【転職体験談】生産技術職から製造業向けコンサルへのキャリアチェンジ

地方国立大学工学部の大学院を修了後、日系大手自動車部品メーカーに入社。生産技術部で約4年間、生産ラインの設計や工程改善に従事。自身のキャリアについてもやもやを感じつつ、異動の話を機に転職活動をスタートし日系総合コンサルティングファームの製造業向けコンサルタントへ転職したAさん(28歳・男性)にお話を伺いました。
- お名前:Aさん(男性) ※仮名
- 年齢:28歳
- 学歴:地方国立大学院卒(工学部)
- 職歴:日系大手自動車部品メーカー(生産技術部)→日系総合コンサル(DX・業務コンサルタント)
転職前のキャリアと「このままでいいのか」という葛藤
新卒で自動車部品メーカーを選んだ理由を教えてください
大学院では機械工学を専攻していて、もともと「ものづくり」への興味が強かったんですよね。就活のときは完成車メーカーも受けたんですけど、部品メーカーのほうが技術に近い仕事ができそうだなと思って。あと正直なところ、完成車メーカーは選考の倍率がめちゃくちゃ高くて、部品メーカーのほうが入りやすかったっていうのもあります(笑)。
入社した会社は従業員が数万人を超える大手で、トランスミッションとかエンジン周りの部品がメインでした。配属は希望通り生産技術部で、「よし、ここでエンジニアとして腕を磨くぞ」って意気込んでいましたね。初任給は月27万円くらいで、院卒としては普通かなという感じでした。寮費が月3万円とかだったので、残業がそこそこある間はお金は結構貯まりましたね。
生産技術部ではどのような仕事をされていましたか
生産技術って聞いてもピンとこない方も多いと思うんですけど、簡単に言うと「製品を効率よく作るための工程設計をする仕事」です。研究開発が製品の設計図を書くとしたら、僕らはその製品を「どうやって効率よく量産するか」を考える役割ですね。
入社してすぐは、先輩について既存ラインの改善からスタートしました。例えば、加工機の刃具の寿命を延ばすとか、搬送ロボットの動きを最適化するとか、そういう地味な改善を積み重ねる仕事です。年間100万個作る部品があったとして、1個あたりの製造時間を0.5秒縮められれば、年間で約140時間の短縮になる。そういう計算をしながら、日々コツコツと改善していました。
2年目からは新規ラインの立ち上げにも関わるようになって、設備メーカーとの折衝とか、工程設計とか、少しずつ任せてもらえる範囲が広がっていきましたね。
特に印象に残っているプロジェクトはありますか
3年目に任された海外工場の立ち上げ支援ですね。東南アジアに新しいラインを作ることになって、3ヶ月くらい現地に出張しました。
これがめちゃくちゃ大変で。まず言葉が通じない。通訳はいるんですけど、技術的な細かいニュアンスがなかなか伝わらない。「この工程の順番を変えて」って言っても、なぜ変える必要があるのか理解してもらえないと、結局うまくいかないんですよね。
あとは設備の据え付けトラブル。日本から送った設備が現地の電源規格に合わなかったり、湿度が高すぎて精度が出なかったり。毎日何かしら問題が起きて、現地のスタッフと一緒に夜中まで対応していることが頻繁にありました。
でも、最終的にラインが動き始めて、最初の製品が流れたときは本当に嬉しかったですね。「自分がゼロから作ったラインだ」っていう実感がありました。この経験は今でも自分の財産だと思っています。
日々の業務で感じていたやりがいと課題は何でしたか
やりがいは、自分の仕事の成果が「数字」で見えることですね。生産技術って、改善の効果が明確に測れるんですよ。サイクルタイムが何秒縮まった、不良率が何%下がった、コストが年間何百万円削減できた、みたいに。成果が見えやすいからモチベーションも保ちやすかったです。
一方で課題というか、だんだんモヤモヤしてきたことがあって。それは「自社の工場しか見えない」ってことなんですよね。
生産技術の仕事って、基本的に自分の会社の製品を、自分の会社の工場で、いかに効率よく作るかを考える仕事じゃないですか。深く専門性は身につくんですけど、視野がどんどん狭くなっていく感覚があったんです。「この工場のこのラインのことはめちゃくちゃ詳しいけど、他の会社がどうやってるかは全然知らない」っていう。
