

でも、この“何でも屋”をやってる経験が、たぶん一番自分を成長させてくれてる実感もあります。苦労はしてるけど、後悔は全然ないですね。

コンサル時代の経験でいちばん活きているものは何ですか

「混沌とした状況を、構造化して言語化する力」です。これは本当にコンサルに感謝してます。

スタートアップって、さっきも言ったように何も決まってないカオスな状態が日常なんですよ。情報も断片的だし、いろんな人がいろんなことを言います。そういうときに、「今ある情報を整理すると、論点はこの3つ。優先すべきはこれで、理由はこうです」って交通整理できると、一気に物事が前に進むんです。

この“地頭の使い方”は、もう完全に体に染み込んでて。会議で議論が発散したときに、ホワイトボードの前で構造を描いて見せると、みんな「あ、そういうことか」ってなります。これができるだけで、若くても周りから頼られるようになりました。

あとは、クライアント相手に鍛えられた「相手の立場で物事を考える力」も活きてます。社内の他部署を巻き込むときって、結局“社内営業”みたいな側面があるので、相手が何を気にしてるかを先回りして考える癖は、役立ってますね。コンサルの経験は、形を変えてちゃんと自分の財産になってると感じます。

これからのキャリアと転職を考える人へ

今後のキャリア展望を教えてください

直近で言うと、まずは今任されている事業領域で、ちゃんと結果を出すことですね。もう少し長い目で見ると、ゆくゆくは一つの事業を丸ごと任される“事業責任者”みたいなポジションを目指したいです。今は事業の一部を担っている状態なんですけど、いずれはその事業の売上も利益も全部背負って、経営に近いところで意思決定をする側に立ちたいと思っています。

正直、コンサルにいた頃は「将来こうなりたい」っていう像がぼんやりしてたんですよ。でも事業側に来てから、「自分の手で事業を立ち上げて、大きくする」っていう、すごく具体的なゴールが見えるようになりました。それだけでも、転職した価値はあったなと思ってます。

最終的には、自分で何か事業を起こすことにも興味があります。今はそのための修行期間、くらいの気持ちでいますね。

同じようにコンサルから事業会社への転職を考える人にアドバイスはありますか

一番伝えたいのは、「コンサルのスキルを過信しすぎず、でも卑下もしすぎないで」ってことですね。

さっきも話したように、課題整理力とか論理的思考力は、事業会社でも間違いなく武器になります。だから自信は持っていい。ただ、「提案するだけ」「正解を出すだけ」のマインドのままだと、確実に壁にぶつかります。事業会社で求められるのは“実行して結果を出すこと”なので、そこの覚悟だけは持って飛び込んでほしいです。

あと実務的なTipsで言うと、職務経歴書は「自分が個人として何をやって、どんな結果を出したか」を主語にして書き直すことが重要です。これだけで通過率がかなり変わると思います。

それと、エージェントは“求人紹介マシン”じゃなくて“伴走者”として使い倒すことも重要です。特に事業側への転職は、コンサル経験の「翻訳」が必要なので、その業界に詳しい担当者を見つけられるかが結構効きます。合わないなと思ったら、遠慮なく担当を変えてもらうのもアリです。

もし転職前の自分にひとつだけアドバイスするなら?

「そんなにビビらなくて大丈夫だよ」って言ってあげたいですね。

転職を決める前って、「失敗したらどうしよう」「年収下がって後悔しないかな」って、頭のなかでネガティブなシミュレーションばっかりしてたんですよ。でも、実際に飛び込んでみたら、想像してたほど怖いことは何も起きなかった。むしろ、「もっと早く動いてもよかったな」って思ってるくらいです。

もちろん、苦労はあります。リソースは足りないし、正解は誰も教えてくれない。でも、それも全部ひっくるめて「自分で選んだ道」だと思えると、不思議と前向きにやれるんですよね。受け身でやらされる苦労と、自分で選んだ苦労って、しんどさの質が全然違います。

だから、もし今「動こうかどうか」で迷ってる人がいたらその違和感は無視しない方がいいと思います。今が悪くないからこそ動けないっていうのが一番もったいない。

最後は結局、自分がどっちの後悔を選ぶか、なんですよね。挑戦して失敗する後悔か、挑戦しなかった後悔か。僕は前者を選んで、今のところ全然後悔してないです。迷ってるあなたの背中を、ちょっとでも押せたら嬉しいです。

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