【転職体験談】国家公務員から日系コンサルへ転身した31歳女性のリアル

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Nさん(31歳・女性)は、有名国立大学経済学部を卒業後、国家公務員総合職として霞が関で活躍したのち、結婚を機に自身のキャリアを見つめ直し、日系総合コンサルティングファームの政策コンサルタントへ転身されました。公共セクターでの経験を活かしながら、新たなフィールドで挑戦を続けています。

インタビュー対象者
  • お名前:Nさん(女性) ※仮名
  • 年齢:31歳
  • 学歴:有名国立大学卒(経済学部)
  • 職歴:国家公務員(総合職)→日系総合コンサル(シンクタンク系)
目次

公務員からコンサルタントへ キャリアの転換点

現職までのご経歴を教えていただけますか

大学卒業後、国家公務員総合職として某省庁に入省しまして、約7年半勤務していました。最初の3年間は本省で政策立案の仕事をしていて、その後は地方局への出向も経験しました。

実際に働いてみると、想像以上にやりがいのある仕事でした。国の政策づくりに携われるって、すごく責任重大だけど、その分達成感もありました。特に印象に残っているのは、中小企業支援策の制度設計に関わったプロジェクトで、全国の事業者さんからの声を聞きながら、施策を作り上げたときは、本当に「自分の仕事が社会の役に立ってる」っていうのが実感できました。

ただ、7年目くらいから少しずつ違和感を感じ始めて。組織の意思決定スピードとか、前例踏襲的な部分とか…。もっとスピード感を持って、ダイナミックに社会課題を解決したいって思うようになったんです。

公務員時代の年収や待遇はどうでしたか

年収は、世間一般からすると悪くない数字かもしれませんが、労働時間を考えると正直、時給換算したらかなり低いと思います(笑)。繁忙期は月の残業が100時間超えることもザラでした。

でも待遇面では恵まれていた部分も多かったです。福利厚生はしっかりしていて、産休・育休も取りやすい環境でした。実際、同期の女性職員の8割以上が育休を取得していましたし。あと、研修制度も充実していて、海外の大学院への留学制度とか、民間企業への出向機会とか、成長の機会はたくさんありました。

転職を決意した真の理由と葛藤

転職を考えはじめたきっかけや理由を教えてください

一番大きなきっかけは、29歳で結婚したことです。夫も民間企業で働いていて、彼の仕事の話を聞いているうちに、「民間ってこんなにスピード感があるんだ」って気づきました。

例えば、夫の会社では新規事業のアイデアが出てから3ヶ月でローンチとか普通でした。でも公務員だと、新しい政策を作るのに最短でも1年、普通は2〜3年かかる。もちろん、税金を使う以上慎重になるのは当然なんですけど、「このスピード感で本当に時代の変化についていけるのか」って疑問を持つようになりました。

あと、正直な話、将来の家族計画も影響しました。子供が欲しいと思った時に、今の激務を続けながら子育てできるのか不安で。同僚の先輩ママたちを見ていると、みんな本当に頑張っているけど、かなり大変そうで。もっとフレキシブルな働き方ができる環境に移りたいなって思ったのも事実です。

最終的に転職を決断した決め手は何でしたか

30歳の誕生日に、自分のキャリアを振り返ってみたんです。このまま公務員を続けたら、10年後、20年後はどうなっているか。多分、課長補佐か課長になって、相変わらず深夜まで働いて、でも給料は今とそんなに変わらない。

コンサル業界で働く大学時代の友人に会ったのも大きかったです。彼女は私と同い年なのに、年収は高く、リモートワークで働き方も柔軟でした。「絶対コンサルで現職の経験が活きるよ」って言われて、可能性を感じました。失敗したらまた転職すればよいくらいの気持ちでまずは転職活動を始めました。

転職活動の苦労と工夫

転職活動を進める中で苦労したのはどのような点ですか

一番苦労したのは、時間の確保ですね。普通に仕事していたら、平日の面接なんて絶対無理でした。有給を取るにも理由を説明しなきゃいけないし、頻繁に休むと怪しまれるし…。結局、「体調不良」を理由に半休を取りまくってました。上司には申し訳なかったけど、仕方なかったです。

あと、民間企業の選考プロセスに慣れるのも大変でした。ケース面接とか、公務員には全く縁がないじゃないですか。最初に受けた外資系戦略ファームの面接では、「日本の自動車メーカーの売上を2倍にする施策を考えてください」って言われて、頭が真っ白になりました。

書類選考も苦戦しました。公務員の実績って、民間企業にどう伝えればいいのか分からなくて。転職エージェントに添削してもらって、やっと「伝わる」職務経歴書が作れるようになりました。