あとは、改善って結局「現状をちょっと良くする」仕事なので、ドラスティックな変化を起こせないんですよね。既存のやり方の延長線上でしか考えられない。もっと根本から変えるようなことがしたいなって思うようになりました。
転職を考え始めたのはいつ頃からですか
入社して2年半くらい経った頃から、なんとなくモヤモヤし始めました。きっかけは、10年目くらいの先輩と飲みに行ったときですね。その先輩が「俺もお前くらいの頃は色々考えてたけど、結局ここにいるわ」って言ったんですよ。別に悪い意味で言ったわけじゃないと思うんですけど、僕は「え、10年後も今と同じ感じなのか」ってちょっとゾッとしたんです。
あと、大学院の同期がコンサルとか外資系メーカーに転職し始めて、話を聞くと年収も仕事の幅も全然違うんですよね。毎月40時間くらい残業していたので、基本給だけで見ると、実はそこまで高くないんです。製造業あるあるだと思うんですけど、残業代がしっかり出る分、見た目の年収は悪くないように見える。でも、時給換算したら「あれ?」ってなるやつです。
一方で、コンサルに転職した同期ははるかに高い年収をもらっていました。もちろん向こうも忙しいみたいですけど、基本給のベースが全然違う。「自分の市場価値ってどうなんだろう」って考えるようになりました。
当時の具体的な不満や不安はどのようなものでしたか
不満っていうと語弊があるかもしれないんですけど、いくつか感じていたことはありますね。
まず、キャリアパスが見えすぎていたこと。生産技術部にいると、係長→課長→部長みたいな道筋がはっきりしているんです。それ自体は悪くないんですけど、「この会社で偉くなること」にあまりワクワクしない自分がいて。管理職になると現場から離れてマネジメント中心になるし、それって自分がやりたいことなのかな、と。
それと、業界の先行きへの漠然とした不安もありました。EVシフトとか言われている中で、エンジン部品の会社にいて大丈夫なのかなって。会社も対応しようとはしていましたけど、100年続いた事業構造を変えるのは簡単じゃないじゃないですか。
あと、年収の「中身」を考えるようになったことも大きいですね。さっき言ったように、製造業って残業代で稼いでいる部分が結構あるんですよ。じゃあ残業が減ったらどうなるの?って考えると、けっこう不安で。実際、働き方改革で残業規制が厳しくなってきていて、先輩たちも「昔より稼げなくなった」って言っていました。残業代に依存しない年収を得たいな、っていう気持ちが芽生えましたね。
転職を決意した決定的な出来事はありましたか
決定的な出来事っていうほどドラマチックなものはないんですけど、強いて言えば「異動の内示」ですかね。4年目の春に、品質保証部への異動を打診されたんです。別に左遷とかじゃなくて、ローテーションの一環として。
でも、そのとき「自分のキャリアを会社に委ねていいのか」ってすごく考えたんですよね。異動を断ることもできたんですけど、断ったところで「じゃあ自分はこの会社で何がしたいんだ」っていう答えがなかった。それで「一回ちゃんと外を見てみよう」と思って、転職活動を始めました。結果的に異動は保留にしてもらって、半年後には退職してましたね。
エージェントとの出会いとコンサルという選択肢
転職活動はどのように始めましたか
最初はとりあえず転職サイトに登録するところからですね。大手どころを3つくらいしました。登録したら当然スカウトメールがバンバン来るんですけど、最初は「こんなに来るんだ」ってちょっと嬉しかったです(笑)。ただ、よく見ると全然関係ない職種のスカウトも多くて、「とりあえず送ってる感」がすごかったですね。
それと並行して、転職エージェントにも登録しました。製造業出身者の転職に強いっていう触れ込みのエージェントに、まずは話を聞いてもらおうかなと。最初は「エージェントって何してくれるんだろう」って半信半疑だったんですけど、結論から言うとこの出会いが転機になりました。

最初はどんなキャリアを考えていたのですか
正直に言うと、最初は「他のメーカーに転職するしかない」と思っていました。生産技術の経験って、かなり専門的じゃないですか。設備の知識とか、工程設計のノウハウとか。これが活かせる場所って、同じ製造業しかないだろうと。
