【転職体験談】損保営業からコンサルへ異業種転職に成功した28歳女性の決断

有名私立大学法学部を卒業後、大手損害保険会社で法人営業として5年間勤務したAさん(28歳)。

お客様との信頼関係を大切にしながら営業活動を続ける中で、より本質的な経営支援への興味が芽生え、日系総合コンサルティングファームへの転職を決意されました。異業界への挑戦を成功させた彼女に、その転職活動の実態と現在の仕事についてお伺いしました。

インタビュー対象者
  • お名前:Aさん(女性) ※仮名
  • 年齢:28歳
  • 学歴:有名私立大学卒(法学部)
  • 職歴:日系損害保険会社(営業)→日系総合コンサル(コンサルタント)
目次

保険営業で培った課題発見力を、経営支援に活かしたい

現職までのご経歴を教えていただけますか

私立大学の法学部を卒業して、新卒で大手損害保険会社に入社しました。配属は法人営業部で、中堅企業を中心に担当してましたね。製造業のお客様が多くて、工場の火災保険とか、PL保険(製造物責任保険)とか、企業活動に必要な保険を提案する仕事でした。

5年間やってきて、お客様との関係構築には自信がつきました。単に保険を売るんじゃなくて、企業が抱えるリスクを一緒に考えて、最適な保障を設計する。そういう提案型の営業スタイルで仕事してました。

ただ、4年目くらいから、もどかしさを感じるようになって。お客様の経営課題が見えてきても、保険という枠組みの中でしかサポートできない。もっと幅広い視点で企業を支援したいなって思うようになったんです。

保険営業での具体的なエピソードを教えてください

印象的だったのは、ある食品製造業のお客様とのやり取りです。新商品開発に伴うリスクの相談を受けたんですけど、話を聞いていくうちに、実は商品開発プロセス自体に課題があることが分かって。

でも私にできるのは、PL保険の提案くらい。本当は「開発体制をこう変えたら」とか「品質管理の仕組みはこうしたら」みたいなところまで踏み込みたかったんですけど、それは私の仕事の範囲外で。お客様も「保険以外のことも相談できたらいいのに」って言ってくださって。

そういう経験が重なって、「もっと総合的に企業を支援する仕事がしたい」って思うようになりました。保険は大切だけど、経営の一部分でしかない。全体を俯瞰して、本質的な解決策を提案できる仕事がしたいなって。

損保での仕事のやりがいと限界について、もう少し詳しく聞かせてください

やりがいは、お客様と長期的な関係を築けることでした。担当企業の社長や総務部長と、単なる営業と顧客じゃなくて、パートナーとして認めてもらえた時は嬉しかったです。「Aさんに相談したい」って指名してもらえることも増えて。

でも同時に、扱える領域の狭さに限界も感じてました。例えば、海外進出を検討してるお客様に、海外でのリスクカバーは提案できても、「どの国に進出すべきか」「現地でどんなビジネスモデルを構築すべきか」みたいな本質的な議論には参加できない。

あと、保険業界特有の規制もあって、革新的な商品開発は難しいんです。お客様のニーズに100%応えられる商品を作りたくても、制約が多くて。もっと自由度の高い環境で、クリエイティブな仕事がしたいって思いが強くなりました。

コンサルティング業界への転職を決意

転職を考えはじめたきっかけや理由を教えてください

大学の同級生の多くがコンサル業界に就職していたので、もともとコンサル業界には興味を持っていました。友人を通じてコンサルタントの仕事について詳しく聞いたら、まさに私がやりたかったことだったんです。企業の経営課題を分析して、戦略を立案して、実行まで支援する。しかも、色んな業界・企業と関われる。

収入面も魅力的でした。実力次第で評価される世界だって聞いて。損保だと年功序列的な部分があって、頑張りが直接給与に反映されにくい。もっとチャレンジングな環境で、自分の実力を試したいって思いました。

転職への迷いはなかったんですか?

