コンサルは「怪しい」?|役立たずを見分ける5つのポイント

「コンサルタントに高額な報酬を払ったのに、現場を知らない机上の空論ばかりで全く役に立たない」「お前がやれと言いたくなる提案ばかり」このような不満を抱えていませんか。 実はコンサルタントが「怪しい」「役立たず」と言われる背景には、業界の構造的な問題があります。
本記事では、現場を知らない・実行しない・専門用語で煙に巻くといった5つの本質的な問題を徹底解剖し、信頼できるコンサルタントと悪質な業者を見分ける具体的な方法をお伝えします。経営者として賢い選択をするため、現場社員として適切に対応するために必要な知識を、ぜひこの記事で手に入れてください。
コンサルが「怪しい」と言われる5つの本質的な問題
現場を知らない机上の空論を振りかざす
コンサルタントに対する最大の不満は、現場の実態を理解せずに理想論を押し付けてくる姿勢にあります。企業の実務経験が浅いコンサルタントほど、フレームワークや理論に固執し、現場の複雑な事情や制約を無視した提案を行う傾向があります。
製造現場の改善提案でも、実際の生産ラインの動きを見ずに理想的なプロセスだけを描いて終わるケースが後を絶ちません。現場の社員から見れば、自分たちの日々の苦労や工夫を全く理解していない外部の人間が、高額な報酬を得ながら非現実的な指示を出していると映ります。

実行しない・できない無責任な構造
コンサルタントの役割は「アドバイス」であり、実際の実行は企業側の責任という構造が、大きな不満を生んでいます。戦略立案や改善提案は行うものの、その実行段階になると「それは御社の業務です」と手を引いてしまうケースが多く存在します。
現場の社員からすれば「できもしない提案をして、実行の苦労は全て押し付けられる」という状況に陥ります。特にIT業界では「コンサル お前がやれ」という声が上がることも珍しくありません。提案したシステム導入の実務は現場に丸投げし、トラブルが発生しても責任を取らない姿勢が不信感を増幅させています。

専門用語で煙に巻く高圧的な態度
カタカナ用語や専門用語を多用し、相手を煙に巻くようなコミュニケーションスタイルも、コンサルタントが「怪しい」と言われる大きな理由です。本来は分かりやすく伝えるべき内容を、あえて難解な言葉で説明することで自分の専門性を誇示しようとする傾向があります。
経営者や現場の社員が理解できない説明をして、質問すると「基本的なことですから」と見下すような態度を取るコンサルタントも存在します。これは本当の専門性ではなく、知識の非対称性を利用した権威づけに過ぎません。信頼できるコンサルタントは、複雑な内容でも相手の理解度に合わせて平易な言葉で説明できる能力を持っています。

高額な報酬なのに「中身がない」ことへの怒り
月額数百万円という高額な報酬を受け取りながら、提供される成果物の質や量が見合っていないという不満が多く聞かれます。数回のミーティングと簡単な資料作成だけで高額な請求をするケースや、既存の知識を少しアレンジしただけの提案書を「オリジナルの戦略」として提示するケースも少なくありません。
現場の社員が夜遅くまで残業して実務をこなしているのに、コンサルタントは数時間のミーティングだけで高額な報酬を得ている状況は、価値と労働の不均衡として強い憤りを生みます。特に中小企業にとっては、費用対効果が明確に見えない支援に対する疑問が大きくなります。

経営者の言いなりで現場が疲弊する構造
コンサルタントは経営者から依頼を受けるため、必然的に経営者の意向に沿った提案になりがちです。現場の意見や実態よりも、経営者を満足させる美しい戦略レポートの作成が優先されることがあります。
その結果、現場の実情を無視した施策が経営者とコンサルタントの間で決定され、実行の負担だけが現場に押し付けられる構造が生まれます。現場からすれば、コンサルタントは「会社の金を使って現場を疲弊させる内部の敵」として認識されることになります。このような構造的な問題が、コンサルティング業界全体への不信感を生み出しています。
なぜ「役立たず」のコンサルが生まれるのか
誰でも名乗れる無資格ビジネスの実態
コンサルタントには公的な資格や免許が必要ありません。医師や弁護士のように国家資格で保護されていないため、極端に言えば誰でも明日から「コンサルタント」を名乗ることができます。中小企業診断士などの関連資格は存在しますが、これらは必須ではなく、資格を持たないコンサルタントも多数活動しています。
この参入障壁の低さが、経験やスキルが不足したコンサルタントの増加を招いています。特にSNSの普及により「起業コンサル」「マッチングアプリコンサル」など、専門性が疑わしい領域でも自称コンサルタントが急増し、市場全体の信頼性を下げる結果となっています。
アドバイスと実行の分断という構造的欠陥
従来のコンサルティングビジネスモデルでは、戦略立案と実行支援が明確に分離されています。この構造が「提案だけして実行しない」という批判を生む根本原因です。コンサルタントの契約範囲は通常「調査」「分析」「提案」までであり、実際の業務改善やシステム導入の実務は含まれません。