だから最初にエージェントに相談したときも、「自動車部品以外のメーカーで、生産技術の経験が活かせるところを探しています」って言ったんですよ。電機メーカーとか、機械メーカーとか、そのあたりを考えてますって。
そしたらエージェントの方が「なるほど、ちなみに今の会社でのモヤモヤとか、困っていることってどんなことですか?」って聞いてくれて。それで、キャリアパスが見えすぎていることとか、年収の構造に対する不安とか、自社の工場しか見えていないことへの焦りとか、もっと広い視野で仕事がしたいとか、色々話したんですよね。
エージェントからコンサルを提案されたときの反応は
話を聞いてもらった後に、エージェントから「Aさん、コンサルって考えたことあります?」って言われたんですよ。正直、めちゃくちゃびっくりしました。「え、コンサル?」って。
コンサルって、僕の中では完全に別世界の仕事だったんですよね。東大とか京大出身のエリートが行くところで、製造業の現場にいた自分には縁がない場所だと思っていました。それこそ「頭のいい人たちがスーツ着てパワポ作ってる仕事」みたいな、そんな偏ったイメージしかなくて。
でも、そのエージェントの方が「実は私も、元々自動車部品メーカーで生産技術をやっていたんですよ」って言うんです。「それでコンサルに転職して、今はエージェントをやっています」って。それを聞いて、一気に話が身近になりました。「え、同じ境遇の人がいるんだ」って。

そのエージェントとはどのような話をしましたか
そのエージェントの方とは、本当に話が通じるというか、「わかるわかる」ってなることが多かったんですよね。生産技術特有の苦労とか、製造業のカルチャーとか、いちいち説明しなくても伝わる。「ラインが止まると休日でも呼び出されますよね」「それな、わかります」みたいな(笑)。
その方が言うには、最近は製造業出身でコンサルに転職する人がすごく増えているらしくて。特に製造業向けのコンサルって、現場を知っている人材がめちゃくちゃ求められているんだと。「工場で何が起きているか肌感覚でわかる人は、コンサルファームからしたら貴重なんですよ」って言われて。
で、僕が感じていた「自社の工場しか見えない」っていうモヤモヤに対して、「コンサルならいろんな会社の現場に入れますよ」と。「1社に閉じこもるんじゃなくて、何社もの課題に触れることで、製造業全体を俯瞰できるようになる」って言われて、それがすごく刺さったんですよね。
なぜコンサルに惹かれるようになったのですか
一番大きかったのは、「視野を広げられる」っていうことですね。さっき話したように、生産技術って自社の工場のことには詳しくなるけど、他社がどうやってるかは全然わからない。でもコンサルなら、いろんな会社の中に入って、いろんなやり方を見られる。それって、自分が求めていたことだなって。
あとは、「上流から関われる」っていうのも魅力でした。生産技術って、基本的に「決まったものを作る」仕事なんですよね。製品の設計は設計部門が決めて、生産計画は生産管理が決めて、僕らはその枠の中で最適化する。でもコンサルなら、「そもそも何をどう作るべきか」「どういう戦略で行くべきか」っていう、もっと上流の部分に関われる。
製造業の経験が武器になるっていうのも大きかったです。「現場を知らないコンサルタント」って、けっこうクライアントから信頼されないらしくて。逆に「工場の実態がわかる人」は重宝される。自分の4年間が無駄にならないどころか、強みになるって言われたのは嬉しかったですね。
コンサルに対する不安はなかったですか
もちろんありましたよ。「自分みたいな人間がやっていけるのか」って。コンサルって、ロジカルシンキングとか頭の良さが求められるイメージがあったので、「地頭で勝負したら負ける」と思っていました。
でも、エージェントの方が「コンサルに必要なのは頭の良さだけじゃないですよ」って言ってくれて。「クライアントの話を聞く力、現場で何が起きているか理解する力、泥臭く実行までやり切る力。そういうのって、製造業で鍛えられてますよね」と。
またロジカルシンキングは一長一短では身につくものではなく、経験と反復を行えば十分可能とも言われましたし、「頭でっかちなコンサルタントより、現場感覚があるコンサルタントのほうが、結果的にクライアントに信頼される」っていう話を聞いて、「それなら自分にもできるかも」って思えたんですよね。
