【企業インタビュー】金融と公共の未踏領域を切り拓く──LTSが社会課題に「種」から挑む理由

株式会社エル・ティー・エス(LTS)は、「可能性を解き放つ」をミッションに掲げる東証プライム上場のコンサルティングファームです。企業や官公庁の現場に入り込み、戦略の策定から実行までを一貫して支援する「変革の実行パートナー」として、コンサルティングの枠を超えたサービスを提供しています。
同社は現在、金融・公共領域を新たな成長の柱として本格的に立ち上げるフェーズにあります。今回は、外資系戦略ファームの他、デジタル庁や国内大手SIer、政府系金融機関など官民双方での豊富な経験を持ち、金融・公共部門を率いる神瀬(こうのせ)様に、組織の展望や求める人物像について伺いました。
株式会社エル・ティー・エス
Digital事業本部
執行役員 パートナー
国内大手SIer、外資系戦略・総合系コンサルティングファーム、政府系金融機関等を経てデジタル庁に参画。デジタル庁における決済・送金関連の担務群を管掌するかたわら、G7における日本担当者として決済分野における諸外国との調整や折衝なども担当。
コンサルタントとしては、外資戦略系ファーム等にて金融および公共セクターにおける新規事業企画、システム企画等、戦略から組織・ITに至るまでのDX全般の豊富な経験を有する。特に決済領域では、B2B、B2Cを問わず決済プラットフォーム企画や決済データ利活用ビジネスの事業化支援等を推進し、講演やメンタリング等を多数実施。決済関連標準の策定にも国内委員として参画。2024年7月にLTSへ参画し、金融・公共部門の立ち上げと拡大を指揮している。
※掲載内容は2026年3月時点
お客様と長期的な関係を築きながら仕事ができる環境を求めLTSに入社
神瀬様のご経歴を簡単にお伺いしてもよろしいですか。
金融×ITを軸に、SE・コンサルティング会社・事業会社・官公庁とさまざまなフィールドを経験してきました。
新卒では日立製作所に入社し、メガバンクの勘定系システムなどを担当するSE・PMとして働いていました。その後、社内で企画部門に異動したことをきっかけにコンサルタントとの接点が生まれ、好奇心や憧れもあってコンサルティング業界に飛び込みました。
コンサルタントとしては、IT領域の知見を活かして金融機関を支援する仕事を続けていました。しかし、金融機関での業務経験がないまま金融のコンサルティングを続けることに違和感を覚え、農林中央金庫に転職し、事業会社側でイノベーション推進にも携わりました。その経験を持ち帰る形で再びコンサルティング業界に戻り、決済領域の専門性を深めながらチームを率いる立場になりました。
その後、デジタル庁から声がかかり、行政決済に関する法令整備やプラットフォーム構築などを管掌してきました。専門としていた決済の知見を行政において発揮する機会に恵まれたことで、自らの専門性に新機軸を設けることができました。しかし、省庁は徹底した発注機関でもあり、収益の概念がありません。そのため、そこに身を置く中で民間企業の視点が徐々に失われていく感覚があったことや、再び民間企業で働きたいという想いもあり、自分に合うコンサルティングファームを探した結果、LTSにたどり着きました。
LTSに入社しようと思った決め手や、入社前に感じた魅力はどのような点にあったのですか。
一番の決め手はお客様と長期的な関係を築きながら仕事ができるカルチャーがあった点です。
それまでのファームにおけるコンサルティングでは、予算の大きいお客様を短期間で次々と回り、予算と人員が中心にあるような働き方でした。ですが、これからのコンサルタントとしての在り方を考えた時に、もう少し腰を据えて、たとえ短期的なリターンが小さくても、お客様の成長に本当に貢献できるプロジェクトに長期的な目線で取り組みたいと考えるようになりました。
この価値観の変化は、デジタル庁での経験が大きく影響しています。行政官や様々なバックグラウンドを持つ方々と出会い、国の視点や公共性に関する深い理解を得たことが、考えを「よりよい社会のためにコンサルティングをする」とアップデートしました。そうした新しい軸でLTSを見た時、強いカルチャーフィットを感じました。
金融と公共、変化する市場に「LTSだからこそ」挑める理由
管掌されている組織の概要について簡単にご説明いただけますでしょうか。
金融と公共という2つの領域を担当しています。以前は「規制産業」という一つの括りでまとめて組織運営していましたが、2026年1月からそれぞれ独立した組織に分けました。他のファームで言うところの、金融部門と公共部門の両方を管掌している形です。ただ、そのアプローチにおいて他社とは異なる工夫をしています。
今回の組織再編の背景やそれぞれの市場の見立てについてぜひお伺いできますでしょうか。
金融・公共ともに、従来とは異なる新しい領域が広がってきており、後発の我々にもチャンスが生まれているというのが基本的な見立てです。
金融については、約10年前にフィンテックという言葉が登場し、社会やテクノロジーの変化にも後押しされて新たな金融サービスが多く生まれました。これによって金融サービスのデジタル化が進んだだけでなく、金融機関自身にとっても内的な影響を与えました。例えば組織特性やカルチャーも少なからず変化し、オープンイノベーションに取り組む金融機関も増えました。このような変化の中、金融コンサルの世界にも伝統的な金融案件に加えて、ユニークな案件が生まれるようになりました。