しかし企業側は、高額な費用を支払う以上、実行までのサポートを期待するケースが多く、この認識のギャップが大きな不満を生んでいます。近年では実行支援までを含む「ハンズオン支援」を提供するコンサルタントも増えていますが、まだ主流とは言えない状況です。
参考:ハンズオン支援の種類 | 経営にお悩みの方へ | 独立行政法人 中小企業基盤整備機構
成果が見えにくい無形サービスの特性
コンサルティングは典型的な無形サービスであり、提供価値を事前に明確化することが困難です。製品のように手に取って確認できるものではないため、契約前に品質を判断する方法がほとんどありません。また成果物も「報告書」「提案資料」といった抽象的なものが多く、それが企業の業績向上にどれだけ貢献したのかを測定することも難しい特性があります。
この見えにくさを悪用し、曖昧な契約内容のまま高額な料金を請求する悪質な業者も存在します。成果保証を行わず、うまくいかなければ「御社の実行力不足」と責任を転嫁する構造も、不信感を増幅させる要因となっています。
信頼できるコンサルと「怪しい」コンサルの見分け方
実績と経歴の透明性で判断する
信頼できるコンサルタントは、過去の支援実績や具体的な成果を明示しています。企業名は守秘義務の関係で伏せられることもありますが、業種や課題、達成した成果の数値などは具体的に公開しています。一方で怪しいコンサルタントは「多数の実績あり」「成功事例多数」といった抽象的な表現に留まり、具体的な内容を一切示しません。
また経歴についても、大手コンサルティング会社での勤務経験や専門分野での実務経験を明確に記載しているかがポイントです。SNSで派手な発信をしているだけで、実際のビジネス経験が乏しいケースも多く見られます。
料金体系と契約内容の明確さ
信頼できるコンサルタントは、初回面談の段階で料金体系と提供サービスの内容を明確に説明します。月額顧問料の相場は企業規模や支援内容によりますが、中小企業向けで月20万円から50万円程度が一般的です。これに対して怪しいコンサルタントは、料金を明示せず「まずは会ってから」と面談を強く促したり、相場から大きく外れた高額な料金を提示したりします。
特に個人向けの起業コンサルでは、100万円以上の前払いを要求するケースもあります。また契約内容についても、具体的な成果物やミーティング回数、サポート範囲が明文化されているかが重要な判断基準となります。

