【企業インタビュー】グラビス・アーキテクツ─「共に創る公」の主体者として公共の未来に挑む

  • URLをコピーしました!

グラビス・アーキテクツ株式会社は、行政・公共分野に特化したコンサルティングファームです。中央省庁や自治体を中心に、ICT戦略の策定から業務改革、システム調達・導入支援、DX推進まで、政策の構想から現場への実装までを一貫して支援しています。

「公共」を単なる行政サービスではなく「共に創る公(おおやけ)」と捉え、社会全体をより良くする主体者であろうとする同社は本質的な問題解決に挑み続けています。今回は、創業の背景から今後の展望、求める人物像について、代表取締役社長の古見様と、最高執行責任者兼大阪事務所長の清水様にお話を伺いました。

古見 彰里(こみ あきのり)様 プロフィール

グラビス・アーキテクツ株式会社
代表取締役社長
商社に勤務後、2001年に朝日アーサーアンダーセン(現 PwCコンサルティング合同会社)に入社し、公共機関や民間企業に対する業務改革やデジタル化支援のプロジェクトを手掛ける。2010年、グラビス・アーキテクツを設立し、代表取締役に就任。2008年より北海道大学経済学研究科にて非常勤講師、2019年より札幌市の市政アドバイザーを務める。2023年からグラビスグループの代表も兼務。

清水 元幾(しみず もとき)様 プロフィール

グラビス・アーキテクツ株式会社
最高執行責任者 兼 大阪事務所長
自治体向けパッケージシステムの開発会社にて、システムの要件定義・開発・運用に長く携わる。2012年よりグラビス・アーキテクツと協働を開始し、その後正式に参画。約5年前に大阪事務所を立ち上げ、関西圏での事業推進を担うとともに、現在は会社全体の業務執行を統括する。

※掲載内容は2026年8月時点

目次

顧客とメンバーへの責任から独立─北海道で公共中心のコンサルティングファームが生まれるまで

まずお二方のご経歴をお伺いできますか。

古見様:
大学卒業後に商社に勤め、24歳で朝日アーサーアンダーセンという外資系コンサルティング会社に転職しました。そこで約9年間勤めた後、2010年に北海道でグラビス・アーキテクツを創業して、今に至っています。

現在はグラビス・アーキテクツを含む事業会社3社で「グラビスグループ」を構成しています。コンサルティング会社のグラビス・アーキテクツ、GovTech企業のAmbiRise、行政の人材育成・組織開発を手がけるパブリックタレントモビリティの3社です。会社以外では、札幌市の市政アドバイザーや、北海道大学経済学部の非常勤講師もしています。

清水様:
大学卒業後、自治体向けのパッケージシステムを開発する会社に入社し、システムの要件定義から開発・運用まで長く携わってきました。2012年からグラビス・アーキテクツと仕事をするようになり、その後正式に参画しています。

もともと関西の出身で、約5年前に大阪事務所を立ち上げました。現在は最高執行責任者として会社全体の業務執行を推進しつつ、大阪事務所長も兼任しています。

御社を創業された背景について教えていただけますか。

古見様:
朝日アーサーアンダーセン株式会社(現在のPwCコンサルティング合同会社)にて、行政向けの公共チームに所属して自治体ビジネスをリードしていました。「地方をどうやって元気にするか」という観点から、2008年に北海道にシステム開発センターを設立する企画を立てて、北海道の開発会社と大手企業・グローバル企業を直接つなぐチームを作ったんです。

ところが2008年はリーマンショックの年でシステム開発の案件がなくなり、会社の業績も悪化しました。2010年にPwCに買収される流れの中で、3年で北海道の事務所は閉鎖するというグローバルの判断が下されました。

その間に50人ほど社員を採用してチームを作っていたので、本来であれば私は東京に戻ってPwCでまたコンサルティングを担うことになっていたのですが、お客様や採用したメンバーに対する責任を考えると、そのまま手放すわけにはいきませんでした。お客様と一部のメンバーを引き継ぐ形で独立させてほしいと会社にお願いして、2010年12月にグラビス・アーキテクツを設立しました。

通常、顧客や人材の引き継ぎは業界的にはNGなのですが、事務所閉鎖という特別な事情の中で全メンバーの退職勧奨をするよりも、何人かでもお客様へのサービスを継続できる方がよいという判断があり、会社とも良好な関係の中で実現できました。引き継いだ仕事を進めながら、もともと得意だった公共領域のコンサルティングに集中していこうと決め、行政機関を中心にコンサルティングを続けて今に至っています。

制度や業務の「前提」から問い直す─構想から社会実装までを担う2つの事業部

御社について、簡単に事業のご紹介をいただければと思います。

清水様:
国や自治体などの行政機関を中心に、社会や行政が抱える問題の解決を支援する会社です。事業部は2つあり、一つは公共コンサルティング事業部で、行政のICT戦略、業務改革、システムの企画・調達・導入支援、DX推進といった領域をカバーしています。ICTを手段として問題解決を図るということを中心にやってきた部門です。