金融機関は信用や堅確性が事業の根幹にありますが、新たに生まれた案件の中には比較的それらの制約が少ないものも増えつつありますから、こういった案件を最初のターゲットとしつつ、徐々に王道の金融案件に踏み込んでいくシナリオを描いています。
公共については、従来は数十億・数百億規模の大型システム案件が中心で、我々のような規模の組織には参入しにくい領域でした。しかし最近は、私がいたデジタル庁でもそうでしたが、大企業だけが応札できる環境を見直して調達の小口化を進めるような動きが強まっています。
調査案件や実証実験など、比較的取り組みやすい案件が増えてきたので、そこから取り組むという堅実なシナリオを考えています。こうしたそれぞれのシナリオを機動的に進めるために、部門を分けた運営としました。

今後の展開として、組織をどのように拡大していきたいかぜひお伺いできますか。
社内の仲間づくりと、外部からの専門人材の採用の両面で進めています。
社内向けには、「金融は怖い」「公共は堅い」という先入観を和らげつつ、挑戦しやすい案件もあるということを紹介しながら地道な発信を続けることで、仲間を増やしています。この際、決して簡単な業界ではないという点も誤解なく伝えていますが、ここで経験を積めば確実に成長できるということも強調しています。
外部に対しては、金融や決済の経験者はもちろん、技術や知見をお持ちの方を幅広く迎え入れたいと考えています。公共分野では、スキルよりも「社会課題を解決したい」という使命感を持っている方が合うと感じています。
市場全体の動きとして、金融ではユーザー体験を重視したサービスや、一見すると金融とは関係なさそうなサービスまで手がける金融機関が増えています。システムや業務、法規制の面から金融の基本を理解しつつ、そうした周辺の新領域に取り組むクライアントをご支援していきたいと考えています。公共では行政DX関連の案件が非常に増えており、チャンスの総量が増加してきている印象です。
短期的な数字に追われることなく社会課題の「種」から向き合う文化
御社で経験できる仕事の魅力や他社と異なる点はどのような点にあると思いますか。
極端に短期的な数字を追わない環境で、じっくりとお客様に向き合えることが最大の魅力です。
これは特に公共分野でのアプローチに顕著に表れています。省庁や自治体のシステム案件に参画するだけでなく、自治体の職員の方と一緒になって課題に直接向き合い、解決策を一緒に考えていきつつ、職員の方へのレクチャーやナレッジトランスファーも行います。
昨今のコンサル業界では「伴走」という言葉が多く聞かれますが、私たちの場合はもう少し解像度を上げて、「どの山に登るのかを一緒に考えて、一緒にトレーニングして、装備を選んで、登山中はペースメーカー役もやっていくような案内人・シェルパ」に近い存在でありたいと思っています。
もちろんプロフェッショナルとしてのパフォーマンスは大事ですが、入社してすぐに売上目標・稼働目標を達成しなければならないという圧迫感は少ないです。今はまさに新しい領域を切り拓いていくフェーズですので、なおさらその傾向が強いです。
LTSならではの特徴や他ファームとの違いがあればお伺いできればと思います。
LTSはビジネスのベースをクライアントとの信頼関係とし、これを基軸にしながらアメーバ的に案件拡大するというのが従来のプレイスタイルでした。そのため、長期的な関係を持つクライアントが多くあります。また、社風の良さや社員の温厚な人柄もLTSの特徴の一つです。
これらは素晴らしいことですが、反動として新規の領域やクライアントへのチャレンジには課題があったと思います。そこで、LTSの良さを生かしつつも、チャレンジする企業へ変革する取り組みを加速させています。
こうした取り組みを通じてLTS自身が自らの強みを見つめなおす一方で、LTSの真の強みはその圧倒的なコミットメント、当事者意識であり、それこそが他ファームとの違いではないかと私は考えています。私自身、LTSに身を置きながらデジタル庁では他社への発注をする立場でしたが、最もコンサルタントの支援を必要とするのはRFPをまとめる時でした。茫漠とした課題をどのように腑分けして、どのような発注をするのかを整理する時にこそ、コンサルタントの助けが欲しいと痛感していました。
これは民間の事業会社、つまり我々のクライアントでも同様であろうと思います。美しい資料や華々しい海外事例よりも、一緒に課題と格闘してくれる仲間としてのコンサルタントが求められます。その時、LTSはきっと第一想起されるファームであろうと思いますし、その良さを多くのクライアントに知っていただきたいと考えています。
社会課題解決に強い思いを持っている方にとっても御社はすごくよい環境だと思いますか。
まさにそう思います。組織長として私自身もそこはとても重視しています。
実は私はデジタル庁のほかに、現在は東京都や福岡市でも公職を担っています。中央省庁・首都行政・地方自治体と、公共のさまざまな階層に身を置いてきました。それぞれの立場から見える景色はかなり異なっていて、国レベルの話はスケールが大きくて刺激的ですし、自治体の話は「自分の出身地だ」と身近に感じてくれる社員も多い。こうした話を社内で発信すると、金融のニュースよりも圧倒的に反応がよいです。