正直、めちゃくちゃ迷いました。損保は安定してるし、仕事にも慣れてきて、社内の人間関係も良好。それを全部リセットして、未経験の業界に飛び込むのは勇気が必要でした。

特に悩んだのは、「今の会社でもっと頑張れば、やりたいことができるようになるんじゃないか」ってこと。でも、先輩たちを見ていて、10年後も基本的には同じ仕事をしてるんだろうなって。それが悪いわけじゃないけど、私には物足りなく感じました。

最終的に背中を押したのは、「後悔したくない」っていう思いです。このまま損保にいて、40歳、50歳になった時に「あの時挑戦しておけば」って後悔するのは嫌だなって。28歳ならまだ軌道修正も効くし、失敗してもやり直せるので、それなら挑戦しようって決めました。

転職活動はどのように進めましたか?

まず情報収集から始めました。コンサル業界の本を読んだり、転職サイトで求人を見たり。でも、独学では限界があって、転職エージェントに登録しました。

最初は仕事との両立が大変でした。日中は通常業務があるので、転職活動は夜と週末。エージェントとの面談も、有休を取ったり、昼休みに電話したり。会社にばれないようには気を使いましたね。

結構書類選考で苦戦しました。最初の応募では、8社中1社しか通らなくて。「やっぱり未経験じゃ厳しいのかな」って落ち込みました。でも、エージェントと一緒に職務経歴書と出願先を見直して、損保での経験をコンサル向けにアピールできるよう工夫し、通過率が上がりました。

未経験者ならではの転職活動の壁

転職活動を進める中で苦労したのはどのような点ですか

一番苦労したのは、コンサル特有の選考への対応です。ケース面接っていう、その場で経営課題を解く面接があるんですけど、これが本当に難しくて。「新規参入すべきか判断してください」みたいな問題を20分で解くんです。

最初は全然できませんでした。どこから手をつけていいか分からないし、時間配分も下手で。練習あるのみだと思って、市販の問題集を解いたり、YouTubeで解説動画を見たり。でも独学だと、自分の解答が正しいのか分からなくて不安でした。

あと、「なぜ損保を辞めてコンサルなのか」を説明するのも難しかったです。面接官に納得してもらえる理由を、論理的に説明しないといけない。感情論じゃダメなんです。自己分析を何度もやり直して、やっと筋の通った説明ができるようになりました。

ケース面接の対策は具体的にどうしたんですか?

担当エージェントの方にお付き合いいただき、何度もケース面接の練習行ってフィードバックをいただくことを繰り返しました。

あと、日常生活でも訓練を意識しました。例えば、カフェに入ったら「この店の売上を上げるには?」って考える。電車の中吊り広告を見て「この商品が売れない理由は?」って分析する。そういう思考の癖をつけることで、だんだん慣れてきました。

損保での経験が意外と役立ちました。リスク分析は日常的にやってたし、数字を扱うことにも慣れてた。企業分析の視点もあったので、それをケース面接に応用できるようになってからは、手応えを感じるようになりました。

エージェントからはどのような支援を受けましたか

コンサル業界に特化したエージェントを使ったのが良かったです。業界の内情に詳しくて、「このファームは未経験でも採用実績がある」「ここは金融出身者を評価する」みたいな情報を教えてくれました。

模擬面接も何度もやってもらいました。「論理の飛躍がある」「結論ファーストで話して」みたいな具体的なフィードバックが役立ちました。最初はボロボロでしたけど、5回くらいやったら、だいぶマシになって(笑)。

職務経歴書の添削も助かりました。「損保での実績を定量的に書く」「プロジェクト単位でまとめる」みたいなアドバイスをもらって。書き直したら、書類選考の通過率が明らかに上がりました。

新たな環境での挑戦と成長実感

今の会社を選んだ決め手はなんでしたか

内定は2社からいただきました。両方とも日系の総合コンサルです。最終的に今の会社を選んだ理由は、「育成を重視する文化」があったから。

面接で「未経験者でも、しっかり育てます」って明確に言ってもらえて。実際、入社後の研修が2ヶ月あるって聞いて安心しました。もう一社は「即戦力重視」って感じだったので、未経験の私には今の会社の方が合ってると判断しました。