成果保証と責任範囲の明示
近年、信頼性の高いコンサルタントは成果報酬型の契約や、一定の成果保証を提示する傾向が強まっています。完全な成果保証は難しくても「3ヶ月で成果が出なければ返金」といった条件を設けることで、リスクを共有する姿勢を示しています。これに対して怪しいコンサルタントは「アドバイスが仕事なので実行はクライアントの責任」と最初から責任を回避する姿勢を見せます。
また契約書に「一切の返金に応じない」「成果は保証しない」といった条項が盛り込まれている場合は要注意です。信頼関係を構築しようとするコンサルタントは、クライアントのリスクを理解し、可能な範囲で自らもリスクを負う姿勢を持っています。
初回面談での対応と提案内容
信頼できるコンサルタントは、初回面談で相手企業の課題をじっくりヒアリングし、その場で安易な提案はしません。現場の状況を十分に理解してから、後日改めて具体的な提案を行うのが通常のプロセスです。
一方で怪しいコンサルタントは、初回面談で「今すぐ契約しないと手遅れになる」といった焦りを煽る発言をしたり、十分なヒアリングもなしに一般論的な解決策を提示したりします。また質問に対して専門用語を使って煙に巻くのではなく、分かりやすい言葉で丁寧に説明できるかも重要なポイントです。相手の理解度を確認しながらコミュニケーションを取る姿勢は、信頼性の指標となります。
現場への理解と実行支援の姿勢
優れたコンサルタントは、提案だけでなく実行段階での支援も視野に入れています。現場の実態をしっかり把握するために時間をかけ、現場社員の意見も積極的に聞き取ります。そして提案した施策の実行フェーズでも、定期的なフォローアップやトラブル対応など、ハンズオン型の支援を提供します。
これに対して役立たずのコンサルタントは、現場視察もそこそこに理論だけで提案をまとめ、実行段階になると「それは御社の業務範囲です」と距離を置きます。契約前の段階で「実行支援はどこまで含まれるのか」を明確に確認することが、後々のトラブルを防ぐ鍵となります。
現場社員と経営者それぞれの対処法
現場社員として「役立たず」コンサルにどう対応するか
現場の立場からコンサルタントの提案に疑問を感じた場合、感情的に反発するのではなく、具体的な問題点を整理して上司や経営者に伝えることが重要です。「この提案は現場の実態とこういう点で乖離している」「この施策を実行するには、このようなリソースや時間が必要だが確保できるのか」といった事実ベースの指摘を行います。
また可能であれば、コンサルタントとの定例ミーティングに参加し、現場の視点を直接伝える機会を作ることも効果的です。一方的に実行を押し付けられる前に、実現可能性について率直に議論する場を持つことで、非現実的な施策の押し付けを防ぐことができます。

経営者として信頼できるパートナーを選ぶ基準
経営者がコンサルタントを選定する際は、まず複数の候補者と面談し、比較検討することが基本です。料金だけでなく、具体的な支援内容、過去の実績、コミュニケーションスタイルなど、総合的に判断する必要があります。特に重要なのは、自社の業種や規模に近い企業での支援経験があるかどうかです。
大企業向けのコンサルタントが中小企業の実情を理解できるとは限りません。また契約前に試行的なプロジェクトを小規模で実施し、実際の働きぶりを確認してから本格的な契約に進むのも有効な方法です。成果物の品質や現場とのコミュニケーション能力を実地で確認できます。
契約前に確認すべき重要事項チェックリスト
コンサルタントと契約する前には、次の項目を必ず確認しましょう。まず提供サービスの具体的な内容と範囲、ミーティングの回数や形式、成果物の種類と納期です。次に料金体系の詳細、支払い条件、追加費用が発生する条件も明確にします。また契約期間、中途解約の条件、返金規定なども重要なポイントです。
さらに支援の範囲が戦略立案だけなのか実行支援まで含むのか、トラブル発生時の対応方法、守秘義務の範囲なども確認が必要です。これらの項目を文書化し、双方が合意した契約書として残すことが、後々のトラブルを防ぐ最大の予防策となります。
コンサル業界の構造変化と今後の展望
「アドバイス型」から「実行伴走型」への転換
コンサルティング業界は現在、大きな転換期を迎えています。従来の「戦略立案だけを行うアドバイス型」から「実行まで伴走する支援型」へのシフトが進んでいます。この背景には、企業側の「提案だけでなく実行まで支援してほしい」というニーズの高まりがあります。
特にデジタルトランスフォーメーションやマーケティング支援の分野では、ツールの導入から運用まで一貫してサポートするコンサルタントが評価されています。大手コンサルティング会社でも、実行支援チームを拡充し、クライアント企業に常駐して業務改善を進めるスタイルが増えています。この変化は、業界全体の信頼性向上につながる可能性があります。
参考:経済産業省のデジタル・トランスフォーメーション(DX) (METI/経済産業省)
成果報酬型契約の広がり
コンサルティング契約において、成果報酬型や条件付き報酬制度を導入する動きが広がっています。従来の月額固定報酬だけでなく、達成した成果に応じて報酬が変動する仕組みです。たとえば売上向上支援では「増加した売上の一定割合を報酬とする」、コスト削減支援では「削減できたコストの一部を成功報酬とする」といった形態です。
この契約形態は、コンサルタント側にもリスクが生じるため、本当に成果を出せる自信がある専門家でなければ提案できません。そのためクライアント側からすれば、コンサルタントの本気度や実力を見極める指標となります。成果報酬型の普及は、業界の透明性向上に寄与すると期待されています。
参考:成果報酬型契約によるトップライン向上支援 | PwC Japanグループ
テクノロジーによる可視化と標準化
AIやデータ分析ツールの発展により、コンサルティングサービスの一部が標準化・自動化される動きも出ています。これまでコンサルタントの経験や勘に頼っていた分析作業が、ツールを使って客観的なデータに基づいて行えるようになってきました。この変化は、サービスの品質を一定水準に保ち、成果の可視化を促進する効果があります。