あとは、やっぱり同じバックグラウンドの人が実際にコンサルに転職して活躍しているっていう事実が大きかった。机上の空論じゃなくて、リアルな成功例が目の前にいるわけですから。

転職活動のリアルと選考突破のポイント
転職活動はどのように進めましたか
コンサルを目指すと決めてからは、コンサル転職に強いエージェントにも追加で登録して、2社のエージェントを並行して使っていました。製造業出身のエージェントには業界のリアルな話を聞きつつ、コンサル専門のエージェントには選考対策をしてもらう、みたいな使い分けでしたね。
応募したのは全部で8社で、書類通過が6社、最終面接まで行ったのが3社、内定が2社でした。期間としては、本格的に動き始めてから内定をもらうまで5ヶ月くらいですね。
正直、思っていたより通過率は高かったです。製造業出身でコンサルを受ける人が増えているとはいえ、まだまだ希少価値があるみたいで。特に製造業向けのコンサルをやっている部署は、「現場を知っている人が欲しい」っていうニーズが強いらしくて、そこがマッチしたんだと思います。
選考ではどのようなことを聞かれましたか
一番聞かれたのは「なぜメーカーからコンサルへ?」ですね。これはどの会社でも必ず聞かれました。
僕は正直に話しましたよ。「自社の工場しか見えないことにモヤモヤしていた」「もっと広い視野で製造業に関わりたい」「上流から変革に携わりたい」って。最初はうまく言語化できなかったんですけど、エージェントと何度も壁打ちする中で、自分の言葉で話せるようになりました。
あとは「なぜうちの会社か」っていうのもよく聞かれましたね。これは各社の製造業チームの特徴とか、どんな案件に強いかとかを調べて、「御社のこういう案件に関わりたい」って具体的に答えるようにしました。

評価されたと思うポイントは何ですか
やっぱり現場での具体的な経験ですね。「海外工場の立ち上げでこういう課題があって、こう解決した」みたいな話をすると、面接官の食いつきがよかったです。
特にタイの工場立ち上げの話は、ほぼ毎回聞かれました。言葉が通じない中でどう乗り越えたか、設備トラブルにどう対処したか、現地スタッフとどう協働したか。そういう「修羅場経験」を具体的に話せたのが良かったみたいです。
コンサルってどうしてもロジカルシンキングとか頭の良さが重視されるイメージがあったんですけど、「泥臭い現場経験」も意外と評価されるんだなと思いました。
あと、「コンサルに入って何がしたいか」っていう質問に対して、「製造業のDXを支援したい」「現場を知っているからこそできる提案がある」って答えたんですけど、それも刺さったみたいです。
逆に苦労したことは何ですか
一番きつかったのは、仕事との両立ですね。生産技術って、ラインにトラブルがあると休日でも呼び出されることがあるんですよ。面接の予定を入れてたのに「今日来れる?」って電話がかかってきて、泣く泣くリスケしたことも何回かありました。
あとは、「自分の経験をどう伝えるか」で最初は苦労しましたね。生産技術の仕事って、同業の人には当たり前のことでも、外の人には伝わらないことが多いんですよ。「サイクルタイムを改善しました」って言っても、「それってすごいの?」ってなっちゃう。
だから、「年間でコスト○○万円削減に貢献しました」「生産効率を○%向上させました」みたいに、インパクトが伝わる言い方に変える必要があった。職務経歴書を書くときに、エージェントに何度も添削してもらいましたね。
最終面接はどのような感じでしたか
最終面接はパートナー(コンサルの役員クラス)との面接でした。けっこう緊張しましたね。
聞かれたのは「5年後、10年後にどうなっていたいか」っていう長期的なキャリアビジョンと、「なぜ製造業からコンサルなのか」っていう動機の深掘りが中心でした。
特に「本当にコンサルでやっていく覚悟があるか」っていうのは確認された気がします。「激務だとか、クライアントから厳しいことを言われるとか、そういうのは大丈夫?」みたいな。