もう一つがパブリック・アフェアーズ事業部で、社会インフラや地域の活性化といった社会的なテーマに対して、政策提言や事業企画に取り組んでいます。

行政の現場では、制度や予算、既存のシステムといった「前提条件」がありますが、私たちはそれを変えられないものとは考えません。何を目的に事業を推進するのかを起点にして、必要であれば制度や業務そのものを変えていくことにも踏み込んでいきます。構想や企画を創って終わりではなく、それを現場に実装するところまでやり切るところに私たちは強いこだわりを持っています。

御社の強みや、特に注力されているテーマがありましたら教えていただけますか。

清水様:
弊社の強みは人に尽きると思っています。メンバーそれぞれが異なる強みを持っていて、互いに尊重しながらお客様に価値を提供することに真剣に取り組んでいる集団です。その結果として、お客様から高い信頼をいただき、長期的なお付き合いが続いているという実績にもつながっています。

注力テーマとしては、パブリック・アフェアーズ事業部では社会インフラ、エネルギー・GX、地域の成長といった社会課題に対する政策提言や事業企画に取り組んでいます。公共コンサルティング事業部では、行政DXやICT戦略に加えて、人口減少やAIの進歩といった社会環境の変化に対応した、新しい組織構造や業務のあり方を提言し、実行まで推進していくことに力を入れています。

2つの事業部は縦割りの関係ではなく、メンバーを掛け合わせて強い体制を作ったり、パブリック・アフェアーズ事業部が描いた構想を公共コンサルティング事業部が社会実装に向けて支援したりといった形で、互いに連携しながら事業を進めています。組織がフラットでつながりが強い点も、弊社の特徴だと考えています。

これまでのご経験の中で特に印象的なプロジェクトがございましたら教えてください。

清水様:
10年ほど前に携わった行政のお客様の財務会計システムを刷新するプロジェクトが印象に残っています。文面上はシステムの入れ替えが目的のように見えるのですが、そのプロジェクトでは、どんなシステムを入れるかの前に業務の課題をとことん検討するということを約1年かけて行いました。

例えば、行政と関わる住民や事業者がより便利になる仕組みとはどういうものか、今の業務手順は本当に最適なのか、さらには理想の業務を実現するためにどういう組織構造にするべきかという、行政ではハードルの高い組織の議論にまで踏み込んでいきました。疑問があればお客様に投げかけ、一緒にあるべき姿を描いていきました。発注者と受注者という関係ではなく、同じ目的を達成する仲間として一体感を持って進められたことが、成果にもつながりました。

この経験を通じて、システムや情報技術はあくまでも手段であって、目的意識を持って考え抜くことが本質だという考え方が自分の中で確立されました。この経験は、その後のお客様との向き合い方に強く影響しています。

専門性を掛け合わせて幅広く経験を積む─自律と責任をセットで求める組織文化

御社だからこそ経験できる仕事の魅力についてお伺いできますか。

清水様:
幅広い経験を積める点が魅力だと思います。少数精鋭の会社なので、経験が特定業務に限定されず、一人ひとりがお客様と直接向き合い、「意味があること」を自分で考えて提案し、実行するところまで関われる機会を自ら作り出していける環境が整っています。

実務を通じて自分の得意領域にとどまらず、構造的な理解力を活かして他の領域にも展開していけます。異なる専門性を持ったメンバーを掛け合わせて、一人ではなかなか解けない問題に取り組んでいけるのも、弊社ならではの面白さだと感じています。

社内の雰囲気や働く環境の特徴について教えてください。

清水様:
一言で言うと、フラットだですが緊張感のある環境です。年齢層は幅広いのですが、役職や年齢に関係なく、建設的に必要なことがあれば積極的に発言するという文化があります。「言われた通りやっていれば評価される」という会社ではありません。

良い人が集まっているというのが会社の基盤にあるのですが、同時に仕事に対してはみんな真面目で真剣なので、背筋がピンと伸びるような緊張感もあります。一方で、それぞれが異なる専門性を持っているので、一人で抱え込むのではなく、何かあれば相談できますし、チームを組んで進められる環境が整っています。

自由度は高い会社ですが、その分、自律と責任をしっかり求めるというのがポリシーです。細かい指示の下で動くのではなく、自分で考えて仕事を進めていくことを強く求めています。自由に好きにやっていいという意味ではなく、プロフェッショナルとして結果に責任を持つことと常にセットになっています。

未来を見据えた官民連携の主体者へ─規模ではなく質を追う成長ビジョン

5年後、10年後の成長ビジョンについてお伺いできますか。

古見様:
私たちが手がけている「公共」というのは、ガバメントという一つの業界ではなく、「共に創る公(おおやけ)」、つまりパブリックという概念なんです。行政、企業、大学、そして市民──社会の構成員がそれぞれ主体的にコミットして初めて成り立つものです。今、果たしてそういう社会になっているのか、行政だけに公共を押し付けていないかということを、私たちは常に問いかけています。