どんな準備や勉強をされましたか

まず、ケース面接対策として、市販の問題集を3冊買って出勤前に勉強しました。通勤電車の中でも、ひたすらフェルミ推定の練習。「山手線の1日の乗客数は?」とか「日本にあるコンビニの数は?」とか、そんな問題をずっと解いてました。

あとは、コンサル業界の基礎知識を身につけるために、ビジネス書を読み漁りました。特に役立ったのは、マッキンゼー出身者が書いた本で、「イシューからはじめよ」とか「ロジカルシンキング」系の本は、結構読んだと思います。

英語力も課題でした。ビジネス英語には全く自信がなかったんですが、外資系も視野に入れていたのでTOEIC900点まで上げました。

実際に何社くらい応募して、どんな結果でしたか

トータルで15社応募しました。内訳は、外資系戦略コンサル3社、外資系総合コンサル4社、日系コンサル5社、シンクタンク3社です。

書類選考を通過したのは8社。そのうち最終面接まで進んだのは4社で、内定をもらえたのは2社でした。落ちた理由は様々ですが、やっぱりビジネス経験の不足を指摘されることが多かったです。

でも、意外だったのは、公共セクター関連のプロジェクトを多く手がけているファームからの評価が高かったこと。「官公庁の意思決定プロセスを理解している人材は貴重」って言われて、自分の経験も活かせるんだって自信になりました。

エージェントの活用と転職先の決定

エージェントからはどのような支援を受けましたか

3社のエージェントを使い分けていました。大手総合エージェント1社と、コンサル専門のブティック型エージェント2社です。

特に助かったのは、コンサル専門エージェントのサポートです。元コンサルタントの担当者が、ケース面接の模擬練習を何度もしてくれて。「その分析は甘い」「もっと構造化して考えて」って、めちゃくちゃ厳しいフィードバックをもらいました。正直、心が折れそうになったこともあったけど、おかげで本番では落ち着いて対応できました。

あと、給与交渉も全部お任せしました。自分じゃ絶対に言えないような金額を提示してくれて(笑)。結果的に、高条件で内定をもらえました。業界の裏情報も教えてくれましたね。「あの会社は激務で有名」とか「このファームは最近、公共案件に力を入れている」とか。表面的な情報だけじゃ分からない、リアルな実態を知れたのは大きかったです。

今の会社を選んだ決め手はなんでしたか

最終的に内定をもらった2社で、めちゃくちゃ悩みました。1社は外資系で、もう1社が今の日系総合コンサルです。普通に考えたら外資系を選ぶところですが…。

決め手は3つありました。まず、日系の方が公共セクター向けのプロジェクトが圧倒的に多かったこと。自分の経験を最大限活かせる環境だと思いました。官公庁とのパイプも太くて、元上司や同僚とまた一緒に仕事ができる可能性もある。

次に、ワークライフバランス。外資系は、正直ビビりました(笑)。日系の方は、何とか続けられそうだなと。将来的に子供を持つことを考えると、この差は大きいです。

最後は、社風ですね。日系の方が面接官の雰囲気が温かくて、「一緒に成長していきましょう」っていうスタンス。外資系は「できて当たり前」という雰囲気で、ちょっと息苦しさを感じました。長く働くなら、自分に合った環境の方がいいなって思ったんです。

内定承諾前に確認したことはありますか

めちゃくちゃ細かく確認しました(笑)。まず、具体的な配属プロジェクトの内容。「最初の1年間は主にどんな案件を担当することになるか」を聞いて、官公庁案件が7割以上あることを確認しました。

あと、評価制度と昇進スピードも詳しく聞きました。「3年でマネージャーになれる可能性はどれくらいか」みたいな。日系企業だけど、実力次第で早期昇進も可能だと分かって安心しました。

リモートワークの制度も重要でした。コロナ後は週3日在宅勤務OKで、フレックスタイム制も導入されているとのこと。公務員時代より確実に柔軟な働き方ができそうで、これも決め手の一つになりました。

転職後のリアル―理想と現実のギャップ

今の会社に入ってよかったこと、苦労していることを教えてください

よかったことは、想像以上に成長スピードが速いことです。入社3ヶ月で、某省庁のDX推進プロジェクトのサブリーダーを任されました。公務員時代なら、こんな大きな案件の中核メンバーになるのに10年はかかったと思います。

一方で苦労しているのは、やっぱりビジネススキルの差ですね。エクセルとかパワポのスキルが、同期入社の人と比べて圧倒的に劣っていて。ピボットテーブルって何?VLOOKUPって?みたいなレベルからのスタートでした。最初の1ヶ月は、毎晩YouTubeでエクセル講座を見て勉強してました。

職場の人間関係はどうですか

直属の上司(マネージャー)は、元官僚という共通点もあって、特にすごく気にかけてくれています。「官から民への転職は最初は戸惑うけど、1年経てば慣れる」って励ましてもらって。実際、官公庁相手の交渉では、私の方が勘所を押さえているので、チームに貢献できている実感があります。