僕は「生産技術で3ヶ月間タイに出張していたときも、現地で夜中まで働いていたので、忙しいこと自体には耐性がある」って話しました。あとは「製造業で4年間やってきて、それでもなおコンサルに行きたいと思っているので、覚悟はできています」と。
パートナーの方は「現場を知っている人材は貴重だから、期待してるよ」って言ってくれて、それが印象に残っていますね。
転職エージェント活用のポイント
転職エージェントを使って良かった点は何ですか
一番は「キャリアの選択肢を広げてもらえた」ことですね。さっき話したように、自分一人だったら絶対コンサルなんて考えなかった。「メーカーしかない」って思い込んでいたのを、エージェントとの対話で打破できたのは大きかったです。
特に製造業出身のエージェントと話せたのは、本当に運が良かったと思います。同じバックグラウンドだから話が通じるし、「自分もそうだった」っていう説得力がある。あの出会いがなかったら、今の自分はないですね。
あとは情報提供。コンサル業界の構造とか、各ファームの特徴とか、製造業向けのチームがどういう案件をやっているかとか。「この会社は今こういう人材を求めている」みたいな、求人票には載っていない情報をもらえたのは助かりました。
年収交渉も代わりにやってくれて、結果的に最初の提示額から上がりました。自分で「もっと上げてください」って言うのは気が引けるけど、エージェント経由だと言いやすいみたいで。


逆にイマイチだった点はありますか
担当者によって当たり外れがあることですかね。転職サイト経由で紹介されたエージェントの中には、「とにかく数を受けろ」みたいなスタンスの人もいて、あまり合わなかった。こっちの話を聞かずに求人をバンバン送ってくる感じで。
相性が合わないと思ったら、遠慮せずに担当を変えてもらうか、別のエージェントを使ったほうがいいと思います。僕は最終的に、相性のいいエージェント2社に絞って進めました。
あとは、エージェントも商売なので、「受からせたい」っていうバイアスがかかることはあると思います。だから、言われたことを鵜呑みにするんじゃなくて、自分でも調べて判断することは大事かなと。
転職先を決めた理由と入社後のリアル
複数の内定からどのように転職先を選びましたか
内定をもらったのは2社で、両方とも日系の総合コンサルでした。規模も待遇も似ていて、正直すごく迷いましたね。
決め手になったのは、面接で会った人の印象です。今の会社は、面接官が「この業界のここが面白い」「この案件でこんな経験ができた」って、すごく楽しそうに話してくれたんですよ。もう一社は、なんかちょっと事務的というか、「うちに来れば成長できます」みたいな売り文句が多くて。
あとは、製造業向けのチームの規模も見ました。今の会社は製造業専門のチームが100人くらいいて、案件も豊富にあるって聞いて。コンサルって配属されるプロジェクト次第で経験が全然変わるので、案件が多い会社のほうが成長機会が多そうだなと思いました。
前職を辞めるときの周囲の反応はどうでしたか
上司には正直に「コンサルに転職します」って言いました。引き止められるかなと思ったんですけど、意外とあっさりで。「お前が決めたことなら応援する」って言ってもらえて、ちょっとホッとしました。後から聞いたら、最近は若手の転職が増えていて、会社としても慣れてきているみたいです。
同僚は「マジで?」って驚いてましたね。生産技術からコンサルって、あまりイメージがなかったみたいで。でも「すごいじゃん」って言ってくれる人が多くて、嬉しかったです。中には「俺も転職考えてるんだけど、話聞かせてよ」って言ってくる後輩もいました。
親には事後報告でした(笑)。「転職する」って言うと心配されそうだったので、決まってから「転職したよ」って報告しました。最初は「え、せっかく大企業に入ったのに」みたいな反応でしたけど、年収が上がったって言ったら「じゃあいいんじゃない」って。現金ですよね(笑)。
入社して「良かった」と感じることは何ですか
一番は、視野がめちゃくちゃ広がったことですね。まさに自分が求めていたことが実現できている感覚があります。
前職では自社の工場しか見ていなかったけど、今はいろんな会社の中に入って仕事ができる。業界トップの会社から中堅どころまで、それぞれの課題や強みを知れるのは、コンサルならではだと思います。「この会社はこういうやり方をしているんだ」「こっちの会社はまた違うアプローチだな」って、比較しながら学べるのが面白いですね。