また料金の透明性も高まり、相場からかけ離れた高額請求を抑制する力にもなります。ただしテクノロジーはあくまで道具であり、それを使いこなし、人間にしかできない洞察を提供できるコンサルタントの価値は今後も変わりません。むしろテクノロジーとの組み合わせで、より高度な支援が可能になるでしょう。
特殊な領域での「怪しい」コンサルの実態
SNS起業コンサルとママ起業支援の闇
SNSを舞台とした起業コンサルが近年急増していますが、その多くに問題があります。インスタグラムなどで「月収100万円達成」「主婦でも在宅で稼げる」といった華やかな発信をしている自称コンサルタントの中には、実際のビジネス経験が乏しい人物も少なくありません。
特にママ起業支援を謳うコンサルタントには要注意です。育児中で社会との繋がりが薄れ、経済的な自立に焦りを感じている女性をターゲットに、50万円から100万円以上の高額な受講料を請求するケースがあります。無料セミナーや個別面談で不安を煽り、「今すぐ決断しないと手遅れになる」と契約を迫る手法は、かつてのマルチ商法と類似しています。

参考:第1部 第1章 第4節 (5)マルチ商法に関するトラブル | 消費者庁
マッチングアプリコンサルという新たな搾取
恋愛や婚活の領域にも「コンサルタント」が進出しています。マッチングアプリでのプロフィール添削や戦略的なメッセージング指導を謳い、高額なサービスを提供する事例が増えています。恋愛という極めて個人的な領域において、ビジネスライクなコンサルティング手法を持ち込むこと自体に疑問があります。
しかも料金は数十万円に及ぶケースもあり、その費用対効果は極めて不透明です。恋愛や結婚は本来、マニュアル化できない人間関係の営みです。それを「戦略」「最適化」といったビジネス用語で語り、弱みにつけ込んで高額な料金を請求する行為は、新たな形の搾取と言えるでしょう。
詐欺的な手口と法的グレーゾーン
悪質なコンサルタントは、法律の境界線上で巧みに活動しています。詐欺罪が成立するには「欺罔行為」つまり嘘をついてお金を騙し取ったという明確な証拠が必要ですが、コンサルティングは無形サービスであるため、提供価値の有無を客観的に証明することが困難です。
そのため「アドバイスは行った」「成果が出ないのはクライアントの実行力不足」と主張されると、法的な追及が難しくなります。また契約書に「成果を保証するものではない」「いかなる理由でも返金に応じない」といった条項を入れることで、自己防衛しているケースも多く見られます。このような法的グレーゾーンを悪用する業者から身を守るには、契約前の慎重な確認と、第三者への相談が不可欠です。
参考:グレーゾーン解消制度の活用事例(METI/経済産業省)
まとめ:本当に価値あるコンサルとの付き合い方
コンサルタントが「怪しい」と言われる背景には、業界の構造的な問題と一部の悪質な業者の存在があります。しかし全てのコンサルタントが信頼できないわけではありません。現場の実態を深く理解し、実行まで伴走する姿勢を持ち、成果に対して責任を共有しようとするコンサルタントも確実に存在します。
重要なのは、表面的な肩書きや派手なマーケティングに惑わされず、具体的な実績、透明な料金体系、明確な契約内容、現場への理解度といった実質的な要素で判断することです。また契約前には必ず複数の候補を比較し、不明点は納得するまで質問し、必要に応じて第三者の意見も求めるべきです。
コンサルティングは本来、企業の成長や個人の自己実現を支援する価値ある仕事です。業界全体が「アドバイス型」から「実行伴走型」へと進化し、成果報酬制度の導入が進めば、信頼性は大きく向上するでしょう。私たち利用者側も、正しい知識と判断基準を持つことで、本当に価値あるパートナーを見極める目を養う必要があります。