ただ、コンサル特有の「アップorアウト」の文化は、正直きついです。同期でも、1年で辞めていく人が2割くらいいます。常に成果を出し続けなければいけないプレッシャーは、公務員時代にはなかったもの。でも、この緊張感が成長につながっているのも事実なので、今は必要な試練だと思って頑張っています。

プライベートの変化はありましたか

残業は減りましたね。公務員時代の月平均80時間から、今は40時間程度。もちろん、プロジェクトによって波はありますが、全体的にはかなり改善されました。

在宅勤務ができるようになったのも大きいです。通勤時間が削減できた分、自己研鑽や趣味の時間が増えました。最近はオンラインで講座を受講したり、ヨガを始めたり。公務員時代は仕事以外のことを考える余裕なんてなかったので、人生が豊かになった感じがします。

今後のキャリアビジョンと後輩へのメッセージ

今後のキャリア展望を教えてください

まず、3年以内にマネージャーに昇進することが目標です。そのためには、官公庁案件だけじゃなく、民間企業向けのプロジェクトでも実績を作る必要があります。今、製造業のDXプロジェクトにアサインされているので、ここでしっかり成果を出したいですね。

中長期的には、パブリックセクター専門のエキスパートとして、シニアマネージャーやディレクターを目指したいです。官民連携とか、規制改革とか、自分にしかできない価値を提供できる人材になりたいです。

あと、いずれは独立も視野に入れています。官公庁向けのコンサルティングに特化した小規模ファームを立ち上げるとか。公務員時代の人脈と、コンサルで培ったスキルを組み合わせれば、ユニークなポジションを築けるんじゃないかと思います。

もし転職前の自分にアドバイスするとしたら

「公務員の経験は絶対に無駄にならない」って伝えたいです。最初は「民間で通用するかな」って不安だったけど、政策立案能力とか、ステークホルダー調整力とか、官公庁特有のスキルは希少価値があります。自信を持って転職活動に臨んでほしい。

準備期間については、「半年は必要」って言いたいです。特にケース面接対策と英語力向上は時間がかかります。仕事しながらの準備は本当に大変だけど、ここで手を抜くと後悔します。有給も戦略的に使って、しっかり準備することが大事です。

転職を検討している人へのメッセージをお願いします

公務員から民間への転職って、すごく勇気がいると思います。安定を捨てるわけですから。でも、その一歩を踏み出した先には、想像以上に広い世界が待っています。

私自身、転職してまだ1年ちょっとですが、この1年で得た経験と成長は、公務員時代の3年分に匹敵すると感じています。給料も上がったし、働き方も柔軟になったし、何より仕事が楽しい。毎日新しいチャレンジがあって、ワクワクしています。

もちろん、転職が全ての人にとって正解とは限りません。公務員として国のために働くことも、本当に尊い仕事です。でも、もし今の環境に違和感を感じているなら、一度真剣に転職を考えてみてもいいんじゃないでしょうか。

失敗を恐れる必要はありません。最悪、また公務員に戻ればいいんです。実際、出戻りした人も知っています。後悔のない選択をしてください。

ハイクラス転職にハイディールパートナーズが選ばれる理由

1. 「受かる魅せ方」のご提案

ハイディールパートナーズでは、求人企業の人事担当者だけでなく、経営層との関係強化に特に力を入れています。採用計画は、企業の中長期的な成長戦略を強く反映しますので、経営層との対話を通じてこうした求人会社の成長戦略への理解を深めることに注力しています。弊社から具体的な求人をご紹介させていただく際には、こうした企業の経営戦略に基づく採用背景についてもきちんとお伝えさせていただきます。

経営戦略や採用背景の理解を深めることで、求人票の必須要件の文章上からは見えてこない「本当に欲しい人物像」の解像度を高く理解することができます。我々は、企業の採用背景を踏まえ、求職者様の「受かる魅せ方」を追求することで、選考通過の確度を最大化するお手伝いをさせていただきます。

2. 非公開求人・急募案件のご提案

ハイディールパートナーズでは、常に数百を超える非公開ポジションを保有しています。これが実現できているのは、弊社が求人会社の経営層との関係性が強いことに加え、「ハイディールパートナーズが紹介してくれる人材であれば確度の高い人材に違いない」といった求人会社との強い信頼関係が構築されているためです。

通常、非公開求人はごく限られたエージェントのみに情報が開示されているため、限られた応募数の中で有利に選考を進めることが可能です。

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また、弊社では求職者様と中長期的な関係性を構築することを最も重視しています。短期的な売上至上主義には傾倒せず、真に求職者様の目指すキャリアに合致する選択肢を、良い面も悪い面もお伝えしながらご提案させていただいております。

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