あとは、成長のスピード感。コンサルって「Up or Out(成長するか、去るか)」なんて言われたりしますけど、確かにプレッシャーはある。でもその分、半年前の自分と比べて明らかにできることが増えている実感があります。
それと、製造業の知識が本当に役立っていること。「現場を知っている」っていうのは、コンサルの中では強みになるんですよ。クライアントの工場を見学したときに「この工程はこうなっているんですね」って話ができると、信頼してもらえる。
最初にエージェントの方から「製造業の経験は武器になる」って言われたのは、嘘じゃなかったですね。

逆に苦労していること、想像と違ったことはありますか
苦労しているのは、やっぱり仕事量ですね。忙しいとは聞いていたけど、想像以上でした。プロジェクトの締め切り前は終電続きになることもあるし、土日も稼働することがあります。前職は残業があっても20時くらいには帰れていたので、そこは正直キツいです。
あとは、「答えがない仕事」への慣れですね。生産技術って、ある意味答えがはっきりしている仕事なんですよ。「サイクルタイムを何秒縮める」とか「不良率を何%にする」とか、数字で測れる。でもコンサルは「この会社の成長戦略は何か」みたいな、答えがない問いに向き合わないといけない。最初は「結局何が正解なの?」ってすごく戸惑いました。
想像と違ったのは、意外と「手を動かす」仕事が多いこと。コンサルってスマートに頭を使う仕事ってイメージがあったんですけど、実際はExcelでデータをガリガリ分析したり、PowerPointで資料を何十枚も作ったり、けっこう泥臭い。そこは前職と似ているかもしれません(笑)。
今のコンサルでの仕事内容を教えてください
今は製造業向けのチームに所属していて、自動車メーカーや機械メーカーのクライアントが中心ですね。
直近で関わっているのは、ある自動車部品メーカーのDXプロジェクトです。工場の生産管理システムを刷新して、リアルタイムでデータを見える化しようっていう取り組みです。まさに前職の経験が活きる領域で、「こういうデータがあると現場は助かる」とか「この機能は現場では使いにくい」とか、現場目線でアドバイスできるのが自分の強みになっています。
あとは、サプライチェーン改革のプロジェクトにも関わっています。在庫の最適化とか、調達先の見直しとか。これも製造業の知識がないと理解できない領域なので、前職の経験が役立っていますね。
これからのキャリアと転職を考えている人へのメッセージ
今後のキャリア展望を教えてください
まずは今の会社でマネージャーになるのが直近の目標ですね。コンサルって、アナリスト→コンサルタント→マネージャー→シニアマネージャー→パートナーっていう階段があるんですけど、今はコンサルタントなので、あと2〜3年でマネージャーになりたいなと。
長期的には、製造業のDX領域で第一人者になりたいっていう思いがあります。工場のスマートファクトリー化とか、サプライチェーンのデジタル化とか、これからますます需要が増える分野だと思っていて。自分の製造業経験×コンサルスキルを掛け合わせて、その領域で名前が売れるようになりたいですね。
コンサルにずっといるかどうかは正直わからないです。5年後、10年後に「事業会社に戻りたい」と思うかもしれないし、独立するかもしれない。でも今は「コンサルでしか得られない経験」を積むことに集中しています。選択肢を広げるためにも、今が頑張り時かなと思っています。
生産技術からコンサルへ転職して、どのようなスキルが活きていますか
一番は「現場感覚」ですね。コンサルって、どうしても机上の空論になりがちなんですよ。綺麗な戦略を描いても、現場で実行できなければ意味がない。そこで「この施策、現場では絶対無理ですよ」とか「ここはもっとこうしたほうが動きやすい」って言えるのは、強みになっています。
クライアントの工場に行ったときに、「あ、この設備は○○製ですね」とか「この工程の流れはこうなっているんですね」とか、すぐに理解できる。それだけで「この人は現場がわかっている」って信頼してもらえるんですよね。