プロジェクトの種類も決め手でした。戦略立案だけじゃなく、業務改善とか、システム導入支援とか、幅広い案件があるって聞いて。まずは色々経験して、自分の適性を見極めたかったので、それができる環境が良いなと思いました。

あと、社員の方々の雰囲気も良かったです。競争的というより、協力的な感じ。面接官の方も、私の話をじっくり聞いてくれて、「損保での経験は必ず活きる」って励ましてくれて。ここなら頑張れそうだって感じました。

入社前と入社後でギャップはありましたか?

良い意味でのギャップは、思ったより損保の知識が役立つこと。金融機関向けのプロジェクトで、リスク管理の観点から提案したら評価されたり。「保険会社出身だからこその視点だね」って言われて嬉しかったです。

悪い意味でのギャップは、想像以上に勉強することが多いこと。プロジェクトごとに、その業界の基礎知識から最新トレンドまで、短期間でインプットしないといけない。週末も勉強してることが多いです。

あと、プレゼン資料作成のレベルの高さにも驚きました。見た目の美しさはもちろん、ロジックの組み立て、ストーリーの流れ、全てにおいて高いクオリティが求められる。最初は先輩の資料を真似することから始めました。

今の会社に入ってよかったこと、苦労していることを教えてください

良かったことは、視野が圧倒的に広がったこと。製造業、小売業、サービス業と、全く違う業界のプロジェクトを経験しました。それぞれの業界の仕組みや課題を学べて、すごく刺激的です。

チームメンバーも優秀で、学ぶことが多いです。MBAホルダーの先輩、元エンジニアの同僚、会計士資格を持つ人…みんな専門性があって、日々勉強になります。分からないことを聞くと、丁寧に教えてくれるのもありがたいです。

苦労してるのは、スピード感についていくこと。損保時代は1ヶ月かけてじっくり提案書を作ってましたが、今は1週間や数日で仕上げることが求められます。最初は質を保ちながらスピードを上げるのが難しくて、深夜まで作業することもありました。今は少し慣れてきましたけど。

ワークライフバランスはどうですか?

正直、損保時代より忙しいです。平均すると、週50〜60時間は働いてます。プロジェクトの山場だと、週70時間になることも。でも、不思議と苦じゃないんです。やりがいがあるから。

プロジェクトの合間には、まとまった休みも取れます。この前は1週間の夏休みをもらって、リフレッシュできました。メリハリはある方だと思います。

プライベートの時間は確実に減りました。平日の夜に友人と会うのは難しいし、週末も仕事のことを考えてることが多い。でも、今は成長期だと割り切ってます。スキルを身につけて、市場価値を上げることが、将来の選択肢を広げると信じています。

これからのキャリアと、転職希望者へのメッセージ

今後のキャリア展望を教えてください

まずは一人前のコンサルタントになることが目標です。今はまだアナリストクラスで、先輩のサポートが中心。早く自分でクライアントと議論して、提案をリードできるようになりたいです。3年後にはマネージャーになりたいですね。

専門領域も作りたいです。今は何でも屋ですけど、「小売業界ならAさん」みたいな強みが欲しい。ECとかオムニチャネルとか、デジタル系に興味があるので、その辺りを深めていけたらと思ってます。

長期的には、まだ具体的には決めてません。コンサルを極めるのか、事業会社で経営企画をやるのか。今は目の前の仕事に集中して、スキルを磨くことが先決だと思ってます。

損保時代の自分と今の自分、何が一番変わりましたか?