2040年には氷河期世代が高齢者になり、高齢者の絶対数がピークを迎えます。低所得や一人世帯が多い層がボリュームゾーンとなり、生活保護や孤立の問題が急増します。一方で生産年齢人口は減り続け、公務員の採用倍率も大幅に下がっています。行政だけでは公共サービスを維持できない時代が確実に到来します。企業も含めた社会全体で、公共サービスをどう形づくっていくかを真剣に考えなければなりません。

その中で私たちが目指しているのは、行政の機能を一部肩代わりすることや、一緒に公共サービスを作っていくような、官民連携の主体者になることです。グラビス・アーキテクツは、そうした公共を作っていく上でのブレーンでありたいと考えています。

そのためには、公共のことを真剣に考え、主体性を持って動ける方に少しずつ加わっていただきながら、質の高いチームを作っていく必要があります。だからこそ、グラビス・アーキテクツ単体で10年後に1,000人、2,000人にするという計画は持っていません。

先に規模を決めてしまうと、その規模を維持すること自体が目的になり、本来やるべき仕事を選べなくなってしまいます。結果として組織が大きくなることはあるかもしれませんが、規模そのものをKPIには置いていません。

全体の目的を見据えて動ける人へ─求める人物像と6か月の育成プログラム

御社で活躍されている方の共通点を教えてください。

清水様:
プロジェクト全体が何を目的としているのか、自分のタスクはその中でどういう役割なのか、前後の工程や横で誰が何をやっているのか、そうした全体像を常に意識しながら動ける人が活躍しています。こういう人は、自分の作業を作業で終わらせず、「目的達成のために他に必要なことはないか」「他のメンバーに何か伝えるべきことはないか」と自然に考えられるので、自分で課題を見つけていける人でもあります。

もう一つ大事なのが、個別の手順を覚えるだけでなく、事業の構造を理解しようとする姿勢です。そういう基本動作ができる人は、未経験の領域に入っても「ここの勘所は何か」を掴むのが早く、成長スピードも速いです。与えられた仕事を丁寧にこなすことは当然大切ですが、AIがそうした定型的な作業を担えるようになっていく中で、全体を見ながら重要なところを掴んで成果を上げていける人が、大きな仕事を任されていくと考えています。

中途採用では今後どういった方にご入社いただきたいですか。

清水様:
まず大切なのは、多様な専門性を持った仲間と一緒に社会に貢献したい、公共を良くしたいという思いを強く持って、真剣に向き合える方です。専門知識が豊富な方はもちろん歓迎ですが、例えば行政出身でITスキルはこれからという方でも、その気持ちがあれば問題ありません。

入社後にITやデジタルの専門性、行政の現場理解、ロジカルシンキングといったスキルを身につけていただくための教育プログラムを今年度から本格的に始めています。約6か月間、研修とOJTを半分ずつ組み合わせながら、これまでの経験と新しい知見を掛け合わせて、自分が成果を出せる領域を見つけていただく仕組みです。

加えて、MBO(目標管理)制度も運用しています。ただし、目標を達成して報酬を得るための制度ではなく、将来自分がどうなりたいかを意識しながら、この1年で何を身につければ自己成長につながるかを考えて目標を立てる形にしています。代表の古見や私を含むマネジメント層も育成に加わり、月1回の面談で成長の度合いを一緒に確認しながら進めています。大事なのは、与えられるだけでなく、自ら活かして成長していこうという意識を持っていただくことです。

最後に御社を目指す候補者の方々へメッセージをお願いします。

古見様:
入社するメンバーにいつもお願いしていることがあります。この会社の仕事を通じて、何か一生を通じて取り組みたいライフテーマを見つけてほしい、ということです。例えば私だと児童虐待の予防に取り組みたいという思いがあります。そういう「自分が解決したい社会課題」を一つ持てると、人生のやりがいは格段に上がると思っています。

その上で、本当の意味での問題解決をちゃんとやりたい人に来てもらいたいです。コンサルティング会社に所属すること自体が目的なのか、それとも本気で問題を解決することがやりたいのか。前者であれば大手ファームに行った方が幸せだと思います。コンサルタントが過剰になっている今、肩書きの価値は下がっていきます。

世間のトレンドに踊らされずに、自分がやるべきことに向き合える人にはぜひ弊社に来ていただきたいです。

清水様:
転職を考えるときには、会社のブランドや規模、年収やポジションなど、さまざまな判断軸があると思います。人それぞれ重視するポイントが異なるのは当然のことです。

ただ、仕事に携わる時間は人生の中でも大きな割合を占めます。その中で社会的な価値を生み出していくことが、自分自身の人生の幸せにもつながるのではないかと思っています。どんな力を身につけたいのか、お客様とどんな関わり方をしたいのか、どんな仲間と一緒に働きたいのか、そういったことも考えながら、弊社に興味を持っていただけたら嬉しいです。

構想や企画を作って終わりではなく、泥臭い仕事も含めて最後までやり切り、お客様と一緒に喜びを感じる、そういう経験を共にできる仲間に来ていただきたいですね。

  • URLをコピーしました!
目次