あとは「数字で考える」習慣。生産技術って、QCD(Quality, Cost, Delivery=品質、コスト、納期)を常に数字で追いかけるじゃないですか。「なんとなく良くなった」じゃなくて「不良率が0.5%改善した」って言わないといけない。その癖がついていたので、コンサルでも「定量的に示す」ことができています。
プロジェクトマネジメントの基礎も役立っていますね。生産ラインの立ち上げって、納期があって、関係者がたくさんいて、やることが山積みで、っていう意味では、コンサルのプロジェクトと似ている部分があります。
製造業からの転職を考えている人にアドバイスはありますか
まず言いたいのは、「製造業の経験は、思っている以上に市場価値がある」ってことですね。僕も転職前は「生産技術の経験なんて、メーカー以外で通用するのかな」って不安だったんですけど、全然そんなことなかった。むしろ「現場を知っている人材」は引く手あまたです。
これは僕自身がエージェントに言われて気づいたことなんですけど、製造業の経験って、本人が思っているより汎用性があるんですよね。だから「メーカーしか行けない」って決めつけずに、一回プロに相談してみるといいと思います。僕みたいに、思ってもみなかった選択肢が見つかるかもしれないので。
ただ、「経験がある」だけじゃ伝わらないので、「自分の経験を言語化する」ことは大事です。「どんな規模のプロジェクトを」「どんな役割で」「どんな成果を出したか」を、数字を交えて説明できるようにしておくといいと思います。職務経歴書を書くときに強制的に整理することになるので、それ自体がいいトレーニングになります。
もし転職前の自分にアドバイスするとしたら、何と言いますか
「もっと早く動いてもよかったよ」って言いますね。僕は転職を考え始めてから実際に動き出すまで、半年くらいグダグダしていたんですよ。「まだ早いかな」とか「もう少し経験を積んでから」とか、言い訳をつけて。でも結局、動いてみないとわからないことばかりだったので、さっさと動いておけばよかったなと。
あとは「一人で抱え込まないで」とも言いたいですね。僕の場合、エージェントに相談したことでコンサルっていう選択肢が見えた。それも、製造業出身のエージェントだったから、話が通じて、背中を押してもらえた。自分一人で調べていたら、絶対にコンサルは考えなかったと思います。だから、プロの力を借りるのは全然ありだと思います。
それと、「年収の中身をちゃんと見ろ」ですかね(笑)。製造業にいると残業代込みの年収で「まあまあもらってる」って思いがちなんですけど、基本給で比べたら全然違うことがある。残業代に依存した年収構造は、長い目で見るとリスクだと思います。
最後に、「不安なのはみんな一緒」ってことですね。転職前は「失敗したらどうしよう」「やっていけるのかな」って不安でいっぱいでした。でも、新しい環境に飛び込んでみたら、意外となんとかなる。100%の準備なんてできないから、ある程度の不安を抱えたまま動き出すしかない。その一歩を踏み出す勇気が大事だと思います。
転職を検討している方へ
最後に、転職を迷っている人に向けてメッセージをお願いします
迷っているなら、まずは動いてみることをおすすめします。転職サイトに登録するとか、エージェントに話を聞いてみるとか、小さな一歩でいいんです。動いてみると、「意外と自分の市場価値って高いんだな」とか「やっぱり今の会社がいいかも」とか、何かしら見えてくるものがあります。
僕の場合、エージェントとの出会いがなければ、コンサルへの転職は絶対になかったと思います。自分の中で「メーカーしかない」って決めつけていたので。でも、話を聞いてもらって、選択肢を提示されて、「あ、そういう道もあるんだ」って気づけた。これは一人では絶対にたどり着けなかったと思います。
僕自身、転職して本当によかったと思っています。もちろん大変なこともあるけど、新しいことを学べる毎日は楽しいし、「このまま同じ会社にいたらどうなっていたんだろう」っていう漠然とした不安からは解放されました。
製造業にいる方は、「自分の経験なんて通用しない」って思い込まないでほしいです。ものづくりの現場で培った知識や経験は、いろんな場所で求められています。自信を持って、一歩踏み出してみてください。
応援しています。