思考の深さが全然違います。損保時代は、正直、表面的な提案で済ませてた部分もあった。でも今は、「なぜ?」を5回は繰り返す。問題の本質は何か、真因は何か、徹底的に考え抜く癖がつきました。

あと、学習意欲が格段に上がりました。損保時代は、保険の知識をアップデートする程度。今は、経営、IT、マーケティング、会計…幅広い分野を勉強してます。大変だけど、新しいことを学ぶ楽しさを再発見しました。

自信もつきました。未経験の業界に飛び込んで、何とかやれてる。この経験は大きいです。「やればできる」って実感が、次のチャレンジへの勇気になってます。

もし転職前の自分にアドバイスするなら?

「悩んでる時間がもったいない。とりあえず動いてみて」って言いたいです。私、半年以上悩んでたんですけど、その時間があれば、もっと準備できたなって。

あと、「完璧を求めすぎない」ことも大事。スキルが足りないとか、経験がないとか、できない理由を並べてても始まらない。足りないものは、転職してから身につければいい。必要なのは、学ぶ意欲と素直さ。

「自分の経験を過小評価しない」ことも伝えたい。損保の経験なんて役に立たないって思ってたけど、実際はすごく評価された。どんな経験も、見方を変えれば強みになる。自信を持って、自分の価値を伝えることが大切です。

転職を検討している人へのメッセージをお願いします

転職は、確かに大きな決断です。特に、安定した環境から未経験の業界への転職は、リスクも伴います。でも、そのリスクを取る価値があるかどうかは、あなた次第です。

もし今の仕事に物足りなさを感じているなら、違和感を大切にしてください。その感覚は、きっと正しいです。「もっとできるはず」「もっと成長したい」という気持ちは、次のステップへの原動力になります。

転職活動は楽じゃありません。仕事しながらの準備は大変だし、不採用通知をもらうと凹みます。でも、その過程で必ず成長できます。自己分析を通じて自分を見つめ直せるし、面接を通じて伝える力も磨かれる。

大切なのは、「なぜ転職したいのか」を明確にすること。給与?スキル?やりがい?それが明確なら、多少の困難も乗り越えられます。一歩踏み出す勇気を持ってください。その先に、きっと新しい世界が広がってるはずです。

ハイクラス転職にハイディールパートナーズが選ばれる理由

採用背景を熟知した「受かる魅せ方」のご提案

ハイディールパートナーズでは、求人企業の人事担当者だけでなく、経営層との関係強化に特に力を入れています。採用計画は、企業の中長期的な成長戦略を強く反映しますので、経営層との対話を通じてこうした求人会社の成長戦略への理解を深めることに注力しています。

弊社から具体的な求人をご紹介させていただく際には、こうした企業の経営戦略に基づく採用背景についてもきちんとお伝えさせていただきます。

経営戦略や採用背景の理解を深めることで、求人票の必須要件の文章上からは見えてこない「本当に欲しい人物像」の解像度を高く理解することができます。我々は、企業の採用背景を踏まえ、求職者様の「受かる魅せ方」を追求することで、選考通過の確度を最大化するお手伝いをさせていただきます。

一般公開されない非公開求人・急募案件のラインナップ

ハイディールパートナーズでは、常に数百を超える非公開ポジションを保有しています。

これが実現できているのは、弊社が求人会社の経営層との関係性が強いことに加え、「ハイディールパートナーズが紹介してくれる人材であれば確度の高い人材に違いない」といった求人会社との強い信頼関係が構築されているためです。

通常、非公開求人はごく限られたエージェントのみに情報が開示されているため、限られた応募数の中で有利に選考を進めることが可能です。

質の高いキャリアコンサルタント

ハイディールパートナーズでキャリアコンサルタントを務める人材は、自らがハイクラス人材としてキャリアを歩んできた人材です。

特に採用は厳選して行っており、大量採用は決して実施しません。少数精鋭の組織体だからこそ実現できる、専門的知見を有するプロのキャリアコンサルタントのみを抱えてご支援しております。

また、弊社では求職者様と中長期的な関係性を構築することを最も重視しています。短期的な売上至上主義には傾倒せず、真に求職者様の目指すキャリアに合致する選択肢を、良い面も悪い面もお伝えしながらご提案させていただいております。

目次