LTSは平均年齢が30代前半と若いのですが、多くのメンバーが「社会をよくしたい」という考えを持ち、たがいに共感し合っています。成果至上主義の環境・時代を多く経験した私にとっては、「社会課題に向き合う自分」をアピールすることに少し気恥ずかしさを感じた時期もあったのですが、LTSの社員は曇りのない目で社会課題に向き合っている。これは世代の違いというよりも、会社の文化だと感じています。
LTSには志を持った人が集まっていますし、その人たちによって文化が築かれている。「社会課題に取り組んでいます」というメッセージは、LTSにおいて決して経営のアクセサリーではなく、本気で取り組む目標となっています。

今後どのように事業を拡大していきたいか展望があればぜひお聞かせください。
まず直近は、これまでの組織づくり・準備期間から、実績を積み上げるフェーズに移行します。LTSのメンバーの力を借りながら続けてきた種まきが芽吹き、直近では様々な案件やご相談をいただくことができるようになりました。組織のP/Lを預かる者として、それらを着実に育てて数字と実績を伸ばす年にしたいと考えています。
3〜5年後を見据えると、この組織を社内の人材育成の場としても機能させていきたいと考えています。たとえば、商社や製造業などを担当しているコンサルタントが、一定期間この組織に来て金融や公共の経験を積むと同時にコンサルタントとしての芯を育て、また元の部署に戻っていくような仕組みです。ここに定着する人もいれば、学んだことを持ち帰る人もいる。人が循環する組織にしたいです。
金融のクライアントは多くのコンサルファームと取引経験を持ち、目が肥えている方が非常に多いです。したがって、コンサルに求める水準が高いのですが、そのような環境で鍛えられた人材がやがて組織や会社全体の底上げにつながっていく。その上で、現場のプレーヤーとして頑張りたい方も、後進を育てたい方も、新しい領域を開拓したい方も、皆が活躍できる場を作っていきたいと思っています。最終的には、LTSの事業の柱の一つとなり、社外からも認知される組織に育てていきたいですね。
ゼロから道を拓く力を持ち、社会課題解決への使命感を持つ方へ
御社に入社して活躍されている方の共通点があれば、ぜひお聞かせください。
一言で言えば、ゼロから道を切り拓いていける人です。
金融・公共の分野において、LTSはさほど多くの取引関係や実績がある状態ではありませんでした。現在ではかなり開拓が進んできましたが、それでも初期の関係づくりから入っていくことが多いです。当然、手ぶらで訪問することはプロとして相応しくありませんから、議論に値するテーマを厳選してディスカッションペーパーを作成し、少しでも爪痕を残す努力は厭いません。
そのため、リサーチや資料作成のスキルなどはもちろん必要ですが、それだけでは足りない。お客様の話にしっかり耳を傾けつつも、聞くだけに終わらず自分から提案できる力、そのバランス感覚を磨いていける方が活躍しています。既にそうした力がある方はもちろん、そこを目指したいという意欲がある方も大歓迎です。
スキル面ではどういった方に特にご入社いただきたいですか。
金融であれば、銀行系もしくは決済系の領域で経験を積まれてきた方を特に求めています。
金融と言っても幅広いですので、現時点では銀行・決済領域に注力しています。銀行・決済領域でも特に銀行のケイパビリティを活かした新規事業の企画や決済機能を活用したビジネスを企画されていたりする方は親和性が高いです。また、銀行・決済の分野はデータ利活用やデータマネジメントと高い親和性がありますので、事業会社におけるデータ分析やそれに基づく業務改善の経験がある方もフィットします。
公共もさまざまな分野がありますが、省庁や自治体などの狭義な公共だけでなく、もう少し幅広に、交通・電力・エネルギー・医療・教育など、社会インフラに近い業界での経験をお持ちの方も対象です。いわゆる「準公共」と呼ばれる領域ですが、こうした社会的な影響力の大きい業界の中でも特に発注者側の知見がある方にぜひご入社いただきたいです。

最後に、候補者の皆様にメッセージをお願いできますでしょうか。
これからのコンサルティングで本当に価値を発揮できるのは、人間だからこそできる仕事を突き詰められる人だと考えています。
この記事を読んでいる方は、コンサルティング業界に挑戦しようとしている方や、新しい活躍の場を探している方だと思います。正直に言えば、大手ファームの方が知名度は華やかですし、私自身もかつてはそこに魅力を感じていました。
しかし、発注者側に回ってみると、会社のブランドはほとんど関係なく、「この人と一緒に仕事がしたいか」で評価される場面が圧倒的に多い。AIの普及によって、情報を整理するだけの仕事はどんどん自動化されていきます。そんな中で最後に残るのは、お客様との信頼関係や、一歩踏み込んだ対話、型にはまらない柔軟な提案力です。
こうした「人間らしいコンサルティング」を自分のキャリアの軸にしたいと思う方にとって、LTSは最適な環境だと自信を持って言えます。ぜひ一度お話しさせてください。

